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スイミー

ある日のこと。子供が言った。

「ママー、今日の音読の宿題はスイミーだよ。」

『スイミーかぁ!懐かしい!』
そう思いながら、子供の音読を聞く。

私の記憶にあったのは、『みんなで力を合わせて大きな魚になる』部分だけだったけれど、こんなに素敵な場面もあったんだね。

〈抜粋〉
おもしろい ものを 見るたびに、 スイミーは、 だんだん 元気を とりもどした。

にじ色の ゼリーのような くらげ。

水中ブルドーザーみたいな いせえび。

見たこともない 魚たち。

見えない 糸で ひっぱられて いる。

ドロップみたいな 岩から 生えて いる、こんぶや わかめの 林。

うなぎ。 顔を 見る ころには、 しっぽを わすれて いるほど 長い。

そして、風に ゆれる もも色の やしの木みたいな いそぎんちゃく。

そして改めて読み返してみると、協調の大切さだけでなく、もっと深いお話だったのだと気づく。

自分らしさを活かす方法に気づくこと。
『知恵と勇気』を使うことの大切さ。

〈抜粋〉
スイミーは 言った。

「出て こいよ。 みんなで あそぼう。 おもしろい ものが いっぱいだよ。」

小さな 赤い 魚たちは、 答えた。

「だめだよ。 大きな 魚に 食べられて しまうよ。」

「だけど、 いつまでも そこに じっとしているわけには いかないよ。 なんとか 考えなくちゃ。」

スイミーは考えた。
いろいろ 考えた。
うんと 考えた。

怯えてばかりいてはダメだ。
知恵と勇気を使って乗り越えた先にはきっと素敵な世界が広がっている。

大切なのは、

けっして はなればなれに ならないこと。
みんな もちばを まもること。