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おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。

「おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。」

映画『魔女の宅急便』のポスターより

2022年12月1日。
ついに、12回目の抗がん剤治療を終えました
6月に治療を始めてから、実に6ヶ月の月日が経ってしまいました。

これで一旦治療生活は終了となります。
1月の検査でがんが消えた事を確認するまではまだ油断はできませんが、今は次の治療への不安がなくなったことにほっとしています。

治療中は沢山落ち込んだりもしましたが、とりあえず今の私は元気です!

私はあまり物事を悲観的に考えるタイプではないので、病気が分かった時も
「抗がん剤で治るなら大丈夫!」と割と楽観的に構えていました。

しかし、半年間の治療生活中は抗がん剤治療が辛くてたまらなくて、
会いたい人にも会えず、
行きたい場所にも行けず、
体調も思うようにいかず、

「なんで私がこんな目に?」
「なんでこのタイミングで?」

と考えずにはいられない時もありました。

今となっては、「なってしまったものは仕方ない」と思えるんですが
改めて考えてみるとがんになって失ったものは沢山あるよなあと。

・健康な体
・24歳として過ごす私の時間
・スクールの子ども達と過ごす時間
・友達と過ごす時間
・会いたい人に会いにいく機会
・一人暮らしの生活
・体力
・免疫力
・血を作り出す力
・髪の毛、まつ毛、眉毛(笑)

挙げ出したらきりがないです。
これから取り戻せるものもありますが、
半年間という失われた時間はもう取り戻せません。

でも、やっぱり私はスーパーポジティブ人間なので
「逆に、がんになって得たものもあるんじゃないか?」

と考えてみたわけです。

勿論、「がんになって良かった!」
なーんて思うことは絶対にないし、2度と抗がん剤治療もしたくないです。
正直次また同じ治療をするくらいなら、何もせず死んだ方がマシだと思うくらい。(やり残したことありすぎてまだ死ねませんが。笑)

でも、それだけきつい思いをしたからこそ、がんになったからこそ気付けたことは沢山あるような気がします。

今回は「がんになって得たもの」
俗に言う"Cancer GIFT"について書いてみたいと思います。

私の"Cancer GIFT"

1.健康でいる事のありがたみを知った

これまで、病気とは無縁の人生で家に篭るより常にどこかに出かけていました。
休みの日もランニングしたりテニスに行ったりアクティブに過ごしたいタイプで、疲れもあまり感じていませんでした。

なので、病気で入院するなんてことはドラマか映画の中の話としか考えていませんでしたし、まさか自分が病気で家から出られなくなるなんて思いもしていませんでした。

病気になって通院するようになると、自分が思っていたよりも沢山の人が病院に来ていました。(内科だけで平均500人)
「世の中こんなに病んでる人いるの?」
と日本の将来が心配になるレベル。

それだけ病人がいる中、健康でいる事は本当に有り難いことだと思いました。

1人で好きな場所に出かけて、誰かと会って、好きなものを食べて、運動して、

そんな当たり前にできていたことができなくなって初めて、健康体である事への有り難みと病める人達の気持ちを理解できたような気がします。

苦手だった医療ドラマにハマる🩺

2.食事に気を付けるようになった

病気になってから、今までの食生活を見直すようになりました。
例えば、1日2杯飲んでいたコーヒーを飲む機会を減らしたり、
大好きな辛い料理をちょい辛で食べるようにしたり、、、

あとは、味覚の変化なのかチョコレート中毒だったのが今ではそこまでチョコを欲さない(むしろ甘すぎと感じる)ようになりました。

できるだけ加工食品や冷凍食品は避け、元気な時は自分で食べたいご飯を作ってみることもありました。
実家だと、一緒に食べてくれる人がいるので一人暮らしの時よりも作りがいがありますね。

健康への第一歩として、食生活を改善できたのは良かったです。

コーヒーは我慢してティーに🫖

3.自分を大切にする時間を持つようになった

正直、今ままでずっと何かに追われる生活をしていて自分の時間を持つことは後回しにしていたような気がします。
時間の制限なく、納得いくまで自分のために時間を使うのは私にとっては勇気がいることでした。

