米粉の実験/リ・ファリーヌ

私にとっては3種類目の米粉、リ・ファリーヌの試作をしました。

この米粉はとても個性的で、これまで使ったタイガーや熊本製粉ミズホチカラとは全く異なる性質を持っていました。

結論としては、とても繊細な美味しいパンが焼けたのですけど、水分量が少しでも変わるとバランスが崩れてしまうちょっと気難しい粉かもしれません。

この記事では、リ・ファリーヌを使った試作の結果や印象などを書いていこうと思います。

※1kg包装で試作4回分という限られた範囲での、あくまで経験の浅い私個人のレシピによる試作をもとにした内容になりますので、参考にされる場合は他の情報源も併せてご確認ください。 


リ・ファリーヌの特徴  

群馬製粉と世界的パティシエである辻口博啓シェフが協力し、19年前に誕生した業界初のパン・洋菓子用の米粉なんだそうです。

国産米100%を超微粒粉砕して作られており、粒子の細かさは従来の小麦の約1/2で、小麦粉(薄力粉)の代替として小麦粉を使用したケーキよりもきめが細かくなめらかでしっとりした食感のケーキを作ることができる、とありました。

試作の結果

ミキシング

とてもなめらかな生地です

画像では伝わりにくいですが、混ぜた感触はなめらかな感じで、粒子の細かさが感じられます。

発酵

粒子の細かさが感じられます

これまでに見たことのないような発酵生地表面で、やはり粒子の細かさを感じます。 

焼成

しっかり釜伸びしています

しっかり釜伸びしていて、香りや焼き色もとても良い状態です。

試食

クラストが厚めでしっかりしています
クラムはふわふわです

カットした時の生地の柔らかさがいつもと全く違っていました。
ふわんふわんというか、自分の重さでたわむ感じです。

食感は、クラムは普段のミズホチカラと比べてややひきが弱めでほろほろふわふわ感があり、とても繊細な感じがします。
クラストは厚めで香ばしくてその美味しさが際立っていました。
どこかしら焼き菓子を感じるというか…
味や香りは上品で淡白、あっさりとした印象でした。
これは他の材料の繊細な風味を邪魔しないため、製菓用途において活かされる特徴のように感じました。

ケーキ生地の含水率は20%ほど、パン生地の含水率は30%ほどだそうなので、ケーキ生地ではパン生地よりも水分量が少なくより軽い食感に仕上がると思われるため、フィナンシェやマドレーヌのような製菓用において繊細な口どけを作ってくれそうな気がします。

全体的に受けた印象としては、製菓用としてポテンシャルが高い粉なんですが、製パンでもとてもふわふわな生地ができて美味しかったです。
個人的にはクラストの美味しさがとても印象的で、クッキー、焼き菓子などでとても風味の良いものができるのではと感じました。

もしかしたらこういった1斤サイズで焼くより、小さめのカップなどで焼くと、クラストの割合が多くなってより焼き菓子感が出てくるかもしれないと思いました。

ただし、私が今回試作に用いたレシピでは、水分量が±5mL違っただけでバランスを崩して生地感が大きく変わってしまいました。
ですので製パンでのアレンジは難しいかもしれないんですけど、リ・ファリーヌで焼いたカレンズの米粉パンはとても美味しくて、また作りたくなる不思議な魅力がありました。
もう少し試作を重ねてリ・ファリーヌを使ったレシピを作りたい気もしています。
アレンジとしては、スイーツに寄せたパンに合うかもしれません。

まとめ

非常に粒子が細かく、風味は上品で淡白という特徴を持つ米粉です。
製菓用に適性がある米粉ですが、製パンでもふわふわの繊細な生地を作り出せる不思議な魅力のある粉でした。

米粉は本当に一つ一つ特徴があって発見があってとても奥が深く面白いです。

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