見出し画像

#2 わたしとアート

物心ついたときから絵を描くのが好きでした。

なんの絵を描いていたわけでもないけれど、ただ、絵を描くと家族が喜んでくれました。別に特別上手!というわけでもない私の絵を見ていつも褒めてくれたのが嬉しかったのを覚えています。

私が本格的にアートに魅了されたのは小学校5年生くらいの時。
九州国立博物館で「ゴッホ展」なるものが開催されました。
確か、自画像を描いて応募すると「ゴッホ展」へ招待チケットがもらえるようなコンクールも同時開催されていて、その時初めて本気で絵を描きました。(多分自画像なんて小っ恥ずかしいものを描いたのもこれが初めて。笑)

何か特別な賞をもらえたわけではありませんでしたが、一生懸命に描いた自画像で「ゴッホ展」のチケットを手にすることができました。

小学生ながら、ゴッホ展でみた本物の「灰色のフェルト帽の自画像」の感動は忘れられません。
繊細な筆使いで描かれた自画像の中のゴッホは何かを訴えかけるような、力強い、でも寂しさを含んだ瞳をしていました。
当時買ってもらったポストカードは今でも大切な宝物です。

ファン・ゴッホ
「灰色のフェルト帽の自画像」

彼は生前、貧困と孤独の中自分の作品がいつか一枚でも売れるよう願って作品を作り続けました。
画家仲間のゴーギャンとは仲違いし、終いには引き留めたくて自分の耳を削ぎ落とすという悲劇のエピソードはアートに馴染みのない人も聞いたことがあるかもしれません。

そんなゴッホは、最期まで売れることなく孤独と戦い、そして弟に迷惑をかけまいと自らの命を絶ちました。(諸説あり)

彼の作品が日の目を浴び、今や誰もが知る世界的な芸術家となったのは彼とそしてずっと支え続けた弟テオの死後しばらくしてからのことです。

こんな生い立ちを知った当時の私は、死んでからでもいいから人の影響に残る何かを残したい。自分の生きた証をなんらかの形で残したいと思うようになったのかもしれません。

今の私にとって、絵を描くことは心に余裕がある時しかできないのが現状だけど、少しでも自分の作品を残していきたい。
そして私の描いた絵で誰かを喜ばせられたらもっと嬉しい。

今冬、11年ぶりに福岡でゴッホ展が開かれています。
ゴッホの絵が、23歳になった私にどう見えたのか。

お正月休みでゴッホ展に行ってみた感想やアートについてのNoteも今後書いていきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?