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出会いと別れ

気がつけばもう3月。
「出会いと別れの季節」が訪れました。

私は去年の3月、今のスクールの子どもたちと出会い、
そして今年の3月、中学3年生と小学6年生の子どもたちと別れました。

私にとって、「見送る側」の立場になって初めての卒業式。
1年間という短い期間でも、子どもたちの成長を実感した瞬間は数知れません。

今回はそんな卒業する子どもたちと、私自身の1年間の成長を記録したいと思います。

私がスクールに本格的に関わり出したのは昨年の3月。
前任者の退職と入れ替わりのタイミングでした。

学校であれば、毎年1年単位で担任が交代しますが、フリースクールでは1年以上同じ担当者が見てきたなんてこともあるため突然担当者が変わることは子どもたちにとって不安で仕方なかったことと思います。

現に、私が来た当初よそよそしく振る舞う子どもたちに戸惑うばかりの日々でした。

ただでさえ、初めて出会う人や環境の変化が苦手な子どもたちが新しいスタッフに対して心を開くのは至難の業。

何か話題を作ろうと、質問してみても「分からない」「知らない」「覚えてない」の一点張りで突き放され、子どもたちとの距離に悩む毎日でした。

それでも、粘りの姿勢で子どもたちと対話し続けどうにかして距離を埋めようと奮闘していました。笑
時に、子どもたちの「(前任者)さんがいたらなぁ」という声に申し訳なさと劣等感を感じて苦しくなることもありました。

この時、「私、自分と前任者を比べて落ち込んでる?子どもたちから良い評価をもらうために頑張ってる?」

そう感じていることに気がつき、

「他人と比べない」
「他人の評価ではなく自分の信念のために努力する」

どこで得たかは忘れてしまいましたが、この教訓をすっかり忘れてしまっていました。

この言葉を思い出してからというもの、ただひたすらに「子どもたちが社会に出た時、困らないように」
「自分の力で生きていけるように」
「学びを楽しいと思えるように」

それだけを思って日々を過ごしました。
このマインドセットが功を奏したのか、私はそれまでよりもまっすぐ子どもたちに向かい、毎日を楽しめるようになりました。

これが私の1年間の成長かなと思います。

ここまで自分の話ばかりになってしまいましたが、私なんかの数倍、数百倍成長したのは子どもたちの方です。

担当者の交代、コロナによるオンライン授業など大きな環境の変化にも順応し、辛いこと苦しいことを彼ら彼女らなりにたくさん乗り越えてきたと思います。

それに、1年前は何を聞いても「分からない」としか言わなかった小6の男の子も今では自分から話かけにきてくれるようになり「分からない」ではなく、「知らないから、調べてみる」と言って自分から調べてくれるようになりました。
そして、直前まで参加しないと話していた卒業式にも参加することができました。

スクールになかなか登校できていなかった中学生の女の子も、卒業前の最後の1ヶ月は「交通事故に遭わない限りは登校しますから!」と言って休まず登校することができました。そして、諦めかけていた高校受験にも挑戦し、無事合格することができました。

この一年でそれぞれ確実に成長した姿をみて、ここまで見届けることができて本当によかったと感じると共にその先の将来の成長していく姿がより楽しみになりました。


人生は決められたコースを走るマラソンじゃない。
道はひとつではありません。
ゴールもひとつではありません。
道は人間の数だけあります。
代表から卒業生へのメッセージより

卒業式でスクールの代表が子どもたちに伝えた言葉です。
この言葉に私自身も励まされました。

こうした「出会いと別れ」を経て私も、子ども達もそれぞれの道で各々のペースで成長してゆくのだと思います。

人と比べなくていい。
大切なのは、去年の自分と比べてどう成長したか?


だと。
改めて自分に、子どもたちに問いかけてみたいと思います。

子どもたちの成長を見届けられる喜びを原動力に、4月からの新学期もより良い学びを提供していきたいと思います。

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