シュート

vol.1_11高校生時代③(強豪or弱小)

部活は大手企業とベンチャー企業の差と似てる
ここで皆さんにも少し考えてほしいことがある。
いつも生徒さんの進路相談に乗る際に悩むこと。

高校で部活を本気でやりたい生徒に対して、
強豪校を提案するべきか(ブランド力重視)
弱小校を提案するべきか(即戦力としての経験値重視)

もちろん答えなどない。もちろんプロに行くくらいのレベルであればメディアに取り上げられるくらいの強豪校で、大活躍をしてくれればいいと思う。

現に高校で野球がやりたいということで
修徳高校(東京)に入り、主将でピッチャーとして
甲子園に連れて行ってくれた生徒もいた。
これはあくまでほんの一握り。入学する前から大体わかってること。

では、それ以外はどうであろうか。本人にいろんな提示をした上で選択をしてもらえれば良いと思っているが、、、あくまで1つの事例として、KJに進んだ川口と新潟高校へ進んだ中学の友人T君で比較をしていきたい。

実力の差は中学の時にはほぼなかった。
川口は高1の5月からスタメンとして出場し
大会と名の付くものは毎回出れる状態であった。
高3の引退時には背番号10番を背負っていた。

T君の進学した新潟高校自体が当時、県大会2位。
残念ながら全国の切符は手にすることはできなかったが大健闘だった。
残念ながらT君は引退を決める最後の大会までユニフォームをもらえることはなかった。

どちらも教訓として次への活かし方次第で変わると思うし、そもそも目的によってどちらがいいかなんてわからない。でもそんなの中学3年生の視野で決断なんてなかなかできないよね。

みんな自分の好きな部活を高校でやるために、その部活が強い高校を選びたがる。それはまるで大企業とベンチャー企業の図式に酷似していると私は最近思っている。

川口、中越地区選抜になる
新潟は上越・中越・下越・新潟市と
大きく分けて4つの地区に分かれていた。

新潟市は昔から強かった。新潟市以外はだいたい雪が積もるので、春の大会まで基本的に外で練習ができなかったことも理由の1つであろう。
近年では雪がたくさん降る地方でも溶雪グランドが設営され、雪が降っても練習ができる環境が整い始めたため、中越からも強豪校が生まれ始めている。

新潟市の高校にいたら、120%川口が選抜に選ばれることなどなかった。レギュラーになれていたかもわからない。
そんな中、なんと中越地区で選抜に選ばれることになったのだ。実際は選抜試験でめちゃくちゃ声を出してアピールした。(自分のミスプレーを隠すためにも)

中越地区選抜に決まったが、前例がなさすぎて学校としての許可がなかなかおりなかった。校長先生も交えて、学校の先生たちで会議を行った上、サッカー部の顧問の口利きのおかげで許可はおりた。

もともとKJは模擬試験の日と野球の大会がかぶるからという理由で野球部が廃部になったような学校。奇跡としか言いようがない。

埼玉県選抜vs長岡向陵
高校2年生の時に、中越地区選抜として埼玉に遠征をしにいくことになった。
その時埼玉遠征には、中越地区選抜チーム以外に、その年に全国大会に出場した長岡向陵高校も参加をしていた。(強豪の長岡向陵と帝京長岡はチームの戦術漏洩を恐れて、中越地区選抜自体に参加をしていなかった。だから尚更選抜に選ばれることができたのかも)

幸か不幸か、ちょうど遠征日とKJのスキー合宿が被った川口は、夜暗くなる前までにスキー合宿に合流することを条件に、中越地区選抜の遠征の参加の許可をもらっていた。

中越地区選抜として試合を1試合やった後、次の中越地区選抜の試合には時間の都合で出れずに帰るという旨を監督たちに伝えたところ、信じられない返答が帰ってきた。
「次の中越地区選抜チームの試合の1つ前の試合が埼玉県選抜vs長岡向陵だから、長岡向陵として記念に出て行きなよ」と。まだその時には、そのチームのメンバーが半年後全国放送でプレーをすることになるとは夢にも思っていなかったが、そのチームにディフェンスとして出場させてもらえた。
(トルシエの影響もあり、ディフェンスはフラット3が大流行。その右バックをやらせてもらえた)

なかなか、全国大会出場チームに1人だけ混じってプレーする経験はどこにどんな形で属していてもなかなか味わうことはできないであろう。川口ついてる。

少数派でありたい
そんな経験もした川口としては、もうその頃から強豪校にまで行って、組織として強くなるという考えが欠如しはじめていたのかもしれない。

KJを選んだのもその1つかもしれない。少数派をより好むようになっていた。(天邪鬼なだけかもしれないが)

もちろん批判や反対をされることも多い。だからこそ燃えるし、その反対意見が少数派の裏付けになるために必要な要素にまでなっていた。頑固者川口はこの頃形成されたのだと思う。

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