【読書】高野陽太郎・岡隆編「心理学研究法 補訂版」
「心理学研究法 補訂版」という本を読んだ。研究法について網羅的に書かれており、またそれぞれの手法は各手法のスペシャリストに書かれているので短い紙幅に詰め込めるだけ詰め込んだという内容の濃いものになっている印象だった。
いくつか印象的なことがあったが、1つは面接法では相手の言葉を要約しないということである。「自分の専門は社会学です」と言った後に「世論的な」みたいな言い換えをされたことがあるが、たしかにそういう側面もあるけどそれ以外の側面も多いんだよな…と思った経験がある。指摘するほどでもなかったので指摘しなかったが、こういう食い違いが積み重なると面接をわざわざ用いているのにコミュニケーションがうまくできていないという悲劇につながるなと思った。
また、参加者を増やすという言及も気になった。実験参加者が少数だと本当は条件間で差があっても差がないと判断されるので十分な実験参加者を用意する必要があるというのはその通りであるが、実験参加者を増やしすぎると本来は見られない差が「差あり」とみなされることもありえる。このトーンは章によって若干異なっているように見えて、それが却って面白かった。
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