白昼夢

夏の香り、むせかえるほどに
見慣れぬ交差点を進む通学路
同胞は何処
小学校だったか中学校だったか、あるいは高校か
何でもいいけど足取りは軽い
栄光をつかもうと日々精進
一瞬で溢れかえる車両の渋滞
じゃまくさい
排気ガスとエンジンの音で
思考はパンク直前
そしたらあなたは空から来てくれて
醜い羽根だけど
私と空をとんでくれる
内心で汚いと悪態をつくが
体は正直で
あなたの温もりに打ち震える
吐き気がする
矛盾する両者は夜明けの兆し

寝汗のひどいこと
と思えば
ありゃりゃ授業中じゃないですか

醜い翼の羽が耳にかかっていた
外を見るとどうやら夜で
先生は逆立ちで熱唱
同胞は何処
醜いあなたは綺麗な羽で
私と大地に沈んでく
内心で綺麗だなとつぶやくが
体は正直で
お前の首を絞める
大好き
矛盾する両者は睡魔の兆し

さわやかな気持ちに
開口一番
耳タコの罵声、うるさい

土に汚れた服に気も止めず
外に出るとどうやらお昼で
街中は電気がつけっぱなし
同胞は彼方
あなたはわたしの手をとって
明日の地平へ走り出す
内心でときめきながら
体も不思議と弾んでく
生きてる気がする
一致した両者は…

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