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書道、水墨画、算命学・・・などなどを生業にする看月です。 史学、宗教学、博物館学、国際政治に関することなど、興味は多岐にわたります。 算命学講座・鑑定、書画のご依頼はこちらまで https://coubic.com/lilalicht/183851

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    行ってみた展覧会、美術館、博物館、映画、観劇の記録

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    臨書、創作・・・書道と水墨画にまつわるあれこれ

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    算命学や気学、易にまつわるあれこれや、世界の暦のことなど。 ※講座・鑑定のご予約はこちらまで https://coubic.com/lilalicht/183851#pageContent

最近の記事

オペラ『ラ・ボエーム』@東京芸術劇場、の巻

ご縁があって、オペラ『ラ・ボエーム』を見てきました。 今作は、2024年の年末をもって引退することを表明していらっしゃる指揮者・井上義道さんのオペラ最後の指揮作品となります。 そんなことが頭の片隅にあってずっと気になっていたのですが、今回はご縁に恵まれての観劇となりました。 ラ・ボエームあらすじプッチーニのオペラのひとつとして名高い『ラ・ボエーム』ですから、いまさらあらすじを語るまでもないかもしれませんが、感想を述べる上での様式美として、簡単に。 既にご存じの方は飛ばしてく

    • 臨書シリーズ 空海『風信帖』、の巻

      久々の臨書シリーズ。 今回は空海の『風信帖』の続きです。 今日は体と心がふわふわしていたので、筆が自由に回って、それなりに空海の書の空気感をつかめた気がしました。 緩急自在で、連綿した後の角度に迷いがない。一文字ずつ覚悟が決まった字です。 書いているうちに無に入っていくので、自動書記みたいな感覚で書くといいのかも。 乱暴でも投げやりでもないのだけれど、覚悟が決まっているからあとはもう気楽に書けばいいやと、アンビバレントな不思議な心持になる臨書でした。

      • 物、ものを呼ぶ展@出光美術館、の巻

        出光美術館と帝劇、しばしのお別れ出光美術館は、日比谷・帝劇のある帝劇ビルの9階にあります。 既報の通り、帝劇はビル(帝劇ビル)ごと建て替えることになっており、それに併せて出光美術館も今年2024年12月いっぱいで一旦閉館となります。 再開日程が発表されていないのは、帝劇ビルと国際ビルの両方(ちなみにこのビルは隣り合わせになっていて、地下1階と地下2階でつながっています)を建替える大規模再開発なので、まだ予定が見えないから・・・なのでしょう。 帝劇が閉まることで、日本有数の大

        • 臨書シリーズ 嵯峨天皇『李嶠詩』

          優雅な気持ちになりたい時は、天皇の書(宸翰)の臨書がいい!というのが私の密かな確信です。 というわけで、今回は引続き嵯峨天皇の『李嶠詩』の臨書を。 「鏡」の時の偏と旁の寄せ方がちょっと甘くて、ぼんやりしちゃったかな・・・ 以前にも書いたとおり、天皇の宸翰は墨が黒々としていてまろやかでふとましいものが多く、ゆったりと余裕を感じるものが多いです。 嵯峨天皇はそれに比べると、黒々と墨が乗っているのは変わらないのですが、だいぶ線の強弱(太いところと細いところ)の差が強く、美しいデ

        オペラ『ラ・ボエーム』@東京芸術劇場、の巻

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          #今月の書道 2024年9月、の巻

          今月は「明月流素光」。 明るくさえた月影が、地に白い光を流している・・・という意味だそうです。 9月長月、まもなく二十四節気の白露を迎えれば重陽の節句が来て、今年の中秋の満月も9月17日に控えています。 月が美しい季節へと変わりつつありますね。 先生に許可をいただいて、先生のお手本と私が書いた練習(先生に朱を入れていただいたもの)も並べることにしました。 まずは楷書から。 一番違うのは、「光」ですかね。 ちょっと締まりがなかった。 この原因については明確で、通常楷書は全て

          #今月の書道 2024年9月、の巻

          臨書シリーズ 近衛信尹『新撰朗詠集』

          私は割と粗忽者なのですが(なのでタイポも多い・・・)、本日、うっかり硯を落としてしまい、硯のふちが欠けてしまいました・・・とても悲しい。 こんな時は、連綿線が綺麗で、素直で気持ちのいい近衛信尹を臨書するしかない! ・・・というわけで、新撰朗詠集の続きです。 線が自由自在で、本当に気持ちがいい。 よくよく見ていると、にじみが薄くかすれが綺麗に出ているので、元々の紙はちょっとつるつるした、かなり上等な紙だったんだろうなぁ・・・と思ったり。 改めて、だいぶ筆の上の方をもって筆をく

          臨書シリーズ 近衛信尹『新撰朗詠集』

          臨書シリーズ 曹全碑、の巻

          流麗華麗な連綿線の世界を求めて、和様書道の臨書を続けてきましたが、久々に中国古典の臨書、しかも隷書に立ち戻ってみました。 隷書のべんきょうといったらこれ! 『曹全碑』です。 なんとなくお気づきの方も多いかと思いますが、私は臨書が好きですw 線の質や交差する角度を追求していくと、書いた人の筆の角度、手癖、思考まで自分の中落とし込まれて、その人をトレースしている気持ちになります。 シャーマニズムでいうところの脱魂(ecstasy)にちょっと近いのかもしれません。決して憑依(po

