ほっと吐息をもらす、桜色が記憶を辿ってゆく
行き交う人のなか、黒髪乙女、ひらりと花弁がおちた
姿を捉えようとするには少しばかり眩しすぎる、
彩りが散らばった春風すかあとの裾を軽く摘んで
足早に溶けていった、
それはほんの一時のことであった

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