零井あだむ
ハヤカワkindleセール個人的に「これだけは」読んでほしいSF作品11選
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ハヤカワkindleセール個人的に「これだけは」読んでほしいSF作品11選

零井あだむ

Kindle限定で、早川書房夏の大型セールが開始されました。

定期的に大型セールを開催してくれる早川書房ですが、今回も、ハヤカワレーベルから刊行している国内外のSF・ミステリー・海外文芸などの約1,500点を50%割引で販売中。

往年の名作から新作まで多くの作品がセール対象になっています。

実施期間は6月2日(水)から22日(火)までの21日間。

今回は僕自身が「これだけは!」というマストなSF作品を11作品チョイスして挙げていきたいと思います。

宮澤伊織『裏世界ピクニック』

ふとしたきっかけで出会った女子大生コンビが日常の傍に潜む「裏世界」に這入り込み、インターネットや口コミ、いわゆる「ネットロア」として広がった都市伝説が具現化したような怪異たちに立ち向かいながら、裏世界で宝探しをする物語。

「くねくね」や「八咫様」「きさらぎ駅」……いつかどこかで聞いたような都市伝説に出会う場所、裏世界を歩くうち、徐々に縮まっていく二人の距離感。既にアニメ化、コミカライズ済みで、これからの展開がより楽しみな作品でもあります。

アンディ・ウィアー『火星の人』

火星を調査していた宇宙飛行士ワトニーは、不慮の事故でたった一人、火星の地に取り残されてしまう。頼みの綱は火星の基地に残された僅かな物資。果たしてワトニーは、生きて地球に帰ることが出来るのか!

マット・デイモン主演で既に実写映画化済みの本作。絶体絶命の状況なれど、自身の持ちうる知識を総動員してサバイバルするワトニーの博識ぶりや、彼を地球に帰すため必死にサポートするNASAのプロフェッショナルたち。何より絶望的状況にもかかわらず、前向きなポジティブさを忘れないワトニーの、小気味よい口調で語られる物語がとにかく面白い!非常に読んでいて心地よく、ひとつのドキュメンタリー映画でも見たかのような爽快な読後感でした。

月村了衛『機龍警察』

テロや民族紛争の激化に伴い発達した近接戦闘兵器・機甲兵装。新型機〈龍機兵(ドラグーン)〉を導入した警視庁は、その搭乗員として三人の傭兵と契約した――

警察小説的なサスペンス要素は勿論、ロボットアニメ的なメカアクション、漫画やライトノベルかのようにキャラが立った特捜部の面々たちが絡み合い、警察小説ながらロボットアニメを見ているかのような読み応えをもたらしてくれるのがこの作品。一つの事件から紐解かれていき、果ては日本という国家の根幹を揺るがすほどの陰謀に繋がっていくほど広がりを見せる謎を追ううちに、いつの間にかページを捲る手が止まらなくなる「至近未来」小説。警察小説好き、ロボ作品好きの両方を納得させるパワーある作品です。

伊藤計劃『虐殺器官』『ハーモニー』

『虐殺器官』で作家デビューしてからわずか2年ほどで早逝した作者、伊藤計劃が描く、近未来の世界。

ナノマシン、AI、医療福祉技術、義体化技術ーー人間のあらゆる行動が機械やテクノロジーにより代替される中、未だ代わりのない「人体」という器官。どれだけ科学技術が発展しようとも、争いの絶えない人類の営み。伊藤計劃は『虐殺器官』と『ハーモニー』の中で、テクノロジーと人類の関係性と、その先にある未来と結果を、緻密な筆致で描き出しました。

作者が急逝した後も映像化、コミカライズとメディア展開は続きましたが、正直、どれも物語の本質からはズレた展開としか思えませんでした。伊藤計劃本人が紡ぎ出した文章から滲み出る物語の真髄を、是非この機会に味わっていただきたいです。

レイ・ブラッドベリ『太陽の黄金の林檎』

冷えきった地球を救うために太陽から“火”を持ち帰ろうとする宇宙船を描いた表題作「太陽の黄金の林檎」、灯台の霧笛の音を仲間の声だと思いこみ、海の底から現れる古代生物の悲哀を綴った「霧笛」、タイム・トラベルの危険性を示唆する「サウンド・オブ・サンダー(雷のような音)」など22篇を収録した短篇集です。

ハリウッドで映画化している『雷のような音(サウンド・オブ・サンダー)』は、タイムトラベルを題材にした作品ですが、短編ながらハッとさせられる意外なオチが仕込まれていて、個人的にお気に入りです。

