【映画】幸福路のチー

映画「幸福路のチー」を見た。親が考える幸せ像とその子が考える幸せ像は異なるものであるが、親は自分の考える幸せ像をつい子どもに押し付けたり期待したりしてしまう。しかも善意で。子どもは親の期待にこたえるのか、それとも自分の意志を貫くのか、という葛藤を感じることとなる。本作でも世代によって異なる幸せ像に嫌気がさした主人公が、どのような決断を下すかが描かれる。

以下、ネタバレを含みます。

上記のようなフレームであれば、主人公は海外かどこかに飛び立って成功して、その上で地元に戻ってくる、みたいな流れかなと思っていたが、実際はそんなことはなかった。現実は厳しい。地元は女性に対して期待される行動などが極めて保守的に描かれていたので、そこに回帰することはないだろうと思っていただけに驚いた。

しかし、今思えばそれを暗示させるのでは…と思わせる部分がいくつかあった。それは、あらゆるシーンで主人公が置いてけぼりにされているところである。家族が車に乗っていくのに、自分は路上に落っこちていくという、現実か夢か分からない冒頭のシーン。母親はタクシーに乗せたまま、自分だけが降りるシーン。小学校の友人が去っていくシーン。

自分は台湾の言葉が好きなので楽しむことができた。台湾に行きたい気持ちになった…。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?