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#36 雨の日は/及川恵子

雨の日は、何もかもが好きになる

雨の日がとても好きです。

もともと雨の音が好きで、今のように自然環境音を延々と流してくれるアプリやYouTubeチャンネルがなかった頃から、このサイトで雨音を聞きながら勉強や仕事をするのが好きでした。

時折、雷が鳴るのもいいんですよね。
淡々と降る雨の音にリズムが付くようで。
そして雨音を聞くとなぜかとても集中できるし、なぜかとてもよく眠れる。
その理由はアメリカのなんちゃら大学の研究で明らかになっているとかなんとか。

あとほら、ペトロールズの「雨」は名曲ですし。

会社勤めをしていた時にはかなりのアウトドア派だった私ですが、今ではすっかりインドア派を極め、さらにコロナ禍とあり家で過ごすことが多くなりました。

そんな中、家の中で聞く雨の音も、
天窓に当たった雨のせいで空が滲んで見えるのも、
私の部屋から見える隣の家の屋根が、雨に濡れて濃い緑色に変化していくのを見るのも好き。
雨が降るとついつい窓から見える景色を眺めてぼーっとしてしまいます。ただの住宅街の景色だけどね。

それに、雨が降ると「今日は家で過ごすか」とこもりたくなる感覚も好きです。
仕方ないから家にいるのではなく、家で楽しめることをとことん詰め込んだ時間を過ごせる幸せ。
コーヒーを淹れて、ゆっくり本を読んだり、漫画を読んだり、見たかった動画を一気見できるのも、雨の日の特別な贅沢という気がしています。

そうそう。
これを書いていて思い出したけど、梅雨の時期に
「あ、これもうちょっとしたら雨が降るな」
とわかる匂いがあるじゃないですか。
あれも好きです。

アスファルトが湿って、地面から もわん、と香りが立ってくるような感じ。
あの独特な香りを嗅ぐと、梅雨の鬱陶しい湿り気と夏の手前にいるんだなあという高揚感を感じられて、なんだかドキドキしてしまいます。
ああ、夏が恋しいぜ。

“生憎の雨模様”だなんてよく聞きますけど、本当はどうなんでしょう。
この年齢になると、晴れた日こそ恐い。
あたたかくなるこれからの季節は、紫外線との戦いですからね。
一年中紫外線が降り注ぐ中、「絶対にシミはつくりたくねえ」と太陽から逃げ隠れたい私にとっては、晴れの日こそ“生憎”ですよ。

「雨の日は湿気で髪型が整わないんだよ!」という女性たちの切実な気持ちを差し置いて、「時々は雨の日を祝ってあげてもいいじゃない」と思う4月の始まり。
きょうも明日も、顔に日焼け止めを塗りたくっていこう。

及川恵子

※追伸
「スピッツっていつまでも最高だな」と改めて思っている今日この頃です。