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【時事】鈴木直道 実績情報整理Vol.2

先日、鈴木直道知事の続投が決まりました。まあ、他の候補者が(以下略)

道民が彼を支持しているのは、私的には実に納得がいくところです。が、客観性を失わぬよう、今回もソースを中心に、私見をあまり交えずに記載していきます。Vol.1では知事就任前の時代を検証しましたが、次は「知事就任後」から今日にいたるまでです。

◆北海道知事時代

01. 北方領土問題(政府関連)

北海道のエリアの話ではありますが、国土問題でもあり、日露関係も国防も絡むお話ですので、政府とは密な連携を取っています。本当に、あちこちに働きかけて人脈や連携の強化を図っているイメージですね。

安倍総理(当時)に要望書提出
菅官房長官(当時)に要望書提出


02. 北方領土問題(ロシア大使館抗議)

2022年3月、露外務省の平和条約締結交渉の中断発表を受け「(北方四島の)元島民らの心情を考えると極めて不当で、断じて受け入れられない」と道議会の予算特別委員会で答弁しました。また、在札幌ロシア総領事館に抗議もしています。知事は「道との地域間交流に努めてきた両国住民の思いや努力も損なう」と非難しました。

北海道知事からの在札幌露領事への抗議文


03. コロナ関連 緊急事態宣言

実は北海道の緊急事態宣言は「政府より早かった」です。時系列を確認してみましょう。全国に先駆けて感染症対策に動いていたのがお分かりいただけるかと思います。

北海道独自の緊急事態宣言
 2020年02月28日
政府からの緊急事態宣言
 2020年04月07日 第一回
 2021年01月08日 第二回
 2021年04月25日 第三回
 2021年07月12日 第四回


04. コロナ関連 給与削減

医療体制や経済が逼迫する中で、知事はここでも「身を削る」方向で動いておられました。給与削減に関する条例案を可決しているのです。

北海道庁広報Website


05. コロナ関連 牛乳チャレンジ

全国緊急事態宣言の際に「牛乳チャレンジ」を発信しておられました。牛乳の消費量が低迷して酪農農家さんが困っている中での牛乳消費を推奨。単に「買って買って」というだけではなく、知事自ら動画発信してレシピを募集して「いかに楽しくおいしく牛乳を消費するか」というキャンペーンを展開していました。


06. コロナ関連 どうみん割

どうみん割とは「北海道在住の人が割引対象となる北海道旅行・アウトドアの活動を利用する時に最大10,000円の割引が適用される」というもの。コロナ禍で疲弊した観光産業への支援ですね。GOTOキャンペーンでも話題になりましたが、観光業が活性化すると交通や宿泊のみならず、当該地域の飲食や物産などにも波及効果があるので、経済的に「地域活性化」が望めます。

どうみん割POP

実は北海道の「どうみん割」は、政府のGOTOキャンペーンより早く開始しているのです。

・日本政府「Go Toキャンペーン」
 2020年7月22日開始
・北海道の「どうみん割」
 2020年7月1日開始

動きの速さはさすがですね。

07. ふるさと納税

ふるさと納税日本一を目標に掲げ、市町村や道への思いを集める取組を進められました。まあ、元々北海道は物産品が美味しいものばかりですので、他の自治体に比べると有利ではあったとは思いますし、知事のみの功績ではないですが、官民協力体制がないとなしえない実績だとも思います。

直近3年間のデータは下表のとおり。※全自治体のうち上位10件のみ。

ふるさと納税 3年間の上位10件
鈴木知事 ふるさと納税3年連続1位によせて


08. ほっかいどう応援団会議 企業編

第1期の鈴木知事の公約が官民連携の「ほっかいどう応援団会議」です。道の事業に民間企業等が参加し、公共サービスの充実や行政のコスト削減を行い、民間企業等のアイディアを地域に生かすことで、福祉や環境分野などでのサービス向上をはかるものですね。

ほっかいどう応援団会議概要
ほっかいどう応援団

いい事ばかり書いてるけど、細かい実績はどこから確認出来るのだろうと思って調べてみました。これ、抜粋せずに「そのまんまのページ」を是非ご覧いただきたいです。下記リンクを開くと「参加企業と実績の膨大さ」がお分かりいただけるはず。凄まじい数ですよ。