『星を継ぐもの』

月面探査中に発見された赤い宇宙服を着た死体。調査の結果、死体は五万年以上前に死んでいたことが判明するーー

人間がまだ石器を手にしていた狩猟採集時代。その時代に人間と全く同じ姿の生き物が月面を歩いていたなんて有り得ない!という部分から始まる物語。生物学者や言語学者、各種プロフェッショナルが赤い宇宙飛行士を調査していく結果、少しずつ真実が紐解かれていく様子に、どんどん引き込まれていきます。果たして宇宙飛行士の正体とは?そして「星を継ぐもの」のタイトルの意味とは?それがわかった瞬間の読後感が最高な作品です。

『宇宙の戦士』

すべてのロボット作品はここから生まれた!といっても過言ではないほど、現代SFに影響を与えたのがこの作品。パワードスーツを身に纏った戦士が宇宙生物の侵略を阻止すべく戦うという単純な話なれど、パワードスーツのアイデアは後の『エイリアン2』のパワーローダーや『機動戦士ガンダム』のモビルスーツ元ネタになったのだとか。

また、軍事政権により統制下されユートピア化した社会や、若者が高い地位を得るため戦争に赴く様などは映画『スターシップ・トゥルーパーズ』に引き継がれています。こちらはパワードスーツが出てこないものの、昆虫型宇宙生物との壮絶な戦いによりフォーカスして描かれており、見応えのある映画になっていますが、その原点に触れることのできます。

野崎まど『KNOW』

微少コンピュータ「情報材」が道路や建造物、山林の一部にまで遍在して周囲の状況を知覚し、人間の脳には「電子葉」と呼ばれる端末が移植されている「超情報化社会」を舞台に、情報庁高官である主人公が、かつての恩師の影を追ううちに謎の少女に出会い、奇妙な冒険に巻き込まれていく物語。

ボーイ・ミーツ・ガールという基本的な部分を軸に、極度に情報化された京都の情景や、少女「知ル」と主人公の関係性など、また「知ル」の行く末に立ちはだかる数々の障害に立ち向かう瞬間など、SFとしてもエンタメとしても非常に面白い作品でした。ラストの描写も納得で、いわゆるシンギュラリティものとして良質なSF作品でした。

『なめらかな世界と、その敵』

いくつもの並行世界を行き来する少女たちの1度きりの青春を描いた表題作、脳科学を題材として伊藤計劃『ハーモニー』にトリビュートを捧げる恋愛小説「美亜羽へ贈る拳銃」、ソ連とアメリカの超高度人工知能がせめぎあう改変歴史ドラマ「シンギュラリティ・ソヴィエト」、未曾有の災害に巻き込まれた新幹線の乗客たちをめぐる書き下ろし「ひかりより速く、ゆるやかに」など、全6篇が収録された短編集です。

個人的に『ひかりより早く、ゆるやかに』がお気に入りで、人智を超えた災害が発生した時の社会情勢の動き方や、長い時間が経つにつれての登場人物たちの人間関係の移り方も含め、SF的なリアリティを感じさせる作品でした。勿論他の短編も粒揃いで、どれかは自分に刺さる作品を見つけられること間違いなしかと思います。

『天冥の標』

全17巻の壮大なスケールで描かれるスペース・オペラ作品。

1巻では遠い未来の植民星における革命を描いたスペース・ファンタジー、2巻では現代社会におけるパンデミックを描いたどこか予見的内容かと思えば、三巻ではスペースオペラ的な宇宙艦隊戦が描かれ……という、巻ごとにまったく異なるジャンルの物語が描かれつつも、読んでいくと次第に世界観のつながりや共通項が見えてくる、壮大な世界設定を軸にした非常にスケールの大きな作品です。

かと言って個々の作品ごとに物語自体は独立しているので、とっつきにくさは全く無く、ある程度の設定さえ飲み込めればすんなりと世界観に入り込めます。とりあえず1巻を読み、その次は2巻、3巻を読んでいくうちに、いつの間にかその世界観に引きずり込まれてしまっていました。

以上、全11作品の紹介でした

自身が今まで読んできて、これだけは読んでほしい!という作品の紹介でした。

セール実施期間は6月2日(水)から22日(火)までの21日間。

ぜひ、皆様の有意義な読書生活の助けになれれば幸いです!

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零井あだむ

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作家志望の物書きです。最近YouTubeを始めました。 恐竜や古生物が大好き。 小説、ブログ、YouTubeをやってます。最近は動画編集にお熱。