デルタ街道をゆく

デルタ街道をゆく
無限の回廊は視覚のマジックである
正三角形の街道はとこしえに
歩く体は朽ちてゆき
刹那の瞬きに流星は闊歩する
仮に視覚の魔法が消えたとしても
知覚の魔法はとどまらず
上に下にと霧散する
天をゆき星を掴むか
地に落ち業火に焼かれるか
選ぶも自由
留まるも自由
スナップを一枚
緑がかった夜空に赤色の流星
悠々とそれでいて確固たる
テコでも動かぬわけではない
だからこそだ
それでこそだ

善良である
狭量である
栄光たれ
絢爛たれ
永遠たれ
曲がりくねることもなく
三拍子を刻む
夜空の大三角は
地上の牢となった
牢に入ることは幸か不幸か?
決めるのは誰だ

終わりなき旅路は幸か不幸か?
目的なき旅路は幸か不幸か?
無為は悪か
無依は悪か
旅路に打ち込むならば
それらは幸福
それらは善
もはや
それらは不可分

抽象の街道は眼中にあるか
言葉なき回路
衝動のままに
超自我は星の導き
奴隷の証
生まれ落ちたら終わりなのだ
だがあの流星はどうか
彼らは旅路そのものなのだ
我々とは根本が異なる
絶対的自由
絶対的幸福
無限なる幸福
終わりなき幸福
幸福

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