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優しさって

 人に優しくするってなんだろう。
 少し前から悩み始めて、今も自分に問い続けている。

 数年前の私は、分かりやすい優しさ、身を削る優しさで相手を喜ばせることが好きだった。理解されるよりは理解することを、より相手の立場に立って考えることを大事にした。
 でも同時に、身を削る優しさは気疲れにもつながった。人に、生き急いでいるように見えると言われたこともある。疲れが溜まって余裕がなくなってくると、自分にも他の人にも優しくできなくなる。
 そうなってしまったから、人に優しい人間であるためにはどうすればいいのだろうと思うようになった。

 自分の心を捧げて誰かに優しくするってことは、全ての人に対してはできないし、環境によっては長続きしないと思う。もちろん私の家庭ができれば、子どもに対しては再びそう接することができるかもしれない。
 
 私が思うに人に優しい人間であるためには、私も力強く生きて、その上で誰かに優しくできる人間であることだ。そのためにはある程度の強さが必要だと思う。生き抜いていくための強さ。まず、強くあるために私は今頑張っている気がする。それでやっと、大切な誰かを守ることもできると思うから。

 そして、今の私に表現できる優しさは、優しさだと分かりやすい優しさではなくて、日常の中の小さな思い遣りである。今はそれで十分だと思う。
 私は、人のこころとこころが繋がる瞬間が好きだ。そのために半ば自分の意思を犠牲にしてしまうことさえある。いつか、そして今も誰かの心を温める優しさを表現できたなら、それは本当に幸せなことだと思う。



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