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黄昏時

黄昏時、陽が落ちてきました

原型を失って

溶けて、溶けて

目に映る私と私を囲む風景は

朧げです

小夜は

秒針を刻むごとに

グラデーションの如く染み渡り

手に持ったコップの液体は

一滴、また一滴と

溢れていました

ぼんやりとした頭の中に

浮かんだ言葉は確かにありました

私が私か、貴方が貴方か

それ以上のことはあるのかと、

瞬きをしてみたら

見えてくるのかしらと、

感じるのは今着ている服の感触と

足元で遊び去ってゆく冬の夜風

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