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強みの見つけ方|動画クリエイター

VRIO分析とは

VRIO分析は、経済的価値、模倣可能性、希少性、組織力を評価する手法です。強みと弱みを可視化することが可能になります。
ここでVRIO分析をすることによるメリットは、大きく分けて2つあります。

VRIO分析のメリット

1つ目:自社の経営資源に関する特徴を把握できると、希少性・模倣可能性などの強みを活かして、競合他社との差別化を強化できる要因につながります。

2つ目:自社の経営資源において、競合他社に負けない強みを把握できると、競合優位性を向上させる機会につながります。
また、自社に欠けている弱みを発見できて、今後の商品開発や改善の参考にできるなど、企業の経営戦略に活かせます。

動画クリエイターのVRIO分析とは

動画クリエイターにおいてVRIO分析を適用することで、動画の製作に必要なリソースと能力を特定し、それらの動画が競合する上でどれくらいの将来性を持っているかどうかを評価することができます。

あらためて経営資源の棚卸しをすることで、独自の価値を生み出す仕組みづくりを進めやすくなるでしょう。また、VRIO分析で自分の強みと弱みを可視化できると、次に市場で優位なポジショニングを見つけることに役立ちます。強みをより希少性をつけるために見つけるポジショニングや、弱みを消すための優位なポジショニングなどです。

ジム経営の戦略で、あえてローカルエリアに特化してFC展開をする場合がありますが、これもポジショニングの戦略と言えます。


VRIO分析の詳細

VRIO分析とは、下記の頭文字の略です。
V:value(経済的価値)
R:rarity(希少性)
I:Imitability(模倣可能性)
O:Organization(組織力)

V:value(経済的価値)は、あなたの事業がどれだけ経済的な価値があるのか、を評価する項目です。
R:rarity(希少性)は、どれだけ独自性があるのか、について評価します。
I:Imitability(模倣可能性)は、その事業はどれだけ真似をしやすいか、を評価します。これが低いと、成功しても一時的なビジネスとなってしまいます。
O:Organization(組織力)は、経営資源を活用できる組織体制が整っているのかを評価する項目です。たとえば、組織のフロー、人材採用や人材育成、報酬体系などの仕組みが整っていることで、経営資源の価値を引き出しやすくなります。


ここで、一般的な動画編集者がVRIO分析をするとどうなるかをお見せします。

VRIO分析の手順

  1. ゴールを設定する
    ビジネスにおいて、不安がある場合やは、「どうしたいのか?」「どのようなところが不安なのか?」ということを可視化した上で、その不安を解決するゴールをまずは設定します。

  2. 自分の事業を箇条書きで書いてみる
    (例)
    ・YouTube動画編集
    ・TikTok運用代行
    ・動画編集ディレクター、など

  3. 経営資源の可視化
    資源と言えば、[人・物・金・知財・情報]これらがあります。
    これらの資源をそれぞれ、可視化していきます。
    (例)人:動画編集スキル、アフターエフェクト、企画力あるスタッフ
       物:撮影機材(ハイクオリティ・1000万程度)
       金:市場の中では、中くらいの方
       知財:なし
       情報:新しいビジネスアイデアが3つほど

  4. VRIO分析の項目でそれぞれに3段階で点数をつける
    2で洗い出した自分の事業をそれぞれ、VRIO分析で「○・△・×」をつけていきます。

  5. 経営戦略を立てる
    分析を終えたあとは、今後の経営戦略につながる対策を立てていきます。VRIO分析で評価が低かった部分について、どのように改善すると評価を向上できるのか、反対に力を入れたい分野に何があるのかなど、今後の具体的な行動について内容をまとめていきましょう。

VRIO分析を踏まえたクリエイター戦略

例えば、下記のような評価だったとします。(一般的には大多数が下記になる)

経済的価値:○ 動画編集は需要はあるし、これからも伸びる市場である。
希少性:× 動画編集ができる人はすごく多い。
模倣可能性:× 編集スキルを覚えるのに数ヶ月あれば習得可能で、模倣されやすいモデル。
組織力:× 組織構築していない

これを踏まえた上で、2段階に分けて考えていく必要があります。

1:アイデアや、今ある経営資源によって、優位性を作り出す(×から○へ変化させる)ことは可能であるか?
(例):これまで長年、車屋で働いていたので、車屋の知識を生かして、車屋に特化した動画プロモーションECサイトを構築する、など。

2:外的要因
基本的に動画クリエイターは全国をターゲットとして活動をされています。
そこで、ローカルエリアや、地域の特徴を生かしたビジネスをやること。
そのほかにも、フリーランスの動画編集と言えばYouTubeという仕事の固定概念がありますが、そこに関してもポジショニングを変えることによって、自分のスキルなどの経営資源の見え方が変わることがあります。
(例):YouTube動画編集者が、企業の教育マニュアルを動画化するサービスで希少性を創出する、など。

まとめ

VRIO分析は、ビジネスにおいてリソースや能力の価値を評価するための有用な手法であることがわかりました。

VRIO分析を適用することで、動画クリエイターは自身のリソースや能力を明確に理解し、今後の戦略の策定に通じることができます。

全体として、 VRIO分析はビジネスにおいてリソースや能力の有効活用を促進するための有用なツールですので、是非とも活用してみてください。