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ドリップの変数


皆様,こんにちは,こんばんは。


今回はハンドドリップで抽出するコーヒーにおいて,どの要素がコーヒーの風味に影響を与えるか書いていきたいと思います。個人的に感じたことも含まれているので参考程度に読んでみてください。

コーヒーを片手にゆるっとどうぞ。




まず始めに,コーヒーの風味には抽出される順番みたいなものがありますが,下のような順番で抽出されます。

酸味→甘さ→苦み→渋みやえぐみなどのネガティブな要素

はっきりと酸味が抽出されきってから甘さが抽出されて、その次は苦みが抽出されて…というわけではなく抽出し始めは酸味の成分が多く抽出されているだけで甘みや苦みの成分も少し抽出されています。抽出時間の経過により甘みが多く抽出されやすい時間,ネガティブな要素が抽出されやすい時間があるという感じですね。

豆によっても,どの成分がどの時間から抽出されやすくなるかは変わるのでこれといった明確な時間はないです。ただ,成分が抽出されやすい順番は上記の順番です。



さて,ここからは風味に影響を与える変数を書いていきます。



目次で皆さんが気になるところにとんでいってみても面白いかと思いますので良ければ使ってください。


変数一覧

①挽き目・・・豆を挽いた粉の大きさで風味が変化する
②抽出時間・・・抽出終わりの時間で酸味やコク,風味が違ってくる
③粉量,湯量・・・主にコーヒーの濃さに関わる,風味にも影響あり
④湯温・・・風味に影響を与える。
⑤注ぎ方,投数・・・優しく注ぐか,激しく注ぐかで風味が変わる


こうしてみると,結構な要素ありますよね…。上記以外にもまだまだ要素はあると思いますが,今回は5つの要素でみていきます。


どこで飲むかで美味しさって変わりますよね…
外で飲むのも最高です



①挽き目

豆を挽いた時の粉の大きさでコーヒーの風味が大きく変わります。

豆を細かめに挽くと抽出効率が上がり,粉から成分が出やすくなります。コーヒーの個性や甘さがよく出る分,渋みといったネガティブな成分も出やすくなります。また,ドリップの抽出時間にも影響を与え細かめに挽くと抽出時間は長くなります。甘さ出したいときやより複雑な風味を引き出したいときおすすめです。

逆に豆を粗めに挽くと抽出効率は下がり,粉から成分が出にくくなります。抽出時間にも影響を与え,粗く挽くと抽出時間は短くなります。そのため,酸味がありコクや苦さなどは感じづらいコーヒーとなります。粗く挽くことは決してネガティブなことではなく,成分が抽出されやすい豆やペーパーフィルターに目詰まりしやすい豆,浸漬式の抽出方法の器具を使う際には豆を粗く挽くと風味の良いコーヒーが抽出できます。ハンドドリップだと粗く挽くことでよりクリアな味わいになります。


僕は浅煎りのコーヒーだと挽き目は細かく,深煎りのコーヒーは粗めに挽き抽出することが多いです。

浅煎りのコーヒーを粗挽きで抽出すると抽出時間は短く、酸味がのみが多く抽出されただ酸っぱいコーヒーになります。細かめに挽くことで浅煎りのコーヒーの甘みや個性がしっかり抽出され美味しいコーヒーができあがります。個性も楽しめつつ甘さがあり心地の良い最高のコーヒーを飲むことができます。

深煎りのコーヒーの場合,成分が溶け出しやすいのであえて粗めに挽くことでえぐみまで抽出しないようにしています。深煎りらしい甘みがあり,程よいコクのあるコーヒーができあがります。上手く抽出できた深煎りのコーヒーは冷めても甘さがしっかりあって美味しいですよね…。


コーヒーを抽出してみて,すっぱすぎるコーヒーができたときや甘さが足らないときには粉の挽き目を細かく,逆に渋みや苦すぎる印象を感じたときには挽き目を粗くしてみてください。

もちろんレシピによっては粗挽きで抽出するレシピもあるので上の考え方が絶対ではないです…!


