父の背中をみて
育った娘の現在…の私
不器用でも真っ直ぐに愛情を訴えてきた
父は。
もう天国へ逝ったけれど。
何十年も経った今は父との思い出も記憶が霞む。
断片的に父を思い出す。
父はnoteに書いた通り、ヤクザだった。
それを世間では良くない事でその家族も良くない事である。
父と暮らせない時は任務を終えて😂会いにくる。
突然。
学校から帰ってくる途中、帰り道に父が待っていて満面の笑みを浮かべ、大きく手を広げ私の名前を呼ぶ。
そこに飛び付き、肩車をしてもらって帰った。
一緒に暮らしている時も。
何か問題があると家族も犠牲になる。
私は近所の人達に守られながら暮らす。
顔も知らないおじさんが怒鳴り散らしてくるときもあった。
小さい頃は大人が守ってくれていた。
父が血相をかえて帰ってくる。
その時どんなに私より小さい子達が周りにいても
私の名前を呼び私の手を掴み私を抱き上げ全力で守るのだ。
そして小さい子達を順番に抱き合げ
安全なところへ移動する。
まともな人からしたら
そんな事してる時点でダメだよな。
そう思うだろうけど。
私はその父の背中をみて育った。
小さい子供から少し大きくなった私をそれでも父は手を伸ばし私を守る。
小さい子達を気になった私は
そこで父の背中をみて育った事を実感した。
【パパ、私は大丈夫だからチビたち】
そう初めてパパに返した時、びっくりしてたけどそのあとに笑って頭を撫でた。
すぐにチビ達を先に移動。
泣いて服を引っ張るチビちゃんを私も抱っこをして。
何となくだけど。
そーゆー事か!ってわかったの。
パパが好かれる理由。
パパを周りが頼る理由。
そして今思うのは。
頼られる分の苦しみも大変さも。
負担もしんどさも。
どうしてあの頃、
父が私に願ってきたことを
叶えてあげなかったのだろう。
どうしていつでも会える、
そう思って冷たくしてしまったのだろう。
どうして父の苗字に戻さなかったのだろう。
どうして父に
私以外に外で子供作ったら許さないから。
そんな事を言ってしまったのだろうか。
誰よりも温かい家族が欲しくて
誰よりも周りの幸せを願って
誰よりも人に裏切られ
誰よりも一生懸命だったのに。
沢山の中にいる父は人一倍、気を遣って
誰よりも盛り上げて。
家に帰ったら本当は無口で子供みたい。
小さかった頃の私の父はヒーロー🦸みたいな人で。
成長した私は父のダメ加減っぷりに嫌気をさして冷たくした。
そしてヤクザとして生きていた父のお陰で危険な思いもしたし、嫌な思いもした。
でも尊敬してるの。
父は良く息子が欲しいと言っていた。
【は?すみませんね、娘で】
そう答える。
本当に傷ついていた事しってる?
男として生まれたら父の側にずっといれたのだろうか。そして野球をやったりお酒を呑み明かすそんな事ができたのか。
途中、私は男になってやろうか。
そう本気で思った時があった。
同世代の女子とも気が合わなかったし
周りの男子やお兄ちゃん達に紛れこんでる方が楽だった。
女として見られたくなくて
わざと男みたいに過ごした。
それでも嫌でも女性として成長する。
こんなん女として見られないだろう。
楽だった。
でも私は女性だった。
高校生になって性被害にもあった。
父のヤクザ仲間の家族から。
父がきちんとそこから離れたら。
父がヤクザでなければ。
ワタシはあんな思いしなかったのに。
そうやって恨んだ。
女として生まれた自分も。
父がヤクザだったことも。
何度ワタシはこんな思いをして生きていくのか。
何で生まれたのかと父を恨み、嫌いになり、
話もしなくなった。
でも父はそんな娘の私の対応に何度も落ち込み、
そして私は条件を出す。
仕事をきちんとまともにして
そのお金で私を育ててと。
汗水垂らした仕事で一生懸命、お金を稼ぎ
そしてそのお給料で。
父は守った。
少しの期間だとしても。
何度も変わろうとしてくれた。
だから結局は父を突き放せなかった。
私に冷たくされて落ち込む情けない父を
ばかなの?って思いながらもしょうがないなぁって思った。
手紙を書く事。
字を書く事。
本を読む事。
そこでどんな事を思うか考えてみる事。
守るとは何か。
そんな今の私のベースは
父を見て育った。
今でも覚えてる。
幼きワタシが久しぶりのパパを見て
大喜びしている自分を。
私をみて目尻を下げ笑顔で抱き上げるパパの姿を。
怒られて泣いてる私をあとでこっそり見に来て
ずっとそばで話をきいてくれてそして笑わせてくれる父を。
そして抱き上げてくれる。
私のご機嫌を取るのに一生懸命だった父は
生きていたギリギリまで私のご機嫌を取っていた。
そんな父をみて育った現在の私は
シングルマザー。
ごめん、パパ。
でも私、娘と2人でも幸せなの。
パパの背中をみて育った私は
きっと今、最高に強いはず。
パパのお墓参りは
🌻を沢山抱えて会いにいくね。
あなたの孫娘と一緒に。
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