【読書】稲葉振一郎「社会学入門・中級編」

「社会学入門・中級編」という本を読んだ。質的研究・量的研究といった方法論について論じている一方、各方法論についての具体的な説明は乏しい。「社会学入門」といういかにもテキストであるかのような本であるが、全くテキストとしての体系性・網羅性のようなものは見えてこない。読む価値が低い1冊という印象を受けた。特に最後の方に、私は社会学者ではないのでといったエクスキューズとともに読者を突き放すような内容も書かれており親切ではないと思った。

ただ、興味深い点もいくつかありはした。インタビューされる側とインタビューする側が仲良くなりすぎると、インタビューされる側がする側のことを配慮して、嘘のこと・都合のいいことを言ってしまうという事例は興味深かった。また、ディープラーニングとの関連で過学習について触れられていたが、その学習が過度であるかを判断するのは人間であるのではないかという指摘は考えたこともなかった。


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