犯罪ドキュメンタリーファイル アンドリュー・クナーナン

第2回目は、ヴェルサーチを暗殺した男、アンドリュー・クナーナンです。

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画像1

アンドリュー・クナーナン(1969-1997)

あの有名デザイナー、ヴェルサーチを含む、資産家少なくとも5人を殺害し、逮捕目前に銃により自害した。

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彼は…なんというか…見栄っ張りが暴走し、後戻りできなくなってしまった ちょっとかわいそうな感じの殺人犯です。

アンドリューは。1969年にフィリピン系アメリカ人の父と、イタリア系アメリカ人の母の間に生まれました。アンドリューはとても頭の良い子供でした。あまり裕福とは言えない家庭でしたが、父は軍を退役後、証券会社に勤め必死に働き、アンドリューを私立の学校に通わせました。
アンドリューには兄弟がいましたが、父親は頭の良いアンドリューを特別扱いしました。父は「俺のようにビッグになれ!お前ならできるぞ」と武勇伝を繰り返しアンドリューに聞かせます。そのためか、彼はいつもで注目されていないと気が済まない「王子様」気質 な少年に育ってしまいました。学校でもどこでもとにかく自分を大きく見せるため、虚言のオンパレード。

これが彼を殺人へと走らせたなによりの原因です。

父の仕事も順調、経済的にも安定したクナナン家でしたが、ある日父の不正取引が発覚し、父はフィリピンへと逃げます。父を追ったアンドリューが見た父の生活は、彼が父から聞いていたものとはほど遠いものでした。

アメリカに飛びかえったアンドリューは、有言実行(?)とでもいわんばかりに、持ち前の色気で資産家たちを騙しては金銭を巻き上げ、思い通りにならない相手は殺してしまうようになりました。

もうこのころにはなんか…「俺はビッグになってしかるべきだ!邪魔する奴はコロス」みたいな妄想に取りつかれていたんでしょうねえ…。私利私欲の塊です。

と、ここまではまあ…まだわかる。(わからんけど)のですが、不明なのはヴェルサーチを殺した動機です。

アンドリューを題材にしたNETFLIXのドラマシリーズでは「ヴェルサーチにも愛人関係を持ちかけたが断られた」という描写がありますが…実際のところはよくわかりません。

彼はヴェルサーチに心酔しており、面識もあったようです。
彼の尊敬する、そして世界的にも有名なヴェルサーチを殺害すれば、世間に名を残す大物になれる!と思ったのでしょうか?

いずれにしても自分は大物になってしかるべきだ!というアンドリューの虚栄心が生み出す妄想が、引くに引けなくなってしまったがゆえに起こってしまった事件でした。なんと哀れな…

自分を客観的に、かつ等身大に捉えられることが、社会で生きるうえでどれだけ大事か、思い知らされます。

そんなアンドリューによるヴェルサーチ殺害の映像作品はこちら

アメリカン・クライムストーリー ヴェルサーチ暗殺事件

https://www.netflix.com/title/81091015




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