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尾張徳川家の至宝展@サントリー美術館、の巻

どうにもnoteのインターフェイスになれず、四苦八苦してしまいました。
改めまして、尾張徳川の至宝展についての備忘録など。

サントリー美術館は絵巻物を得意としている美術館、というイメージがありまして、ここの展覧会に行けば大体いつもいい絵巻物が見られる。
そんな風に思っています。
今回は中でも、絵巻物といえば何をおいてもこれ!といわざるを得ない、そんな『国宝 源氏物語絵巻』のお出ましですから、これは見に行かねばならない。
今回は全部で四巻、一巻ずつ4期に分けて展示替えとのことで、全部見たかったら最低4回見に行かねばならないことになります。
柏木、横笛、橋姫、宿木で、私が見たのは宿木でした。
『宿木』は、匂宮と夕霧の娘・六の宮の結婚の場面で、結果的にこれが見られて良かったなと。なんとなれば、今回の一連の絵巻物の中ではおそらく一番華やかだったので。色も綺麗だし、女房方の装束も華やかだし、なんとなくそぞろ浮き立つような心地が描かれていて、場面としてもちょっとハッピーです。

他にも面白いものがたくさんあり、尾張徳川家の権勢のほどをいやというほどうかがい知ることができました。
そのひとつが「蘭奢待」でして、ほんのひとかけらだったのですが、え?徳川家にも蘭奢待が渡っていたのか・・・!というのがとにかくびっくり。まあ、徳川家ほどの家になれば、蘭奢待の入手経路はあるのか・・・というか、あんなちっちゃな破片、光に当てられっぱなしだったらとっくに匂いも飛んじゃってるんだろうなぁ・・・とか、色々考え込んでしまったわけです。

ほか、なんといっても見応えがあったのは、徳川家光の娘・千代姫の輿入れの為にしつらえられた婚礼調度品『初音の調度』(国宝)です。
千代姫はわずか三歳で尾張徳川家二代光友に嫁したそうで、そりゃそんなちっちゃいお姫様なら心配で心配で仕方がないし、赤ちゃん(3歳なんて赤ちゃんだよ!)だからって馬鹿にされないように、これでもかと贅を尽くした調度品を整えたんでしょうなぁ・・・
化粧箱、将棋盤、硯箱・・・全て黄金色に輝き、美しい蒔絵が施され、見飽きることがない逸品ばかり。はー眼福眼福。

個人的に一番印象に残ったのは、家康が所持していてのちに尾張徳川家に遺産として渡った刀『銘 村正』でした。

刀 銘 村正

この刀、刀身全身に刃文が入ってるんですよ・・・こんなの初めて見た。
全身に刃文をいれることを「皆焼(ひたつら)」というそうなのですが、「妖刀村正とはこのことか・・・」と納得させるだけの迫力がありました。
こういうの、和物のファンタジーとかにも出てきそうですよね。

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