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曖昧な顔 【2】

診療してもらった医師がこう言った
「あなたの黒子は99%癌じゃないよ」
こんなにはっきり言われるとは思わなかった。

私は肩の力抜けてすぐに安堵した。
しかしこれで終わってればよかったもののくまポンと言う美容施術のサイトでは1250円のクーポンを使うのが本日限りと言う事だった。

先生の話を聞いていると黒子が気にならないこともないので、これを機にいっそ取ってしまおうかと思った。

もともとなかなか休みが取れない私にとって
今日ここにきて先生の話を聞いて、
黒子と向き合って手術をする、しないを決めるのはもう二度とないチャンスかもしれない。

これを逃したら手術はしないかもしれない。

ずっとこの黒子と生きていくのかもしれない。

そうなことが頭をよぎった。
いろいろ考えたときに1番親身になって聞いてくれた親に言われた「もう取っちゃえば?」という言葉が突き刺さって離れなかったのを思い出した

先生に、私はこういった

「今日この黒子除去してください」

目の色を変えた。私。
自分と向き合う覚悟ができた。私。
先生は驚いた表情をしてこういった

「目の上にある黒子は手術をしてしまうと、二重の幅が変わってしまうかもしれませんがよろしいですか?」

少し驚いた。そんな表情が筒抜けだった私に先生は拍車をかけるようにこういった
「あなたの黒子は少し大きめなので、もしかしたら二重が二重じゃなくなるかもしれないよ。それでもいい?」
私は少し考えた。
しかし今この時間を逃したら…

別に黒子なんかなくたって生きていける。
黒子に何の用もない。むしろないほうが綺麗でいいとさえ思うようになった。

そのまま麻酔注射を目元に突き刺し
感覚がなくなると同時にさっきの先生が現れて、炭酸ガスレーザーと言う音の大きな機械で、私の黒子はきれいになくなった。

これでよかったのかなあ、、、

part3へつづく…

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