          臨書シリーズ 曹全碑、の巻

          映画『ラストマイル』、の巻

          自分としては全く初めての経験なのでしたが、公開初日の朝一の回で見てきました、『ラストマイル』。 自分でも不思議。タイミングが合うってこういうことかもしれません。 元々ドラマ『アンナチュラル』が好きで、『MIU404』も見ていて、その世界につながる物語ということで、わくわくしていたんだと思います。 私が行った映画館は、朝一にもかかわらず8割くらい埋まっている印象でした。多分、映画館の中では一番大きいスクリーンだったんですけども。 女性が多かったかな。 20~60代くらいの女性

          映画『ラストマイル』、の巻

          臨書シリーズ 橘逸勢『伊都内親王願文』より、の巻

          かな文字のような優雅な曲線と連綿線・・・を目指してここのところ臨書しているのですが、今回はだいぶトリッキーな橘逸勢を。 この人、自由だよなぁ。曲線と字の形が美しかったら何でもいい、みたいな豪胆さを感じます。例えばこの字とか。 「覚」という字の旧字体は「覺」ですが、これをこんなにぐるぐるさせながら書くとかね! 勢いとスピード感を感じる文字ですが、書いてみてわかったのは実は結構ゆっくりと、筆を回しながら書いているということ。 「提」の旁は、書き順が変わっちゃってます。でもこの

          臨書シリーズ 橘逸勢『伊都内親王願文』より、の巻

          谷桃子バレエ団「レ・ミゼラブル」@きゅりあん大ホール、の巻

          6月の「TMB HISTORY GALA PERFORMANCES」@新国立劇場中劇場に続き、「レ・ミゼラブル」を見て参りました。 私が見たのは8月29日(木)夜の回でしたが、この回を選んだ理由はずばりキャストにあります。 結論から言えば期待通り予想以上。 誤解を恐れず言えば、私は6月のバレエ・ガラ公演よりできが良かったのではないかと思います。 いち観客から見た谷桃子バレエ団の昔と今 ー前置きとしてー谷桃子バレエ団は昨年からリニューアルしたYouTubeチャンネルがバズって

          谷桃子バレエ団「レ・ミゼラブル」@きゅりあん大ホール、の巻

          臨書シリーズ 藤原行成『白氏詩巻』より、の巻

          先日来、かな文字のような優美な曲線・連綿・リズムを身につけたいと、日本の古筆の臨書を続けております。 今回は、藤原行成。 『藤原行成集』より『白氏詩巻』の冒頭から始めました。 https://amzn.asia/d/bYnfY2U 書いて驚いたのは、藤原行成のこの線は、だいぶスピードをあげなければ出てこないということ。 先に臨書した近衛信伊に比べると、だいぶ速い。 近衛信伊が近代~現代のアートに近い感覚で書いていたのだとすれば、行成はもう少し現実的かつ事務的な感覚で書いてい

          臨書シリーズ 藤原行成『白氏詩巻』より、の巻

          CLAMP展に行ってきました、の巻

          私のTL上で話題になっていた、CLAMP展に行ってきました! CLAMPの作品をリアルタイムで読んでいたのは、「聖伝」と「東京BABYLON」の頃なので、どうしてもこの2作品を中心に見てしまいますねぇ。あたしゃ北斗ちゃんが好きだったんですよ・・・北斗ちゃんと昴流くんの双子姉弟って、あらゆる双子パターンの中でも上位ランクにくる組み合わせだと思うんですよね。 やはり漫画の生原稿を見るのは楽しいです。 20世紀に描かれた原稿を見ると楽しいです。この原稿が印刷されて本になると、あ

          CLAMP展に行ってきました、の巻

          臨書シリーズ 嵯峨天皇と近衛信伊、の巻

          ちょっとやる気が出てきているので(笑)できる限り毎日臨書を続けていこうかな、と思い立ち、まあ毎日出なくても臨書って筋トレみたいなものだから、ちょっとずつ続けていくといつの間にか遠くに到達しているものなので、気長に続けていこうかと思います。 ・・・といった矢先に、今日は臨書の気持ちが萎えていて、書いていて気持ちがいい字を書きたいな、と思い、そういうときは嵯峨天皇だろう!ということで、嵯峨天皇の『李嶠詩』の続きを書くことにしました。 前にTwitterでも書いたのですが、歴代

          臨書シリーズ 嵯峨天皇と近衛信伊、の巻

          尾張徳川家の至宝展@サントリー美術館、の巻

          どうにもnoteのインターフェイスになれず、四苦八苦してしまいました。 改めまして、尾張徳川の至宝展についての備忘録など。 サントリー美術館は絵巻物を得意としている美術館、というイメージがありまして、ここの展覧会に行けば大体いつもいい絵巻物が見られる。 そんな風に思っています。 今回は中でも、絵巻物といえば何をおいてもこれ!といわざるを得ない、そんな『国宝 源氏物語絵巻』のお出ましですから、これは見に行かねばならない。 今回は全部で四巻、一巻ずつ4期に分けて展示替えとのこと

          尾張徳川家の至宝展@サントリー美術館、の巻

          尾張徳川家の至宝@サントリー美術館

          尾張徳川家の至宝@サントリー美術館