②抽出時間

抽出時間でどのように風味が変わるか書いていきます。個人的にはこの要素がかなり重要だと考えています。

抽出時間が長すぎるときコーヒーは過抽出の状態になり,えぐみや渋みなどのネガティブな印象の強い風味となります。

抽出時間が長いということは粉とお湯が触れている時間が長いということ。触れ続けている間はコーヒーの成分が抽出され続けているので,抽出時間が長いとコーヒーの酸味や甘さだけでなくネガティブな風味も抽出してしまいます。
コーヒーの印象は浅煎りの場合,のどに引っかかる感じや口の中が乾くような印象,舌がヒリヒリするように感じることもあります。深煎りの場合は苦みで風味がつぶされているように感じるかなと思います。


逆に抽出時間が短すぎるときコーヒーは未抽出の状態で,甘みやコクがなくただ酸っぱいコーヒーになります。

粉とお湯が触れている時間が短いということなので酸味しかしっかり抽出されていないのですっぱすぎる印象になります。浅煎りだとまぁまた飲みたいとはなりません(笑)深煎りだとコクは感じられず酸味も強いのでなんだか渋く感じるかなと思います。


抽出時間を調整するときには主にコーヒーの挽き具合を変えていきます。抽出時間が長すぎるときは挽き目を粗くします。そうすることで,粉が粗い分お湯が粉を通り抜ける速度が速くなるため抽出時間は短くなり,ネガティブな要素を抽出する前に抽出を完了することができます。

逆に抽出時間が短すぎるときには挽き目を細かくします。そうすることで,粉が細かい分お湯が粉を通り抜ける速度がゆっくりになるため抽出時間は長くなり,甘みやコクの要素もしっかり抽出できるようになります。

あとはお湯の注ぎ方でも変わってきますが,これは注ぎ方の項目で書くことにします。


僕はどの焙煎度合いでも2分30秒から2分45秒で抽出完了するように意識しています。この時間だと大体のコーヒーは美味しいです。



③粉量,湯量

粉の量,湯量は主にコーヒーの濃さや重さ,質感に関わってきます。コーヒーの濃さや質感は粉とお湯の比率で変わってきます。

例えば,粉の量に対してお湯の量が多すぎるときは,さっぱりしていて重さが感じられず水っぽい印象に感じるコーヒーができあがります。逆に粉の量に対してお湯の量が少なすぎるときは,しっかり重さが感じられますが,舌がヒリヒリするような感覚や飲み疲れをする印象を抱くなどがあります。

では、適切な比率はどれくらいかというと個人的なおすすめは下の比率です。

粉:お湯=1:16.6

あくまでも個人的なおすすめではありますので皆さんの好みに合わしてもらえればなと思います。あと、コーヒー屋さんやロースターごとに推奨のレシピや比率など書いてることや言ってくれると思うので,基本的にはそれに従っていれば間違いないと思います。

ここまでくると測りが必要じゃないかと思う方がいると思いますが,その通りです…(笑)めんどくさいなと思う方もいるかもしれませんが、,スケールがあるとコーヒーの世界は本当に変わります!なのでスケールは本当におすすめです。

おすすめのやつです。見るたびにどんどん高くなっているような…。
キッチンスケールを使っても全然大丈夫です!

お家で濃すぎるコーヒーや薄すぎるコーヒーが出来上がったときは,粉とお湯の比率を見直してみるのも一つの方法です。抽出したコーヒーが濃すぎるときは粉の量を減らすかお湯の量を増やしましょう。逆に薄すぎるときは粉の量を増やすかお湯の量を減らすといいです。

よくあるかなと思うのが過抽出のコーヒーと濃いコーヒーを混同してしまうこと。一緒のように感じるかもしれませんがここを間違うとレシピを調整しても納得する味になりません。5分くらいかけて抽出したコーヒーと粉の量を倍くらい使ったコーヒーで飲み比べるとわかると思います。


