アンパワースポット
パワースポットってパワーが貰える場所のことですよね。その逆があるとすれば、私にとってそれは実家を指します。
実家が絡むと、なーんか上手く進まない。
HPVワクチンのキャッチアップが期限迫っていたので打とうと思い、接種の予約を入れました。そしたら、どうやら母子手帳が必要っぽいので、実家にあるので回収しようと帰省を試みたのですが、迎えを頼んだ父親に電話が繋がりませんでした。
クソ田舎なので最寄り駅から遠いんですよ。帰省するときは駅へ送迎をお願いしてるのですが、いざ電車の到着の1時間前に電話をすると『おかけになった電話はーー』とのこと。
えぇ?ここまで来たのに?
嫌な予感がしてお腹が痛くなりました。
実家には父親しか住んでおらず、私は実家の鍵を持ってきてないし、どうせ母子手帳を回収するだけだからと金銭はクレカとスマホだけで、現金は2000円程度しか持ち合わせてなかったんですよ。
タクシー使う?でも父親が家にいなかったらどうする?てか電話繋がりませんってなんで?暑さで倒れてる?今日帰るって言ったよね?
怒りも焦りも不安も、いっぱいで、駅も暑いし、移動で疲れたし、それが無駄足になるかもしれないと思うと、もう全部逃げたかったです。
だけど、ワクチン接種を予約してしまったから、母子手帳が無いと困ります。
最悪、忘れましたって謝るか。
そう納得するまで、15分くらい考えたと思います。
思い至ったら早いほうで、反対方向の列車に乗りました。
このとき、父には5回ほど電話をかけていたと思います。
それから帰路に着き、その間も倒れていたら心配だし、1時間おきに電話をしました。
結局、父親から折り返しがあったのは5時間後でした。
『今日、帰って来るのやめちゃったの?ずっと待ってたのに』と。
待っていたなら、そっちからも電話をかけるよね?
話をまとめると、父親は競輪場にいたんだそうです。
それで電波が繋がらなかったのか、充電をするのを忘れたかで、電話をかけても繋がらなかったと。
『子宮頸がんワクチン、打ってるみたいだぞ』
とも言われました。
でも、父は保身のために嘘を付く人なんです。
そういうのに、とても疲れる。
だって私はすっかり捻くれた人間なので、そういう父親のセリフにすら『自分が責められたくないがために、私がHPVワクチン接種済みという事にして、そもそも母子手帳の必要ない状況にしたいだけでは』とか、疑っちゃうんです。
疑うってすごく疲れます。本来は何も生じることのない事が、疑うことで予定を変更して代替案を考えないといけなくなる。0でいいはずのものが、10にも100にも苦労が広がる。
だから、言い訳とか嘘とか、しんどいの。
きっと多くの親子関係では、親を疑うってしないと思うんです。だけど私の父親は保身のために嘘をついて、私との信用を築かないことがムカつくし、人を疑うどころか、親を疑ってしまう自分のことも嫌いです。
良いことがないから、正直もう近づきたくない。
だけど悪者にはなりたくないから、父の日に鴨蕎麦を贈っている自分の、なんとみみっちい事か。
社会だ未来だ責任だ、何だのと、言葉で大きなことをツラツラ書いていますが、実際はいつまでもケチで小心者な自分を、たっぷりと見せつけられるから、実家はアンパワースポットです。
まあ、頼った私が馬鹿だったんです。
どうせ父が迎えに来てくれるからと、準備を怠った私のミスです。実家の鍵を持っていくべきだったし、現金もきちんと持っていくべきだった。
過去にも実家で悲しいことがあって、もう両親は頼ってはいけないと決めたはずなのに、頼ったばっかりにまたガッカリすることになった。
自信を無くす場所。
昨日もほんとうに疲れました。
次こそは無いようにしたい。はぁ。
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