どこへも行けないので、病気になってから体調が良い時は絵を描いたり、観たかった映画やドラマを見たりして自分のために時間を使うことができました。
そんな時間を持つことで、自分の精神面は保たれていたと思うし、自分と向き合う時間ができたおかげで色々なことを冷静に考えることができました

そして、今までやりたいと思っていたのに先延ばしにしていたこと、行きたいと思っていたのに行けてない場所、会いたいと思っていたのに会えてない人、
もしかしたらできなくなる日が来るかもしれないと思うとできるうちになんでもやっておきたいと思うようになりました。

夏の夕日の絵🌇

4.周りの人の優しさを再確認した

・応援してくれた友人や先輩、後輩、知人
・沢山励ましやサポートをしてくれたスクールの代表とスタッフ
・各々の気持ちを色紙を書いて送ってくれた子ども達
・入院していた時に色んなことを教えてくれた同じ病室のおばあちゃん達
・副作用の悩みに対処してくれたお医者さんや看護師さん

などなど病気になってから、本当に沢山の人に支えられているのを感じました。

特に抗がん剤治療中は、ケモ室の看護師さん達に沢山お世話になりました。
最初のオリエンテーションの時から、私の仕事にすごく関心を持ってお話ししてくれて治療で憂鬱な日も「今日は具合大丈夫?頑張ろうね!」
と声をかけてくれました。

後半嘔吐が激しくなった時も、できるだけ薬剤を見せないように配慮してくれたり、ケモ室の1番はじのベットを特等席にしてくれたりと工夫してくれたおかげで治療中の辛さが軽減されました。

最後の治療が終わった時には一緒に涙を流して喜んでくれ、辛い治療もこの看護師さん達のおかげで乗り越えられたんだと改めて思いました。

いろんな人からもらった優しさをこれから何らかの形で返していけたらと思います。

個性豊かな子ども達からのメッセージ😭

5.家族のありがたみに気付いた

今まで何だかんだ部活で忙しかったり、1人暮らしや留学で実家を離れていることが多く家族と一緒に家で過ごす時間はほとんどありませんでした。

病気になってからは、実家から遠い病院まで毎週送迎してくれたり、副作用できつい時はサポートしてくれたり本当に沢山支えてもらいました。

きっと家族も私がこんな病気になるなんて思いもよらなかったでしょうし、1番ショックだったと思います。
でも、体調が悪い時も、治療前の吐き気が強い時もどんな時も支えてくれました。

家族の存在ってこういう時にこそいちばん力を発揮するんですね。
一人暮らしを始めてから、
「なんでも1人でできるから大丈夫。」
「私は1人で生きていける。」
なーんて飛んだ思い上がりだったなと反省しました。

人は1人で生きていけるほど強くはないし、辛い時に結局頼れるのは家族なんだということに気がつきました。

家族と訪れたコスモス畑🌼

6.当たり前は当たり前ではない事に気付いた

今まで両親や環境のおかげもあり、割となんでも自分のやりたいようにさせてもらってきました。
それだけ今まで何不自由なく生活してきた代償なのか、病気になり自由が制限された生活は苦しかったです。

一旦は抗がん剤治療も終わりましたが、再発する可能性も2割はあるとのこと。
W杯で日本がドイツに勝つ確率が25%て言われてたので、同じくらいの可能性です。笑

今後再発なく、普通の生活に戻れればいいですがその保証も100%ではないんだなと思うと当たり前に過ごしていた毎日も決して当たり前ではないのだなと感じました。

1月に無事がんが消えて今後も再発がないよう祈るばかりです。

長くなりましたが、こうやって書いてみると思っていたよりも得たもの、気付いた事が沢山ありました。
こう思えたのも、治療中励ましてくれた人のおかげだと思います。
本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
ありがとうございました!

来年は、社会復帰にむけ心機一転頑張ります!

友人が半年越しに誕生日をお祝いしてくれました🎂

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