④湯温

お湯の温度でもコーヒーの風味の微妙な違いが出てきます。

お湯の温度が高いと抽出効率が上がり,個性や風味がよく出て香りも感じやすいです。反面,過抽出になりやすくなります。
お湯の温度が低いとき,抽出効率は抑えられ,個性がやや出にくい分,穏やかで優しい味わいや風味になります。お湯の温度が低いと言っても,せいぜい80℃くらいかなと思います。

ここも抽出するときにどんな風味をよく出したいかで決めるといいと思います。香りが華やかなコーヒーは温度高めのお湯で,優しい風味が特徴のコーヒーだと低めの温度で抽出するのが良いと思います。

僕は高いときは92℃で,低いときは87℃くらいで抽出することが多いです。ただこの要素はそれほど重要視するほどのものでもないなーと感じます。1℃単位で変えていっても正直あまり違いがわかりません(笑)

家で温度計で測らず抽出する場合は、沸騰したての湯を別のケトルに移すか、1分くらい待ってから抽出すると大体92℃くらいになってると思います。冬に別のケトルに移すときは少しお湯を移してケトルを予熱しておくと良いです。

レシピ追求しまくって豆の個性をしっかり知って最終的にいじるのがこの要素かなと思います。


⑤注ぎ方,投数

注ぎ方や何回に分けて抽出するかでも味わいが変わってきます。

注ぎ方については,勢いよく粉を混ぜるように注ぐと抽出時間が長くなり,成分がより出て甘さや複雑さが増しますが雑味などの成分も出やすいです。逆にそーっと載せるように注ぐと味わいは穏やかな味わいになりますが,個性や甘さがやや感じにくい味わいになります。

注ぎ方は意外にも抽出時間に大きな影響を与えていて抽出終わりの時間が1分くらい違ったりもしてきます。特にハンドドリップは人によって味が違うと感じることもあると思いますが,大きな要因はこの注ぎ方かなと思います。

個人的にはドリップする豆の個性を考えてどんな味わいを出してみたいかでゆっくり注ぐときと少し勢いよく注ぐというふうに使い分けるのがいいかなと思います。

あとは,目標の抽出時間からずれてしまったとき。例えば,目標の抽出時間から10秒遅くなってしまったときは挽き目を1メモリ粗くするのも良いと思いますが,注ぎ方を少し穏やかにするのも良いと思います。挽き目を1メモリ変えただけでも風味に与える影響は注ぎ方よりも強いので,まずは注ぎ方で調整しておいてそれでも狙った風味ではないなと思ったときに挽き目をいじるといいのかなと思います。

次は投数ですね。投数とは何回に分けてドリップをするかです。これもレシピによって全然違いますが僕は蒸らし含めて5回でやっています。

投数が少ないと粉を攪拌する回数が一回減るので抽出時間はやや短めにかつ穏やかで優しい味わいになります。ただ,やはり投数が少ない分,甘さは抑えられますし複雑さはやや欠けるかなという印象のときがあります。

雑味が多い豆や風味にとがりのある豆,あとはフィルターに目詰まりしやすい豆には投数を減らすと効果的かなと思います。でもあまり投数を減らすことは少ないですかね…。



レシピ

よかったら参考にしてください…。

浅煎り-中煎り
粉:15g
湯量:250g(90℃目安)
抽出時間:2分30秒~2分45秒 (落とし切り)
挽き目:細挽き

粉とお湯の比率は約16.6倍です。投数は5投。

0:00 - 40g  
0:30 - 100g (+60g)
1:00 - 170g (+70g)
1:20 - 210g (+40g)
1:40 - 250g (+40g)

購入したコーヒー屋さんのレシピが分からないときは基本的に上のようなレシピで淹れます。わかるところはそこのコーヒー屋さんのレシピです。

上のレシピを軸にしてドリップの変数を一個ずついじりながら出したい味を出して楽しむ感じでドリップをしています。








ここまでドリップの変数をまとめてみました。


読んでくださった方ありがとうございます。正直全部ここまで考えなくても重さと時間さえ計っておけば簡単に美味しいコーヒーはできます。


ハンドドリップ楽しみましょー!


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