Pretenderの歌詞解釈 /Official髭男dism
この歌詞で意見が分かれるのはやっぱり二人の関係性についてだと思います。
恋人同士なのか?それとも単なる片思いの相手なのかそれとも…まさか不倫?
結論からいうと、この歌の場面(状況)は
「君と僕は現在付き合っているが、ちょうど僕が別れを決意したところ」
だと私は思っています。
なぜそう思ったのか?をこれから説明しますが、大切な前提として私はこの曲の背景を全く考慮していません。
例えばアーティストの作詞パターン、この曲が作られたきっかけ、タイアップドラマなどの予備知識となるものは今回全て無視します。
あくまでこの曲だけに向き合い、細かく見ていきながら国語的な解釈をしていくことにします。
ここまでが1番の歌詞です。
比喩表現が多いので、さっそく冒頭からいくつかの疑問が生まれます。
①ラブストーリーって具体的になにを指してるの?
→君「との」ラブストーリーとあることから、主人公一人ではなく二人で作り上げる物語=君と僕の恋人としてのお付き合いと考えられます
②予想通りって…主人公はいったい何を予想していたの?
→お付き合いがスタートしても結局自分の「ひとり芝居」になるということ
③じゃあひとり芝居って?
→辞書的には【一緒に舞台に上がる相手がおらず、一人きりで役を演じること】つまり、君が恋愛という舞台で僕の恋人役を演じてはくれないことを意味します
これらをふまえて、主語や目的語を追加するとこうなります
'"(僕と)君とのラブストーリー
それは(僕の)予想通り
いざ始まれば(僕の)ひとり芝居だ
(君が)ずっと(僕の)そばにいたって結局(君は)ただの(僕のひとり芝居の)観客だ"
簡単に言えば、恋人関係になってもどうせ君の心は僕に向かないんじゃないかな、ということを主人公は何となく予想していたということになります。
そしてそれは「予想通り」だった。
そのあとに「君とのロマンスは人生柄続きはしないことを知った」とあります。
"予想が当たっていた"とあること、また、"続く"という言葉が使われている以上何かが始まっていると想定されることから、一応僕と君はいったんお付き合いをしていると考えられます。
主人公の気持ちとしては
「まあ付き合う前からわかってはいたけど、やっぱり恋人になっても君はちゃんと僕を好きになってくれなかったね。
それでも僕がそんな君の冷めた態度に慣れればやっていけるかなってちょっと思ったりもしたけどやっぱもう無理かも。こんなの続かないよ」
といったところでしょうか。
続く、
"もっと違う設定で もっと違う関係で
出会える世界線 選べたらよかった
もっと違う性格で もっと違う価値観で
愛を伝えられたらいいな
そう願っても無駄だから"
の部分の歌詞から読み取れるのは、「もう僕は今の僕じゃなくなったっていいからただ君に愛されたかったよ。君のことがどんなに好きかって伝えたいよ」という主人公の悲痛な叫びです。
好きな人に好かれるためにはどうしたらいいんだろう?主人公は思い悩んだあげく一つの悲しい結論を出してしまいました。「結局僕じゃダメなんだ」
ここでサビに入ります。
サビ部分では、「グッバイ」と別れのセリフを吐きながらも諦めきれない思いがありありと描かれています。それほど僕にとって君は美しく魅力的な女性なんですね。
2番に入ります。
ここの飛行機からみる夜景の表現、個人的にとても好きです。
きらめいていて綺麗だけどしょせん他人事。窓から見下ろしているのは僕と君の街じゃない。僕たちの恋愛には、僕のこの恋の苦しみにはひとつも役に立たない。
でもその先にちょっと気になる表現があります。
"いたって純な心で 叶った恋を抱きしめて
「好きだ」とか無責任に言えたらいいな"
ん?なぜ恋人に好きだと伝えるのが無責任なの?
彼女の気持ちが僕に向いていない以上、愛の台詞は彼女には重たく、僕が好きだと言えばいうほど恋愛に向き合っていない彼女を非難し追い詰めることになるからでしょうか。
そう考えると一応説明はつきますね。
実は他に妄想するストーリーもありますが、今回はやめておきます。
以下の最後のサビにあるように、繋いだ手を離したくない気持ち(別れたくない気持ち)ともう離さなきゃという気持ちで揺れ動く主人公がとても切ないです。
最後に、pretender(詐称者)って、いったい誰のことなのでしょうね?
ピエロ を演じていた僕なのか、恋人としての役をちゃんと演じきらなかった君なのか。
全歌詞リンク↓
Pretender Official髭男dism 歌詞情報 - うたまっぷ
http://sp.utamap.com/showkasi.php?surl=k-190515-055
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