私が体験したごみ事情

ゼロウェイストとまではいかなくても、家庭ごみを減らしたいと思っている。

10年程前に自治体の補助をもらって生ごみ処理機を導入した。確か45,000円ほど。補助は20,000円出た。なかなか感動ものだった。処理機いっぱいにいれた生ごみが片手に載るほどのチップになる。すいかの時季はとても助かった。それまで皮を削って干してから捨てていたのだ。(実家の玄関の上のポーチが絶好のすいかの皮干しスペースで、そこに並んだ乾いたすいかの皮を回収してごみ袋に入れたのを覚えている。このスペースでは梅干しもよく干せた。)ただ、電気は使う。1時間くらい。本当はコンポストを始めればいいのだが、それには続ける覚悟が必要で、まだ踏み切れていない。いろいろよさげなキットは出ているので、処理機が壊れたら真剣に考えようと思っている。

ドイツは分別がうるさいということを聞いていたが、20年前に住んでいたハンブルクではそんなことはなかった。いろいろと謎?なことがあった。少し古い話なので、もう事情は変わっているかもしれないが。

使っていた換気扇(結構大きい)が壊れ、廃棄しようと思って、隣人に相談したら、「朝早いうちにボックスに入れちゃえばいいのよ。早い者勝ちだから」という。まじー?と思いながら夜こっそり入れた。特に何も言われなかった。

その割に、生ごみが多いと苦情を言われた。日本人は料理をよくするので、生ごみがたくさん出る。ごみは重量によって回収金額が決まるので、うちの棟は多いというわけだ。そんなこと言われてもなあ、と思いながら、干したりして少しでも生ごみの重量を減らす努力をした。

クリスマスにはクリスマスツリー用のもみの木を売りに来る。初年度、嬉しくて木を買い、飾りつけをして楽しんだ。さて、この木はどうするのだろうと思ったら、なんと回収の日があって、その日を逃すと自分で処理するか、来年を待つしかない。もちろんうちは回収の日を逃した。結局、翌年まで地下室に置いておいた。それにしても回収された大量のもみの木はどこに行くのだろう。再利用できればいいが、ちょっとこれも不経済だなあとも思った。

旧東ドイツの地域に住んでいるドイツ人の友達の親戚の家に招かれたとき、庭でバーベキューをしたのだが、その時に出た生ごみは横で自分でカットして、庭のコンポストに入れるシステムだった。彼らにとってコンポストは生活の一部なのだ。そのあと、家の人が混ぜてある程度いっぱいになったら密封する。土ができたら、庭で野菜や果物を育てるのだ。そんな風にして育てて、掘ったばかりのにんじんは皮をむいてそのままかじる。強い主張のある味だった。

オーストラリアの友人の家に行ったときは、台所にバキュームがあり、生ごみはそこに小さく切って放りこむ。住民皆がそうやって材料を供給し、たまった生ごみはコンポストに運ばれ、その地域全体はその土で育てられた花でいっぱいだった。これはもう30年以上前の話である。そのころ、ごみのことを真剣に考えたこともなかったのでびっくりした。日本のシステムがここまで来るにはどれくらいかかるのだろうと感じたことを覚えている。

私の住む八王子は比較的ごみの量が少ないということだ。人口50万人以上の全国自治体の中では、3年連続で最も少ない自治体ということらしい。それでも私の住む団地では回収日にはごみがあふれボックスのふたが閉まらなくなっていることがある。カラスがそこから生ごみを引き出し、ばら撒き、ひどい状態になっていることもある。もしここに住む全員がゼロウェイスト活動に共感し、コンポストを設置し、ごみ削減に貢献できたら…..
まあ無理だな。たぶん。残念。

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