09. ほっかいどう応援団会議 有名人編

郷土である北海道を愛する著名人の方も、この「ほっかいどう応援団会議」に賛同している模様。知事が若いからこその発想ではないでしょうか。興味がある方は下記リンクから飛ぶと動画も見られます。

ほっかいどう応援団アンバサダー

代表してGLAYだけピックアップ。


10. Rapidus半導体工場誘致

少し前に、我が国は半導体不足に苦しんでいました。少ししてIT関連の端末には供給が追い付いてきた(私はこちらしか知らなかった)のですが、実は産業用機械などでは未だに不足が続いているようです。

経済産業省の「次世代半導体の設計・製造基盤確立に向けた取り組み」としてRapidusという企業をあげていました。

2020年代後半の次世代半導体の設計・製造基盤確立に向けた取組について公表します。まず、次世代半導体研究のための新しい研究開発組織について、名称を「技術研究組合最先端半導体技術センター(LSTC)」とし、概要を公表します。また、次世代半導体の将来の製造基盤の確立に向けた研究開発プロジェクトの採択先をRapidus株式会社とすることに決定しました。
次世代半導体は、量子・AIなど大きなイノベーションをもたらす中核技術です。海外の研究機関や産業界とも連携しながら、国内のアカデミアと産業界が一体となって取り組むことで、我が国全体の半導体関連産業の競争力強化を目指します。

経済産業省Website

このRapidus株式会社が千歳市に「世界最高水準の半導体工場」を建設することが決まりました。地元千歳市の働き掛けもあったとは思いますが、鈴木知事がきっちりゴールを決めてくれた感じではないでしょうか。


11. データセンターパーク

鈴木知事はポストコロナ時代を見据えて、北海道への企業誘致にも精力的のようです。リモートで出来る仕事などは「わざわざ物価も土地代も高い東京にオフィスを構える」なんて必要はないのかもですね。

日本のデジタルインフラの課題に「データセンターの立地」があります。災害やテロが起きた際の影響を考えると、データセンターは複数の地域に分散している方が良いです。今までは、都市圏にデータセンターを開設するのが一般的で、ほぼ首都圏に集中です。これは「何らかの問題が起きた際、すぐ現場に駆けつけて対応可能」という事情からです。が、クラウドサービスが発展し、また「分散」の傾向を考えると「東京でなくてもいい」という企業も増えています。

余談ですが、北海道にデータセンターを置く理由は実は「気候」が関係します。サーバーは熱を持ちやすいので空調が必須なのですが、北海道は元々気温が低いため、国内では「冷却効率的に最適解」なのですね。


12. 海底送電ケーブル

私のnote記事で岸田総理の実績事実検証を読まれた方は「デジタル田園都市構想」という言葉を目にされたかと思います。政府と北海道はここを連携して実現に向けて動いています。

まずは北海道、鈴木知事のコメント紹介。

北海道庁Website

次に「政府と道が連携している」の記事です。


◆誤情報の訂正

1. 簡体字ポスター

twitterでよく見るポスターです。「日本人向けのポスターではない、北海道を中国に売り渡すポスターだ」という論調でよく貼られています。(上下余白をトリミングしていない画像が出回っていましたので、もしかしたらスマートフォンの画像保存や加工などが苦手な世代の方が広めたのではないかと推察します)

ネットでよく出回る画像

これは確かに中国人向けのポスター(パネル)です。実はこれは上海の蔦屋書店にて「北海道フェア」が行われた時のものです。

上海の蔦屋書店のイベントパネル

イベント概要
上海前灘太古里 蔦屋書店 北海道フェア
2022 年 1月21〜27日
参加企業数31社、輸出品目120品目
ポイント
・北海道の物産品の輸出
・民間企業主催(道の主催ではない)
・1週間の短期イベント
・現地生産などが行われる訳ではない
 =カントリーリスクなし
・お金を払うのは中国側、利益が出るのは日本側

