昔のこと思い出して、あーーーってなろう
恥ずかしい、という感情は、不思議だ。
たとえば小さい子に、「恥ずかしいって何?」と聞かれたら、ぼくは言葉を失うかもしれない。
恥ずかしいは、恥ずかしいだよ! と開き直っていいものだろうか。
それとも、「たとえば、みんなの前で転んじゃったら、きみはどう思うかな?」などと誘導するか?
でも、それじゃ、別に恥ずかしくない人もいるだろうし。
「転んだら、痛いよ。恥ずかしいって、痛いってこと?」
なーんて聞かれた日には、そうじゃない!とムキになる気力さえなくしているわ、しかも、なんだか、「痛い」と「恥ずかしい」は遠からずっていう気もしてくるわで、こっちが考え込んでしまいそうだ。
ともあれ。
恥をかく、ということは、できれば避けたい。考えるのもいやなほどに、自分の人生から遠くに追いやってしまいたい。
人生で一番はずかしかったこと。
それは、ものを作る学校に在籍していた学生時代にさかのぼる。
広いホールで、講師の先生が、提出されたぼくたちの作品のなかから選んだものにコメントをつけていくという時間があった。
そこで、とつぜん、スクリーンにぼくの作品が映った!
それまでは、紹介された作品は「これは素晴らしいですねえ」とか「こういう作品を、みなさん見習っていきましょう」とか言われてたから、
これは! と、テンションが上がった。
すると、周囲がクスクス言い始める……。
「んー、これは、アイデアは悪くないのですがねえ……」
言葉に詰まる講師。
「んな……!」
絶句するぼく。
そう、悪い例として発表されたのだ。
「これぼくの作品! これ僕のだよー!」というような視線を周囲に振りまいていたぼくは、力なくうつむいた。。
は、はずかしい。
死にたい。いや、もう、いっそ殺してくれ。
少しの間、講師の先生をうらむほどに、赤っ恥をかいたのでした。
正直にいえば、ぼくの作品であることが周囲に気づかれたわけでもないので、ぼく自身が衆目に晒されたわけではないのですが、そこはやっぱり「作品」なので、ぼくの一部なわけでして。
今でもたまに思い出しては、「あーーーーーーー!」と、なるし、見返してやるぞ! という気持ちになります。
あの頃作っていたものと、今作っているものは違いますが、気持ちは忘れられそうにありません。
あとは恥ずかしい経験といったら、
電車内で首の裏に違和感があると思って触ったら、ばかでかいカナブンがとまっていたとか、
小学校の給食の余り物争奪じゃんけんで、気合いが入りすぎて大きい声で「じゃんけん……ぴょん!!!!!!」って言ってしまったとか、
大人になってから、生春巻きを食べたら前歯が抜けたとか、
枚挙にいとまがない!
たぶん『失われた時を求めて』くらいある。。。
でも、個人的には、そんな経験も、なんとか糧にして、前向きに生きていけたらいいなって思います。
だれしもが、恥ずかしかったエピソードは持ってますよね。
ぼくだけじゃない。きっと違う。たぶん!
……ですよね?
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