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『同じ中国でもこんなに違う、巨大な中国大陸』

中国は総面積約960万平方キロメートル、日本の約25倍という広大な国土を持っています。日本でも、九州男児、お笑いの大阪、などと言われるように地域によって人々の特徴があるのですから、これほど広い中国で地域差により異なった性格、習慣があることは想像に難くないでしょう。


 さらに中国は多民族国家であり、56の異なった民族がいわゆる中国人として生活しています。一番多い漢民族の他に、55の少数民族があり、その多くがそれぞれの言語、文字、宗教、習慣を持っています。

つまり、中国人と言っても、全く異なった気質、文化を持っているわけです。日本では、関東、関西と東西に分けて表現しますが、中国では一般的に、長江より北を北方(běi fāng)、南を南方(nán fāng)として南北に分けて語られます。実際に中国で生活する場合、または中国人と共に仕事をする場合、この地域差をよく理解して付き合っていくことが成功の秘訣です。

美味しい中華料理はどこ?


中華料理 中国に行く前に、自分は中華料理が好き、中華料理は口に合うと感じている日本の人は多くいます。ところが、実際に中国に行ってみると、口に合う中華料理がとても少なく苦労される方も少なくないようです。


 実は日本のレストランで出されている中華料理が日本人向けにアレンジされているだけでなく、中華料理と一口に言っても地方によって料理、味付けが全く異なることが大きな理由の一つと言えます。日本でも、関西と関東では味付けが違うことはよく言われていますが、中国も地方によって全く異なった食習慣があります。

 日本の中華料理レストランは、ほとんどが広州や香港などで主に食べられている広東料理をメインに出しています。広東料理は海鮮も多く使われ、スープや蒸し物など比較的さっぱりしている料理が多いことが特徴です。また広東料理の炒め物は油だけで炒めるのではなく途中でスープを入れて蓋をする、つまり「蒸し」の過程が入るため使う油はごくごく少量なのです。

さらに広州や香港は湿度が高く、島国の日本と気候も近かったり、素材の味を生かした料理が多いことから、日本人の口に合うものが沢山あります。

 これが中国の北方地方に行くと、いわゆる油を多く使う中華料理が出てきます。例えば北京など内陸部では湿度が低く乾燥しているため、油分をたくさん取り入れないと髪の毛や肌もパサパサになってしまいます。

そのため、野菜を多めの油で一気に炒めて取り入れるというのが一般的です。さらに北部となる東北地方では、凍ってしまう葉物の野菜を手に入れるのが難しかったため、ジャガイモやニンジンなど根菜類を煮込んだ料理が多くなります。

体を温めると言われる羊肉を多く食べるのも北方料理の特徴です。味付けも北に行けばいくほど濃く、塩辛くなります。中華料理は大好きと思っていても、赴任先が北京や青島などの北方だと「油っこくて、味が濃い」と感じる事があります。

そんな時は、広東料理のお店を探してみましょう。中国の北の地方でも、5つ星ホテルの中には、広東料理レストランが多くあります。中華料理はちょっと自分には合わないかも…と思う前に、ぜひ自分の口に合う中華料理を探してみてください。

中国人ってほんとにみんなおおらか?


一般的に中国人は大陸気質でおおらかと言われますが、
それも地方によって大きな差があります。
個人差はあるものの、北方の人はおおらかで豪快、細かいことを気にせず話好きで、思ったことをすぐに口に出すはっきりした性格です。

それに対して、南方の人は日本人の気質に近く、礼儀正しく、細やかで、穏やかな性格です。婉曲な話し方をする点も日本人に似ていると言われます。


 例えば取引先との交渉である商品の値段を示した場合、東北の人が相手なら、「高すぎる、とても受け入れられない」と一蹴されるものも、南の人になると「その価格はどのようにして割り出されたものか、原材料費はどれほどか、人件費はどれほどか、その価格には輸送費が含まれるのか」といったディテールを聞き、その過程の中でもう少し安くして欲しいという要求が出されるといったことが多いようです。

 中国の人は声が大きくて、けんかをしているみたいに聞こえる、というのを聞かれたことがあるかも知れませんが、それも主には北の地方の人に当てはまります。南、北と言っても広い中国の事、各地方によっても異なります。例えば、北京人は、政治好きと言われ、公園に行くとおじいちゃんやおばあちゃんまでもが、延々と政治の話に意見を交わしています。

上海人は、商売上手と言われ、数年前には新聞記事で、上海で道を聞くとまずお金を払え、と言われると皮肉られたほどです。
ネットで、中国人はこんな性格、と断定している記事も多くありますが、どの地方の人のことを言っているのか理解して読むことが大切です。

同様に、中国に滞在経験のある人たちが「中国人は、」と話している場合は、必ず自分の心の中でその人のいた地方の前につけて「北京の中国人は、」「上海の中国人は、」と理解しましょう。そうしないと、実際に中国人と接してみると、話に聞いていた中国人と全然違うと戸惑い、トラブルにつながる場合もあります。

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中国の多すぎる方言


これだけ広い中国ですから、当然たくさんの方言が話されています。少数民族の言語を除いても、大きく分けて10ほどの中国語方言があると言われています。これは、方言と言うより、かなり別の言語と言ってもいいレベルの異なる言葉です。例えば、中国語の声調は4種類ですが、方言の一つ香港、広州などで話されている広東語という方言は9つの声調があります。中国語でいう「谢谢」は、広東語になると「唔该」(ンゴィ、広東語ピンインではm4 goi1、)となってしまいます。唔该は、「ちょっとすみません」という意味の呼びかけにも使われ、広東語の中で最も多用される言葉の一つです。

もちろん、今では中国語化が進められているため、若い人たちは中国語を話しますが、地方に行く場合は、挨拶程度は方言をマスターしておくことをお勧めします。売店のおばちゃんも、方言であいさつすれば、にっこにこ、時々はおまけもしてくれるはずです。


普通語を話すと言われている地域も、方言がないという訳ではありません。首都北京でも、れっきとした北京語という方言があります。北京語で特徴的なのは、「花儿 树儿」のように儿化と言われる後ろに儿(r)が加えられるものです。何が何でも「儿」を付ければいいという訳ではなく、付けられるものと付けられない単語があるので注意が必要です。


普通語とほぼ同じと中国人が自覚している東北地方もたくさんの方言があります。代表的な物が「干啥?gàn shá」です。普通語では、「做什么?zuò shén me」(何をしているの?)に当たります。啥=什么となります。

これは、吃啥=吃什么(何を食べる?) 说啥=说什么(何を言っている?)のように使います。こうした言葉は非常に一般的に使われていて、話している人たちは方言と言う自覚がない場合も多いので、代表的な表現は知っておく必要があります。赴任先が決まったら、もしくは同僚、上司の出身地を知ったらネットなどで少し方言を調べておくことをお勧めします。

 地方によって全く違う人、文化を持つのが広い広い中国の特徴です。「中国は」「中国人は」、と言った言葉やネットの情報に惑わされず、自分の接する地方に限定して徹底して理解を深めることが大切です。その地方の文化、食習慣、気質、方言、気候などに精通するなら、スムーズにビジネスを進めることができるはずです。

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