2. 北海道百年記念塔を解体

百年記念塔解体の意思決定プロセスに、鈴木直道知事は関与していません。下記は北海道建設新聞(2018年12月27日)および北海道新聞(同日付)です。鈴木知事が就任したのは2019年4月であり、下記の記事が出たのはまだ彼が夕張市長だった頃です。市町村が別ですし、道議会でこの存続の是非を議論および決定できるポジションにはいなかったのがお分かりいただけるかと思います。(当時の道知事は高橋はるみ氏)

※当存続の是非については当記事の事実検証とは別問題なので割愛。鈴木知事の意思が介在したのかどうかを焦点としております。

北海道建設新聞

3. 北海道の土地を中国に売却

検証の必要がないくらいバカバカしいネタではありますが、鈴木知事批判の際によく出てくるのがこちらの「日本の土地が爆買いされている」という画像です。面積についてもみなさん仰っていることがバラバラで「1割」とか「静岡県以上の面積」とか、収拾がつかないくらい。下記画像を見て違和感ありますか?私は非常に違和感を覚えます。これは1坪でも買われていた場合は「市町村ごと塗り潰しですから、実態以上に大きく見えてしまうのです。が、ここの「土地買収の実態」は今回の検証とは別問題なので、割愛します。問題はこの「日付」です。

DHC TV ニュース女子 2017年12月

DHC TVの「ニュース女子」2017年の放送であり、当時はまだ鈴木知事は夕張で市長をやっていた時代。まったくタッチしていないのです。(そもそも土地を売るのは地権者なので、ナンセンスクレームの類ではありますが)

では年ごとに、鈴木知事就任後の中国(個人・法人)の土地購入の数値を割り出してみましょう。

【北海道 海外資本等による森林取得状況】
2021年01月~2021年12月 中国資本の土地購入 16.6ha
2020年01月~2020年12月 中国資本の土地購入 2ha
2019年01月~2019年12月 中国資本の土地購入 71.75ha
2019年01月~2021年12月 合計90.35ha

4. アイヌ関連

アイヌ新法やウポポイ(民族共生象徴空間)についての批判が鈴木知事に向くツイートも散見されます。では、時系列を見てみましょう。
※私個人はウポポイにもアイヌ保護にも賛成ですが、今回はとりあえず事実確認のみ。

ウポポイ(民族共生象徴空間)
まずは年表をご覧ください。ウポポイ公式サイトから抜粋。鈴木知事が就任したのは2019年(令和元年)です。ウポポイ建設の流れは2009年(平成21年)から始まっており、具体的な場所や基本コンセプトが策定されたのは2014年(平成26年)の閣議決定からの流れ。つまり政府として推進してきたプロジェクトであり、鈴木直道知事が関与したのは「決定プロセスが全て終わってから」の令和2年一般公開の箇所のみになります。

ウポポイ沿革

アイヌ新法
そもそもアイヌ新法をご存じない方も一定数いらっしゃると思うので概要と時系列確認。

nippon.com

繰り返しになりますが、鈴木知事が就任したのは2019年(令和元年)。そして当然のことながら、これを決めたのは自治体(行政)ではなく立法府。twitterを読むと「国会と自治体の区別すら理解しているのかどうか怪しい」が散見されますが、鈴木知事はこの決定プロセスには一切関与できません。

◆私見

今後の北海道は「半導体工場」があり、東京と「海底送電ケーブル」でエネルギーのやり取りをしつつ「データセンター」で国内の通信インフラの一端を担い、配送にドローンが飛ぶ、そんな地域になるのかもしれません。安倍元総理が提唱していたSociety5.0、岸田総理が提唱しているデジタル田園都市の最先端は、もしかしたら北海道になるかもですね。

時に政府の先を読んでるかのような動きをし、時には政府の意向に合わせるかのような連携プレイをしている。この知事ならあの驚異の支持率は納得できます。彼の動きは「北海道に利益をもたらす」のみならず、国内通信インフラの重要な役割を担う形になっていく、そんな気がします。

デマや誹謗中傷に負けずに頑張っていただきたいです。




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