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自転車でパンを買いに

 昨日、自分の過去と今の状況に鬱々と向き合って、絞り出した言葉を書いてしまったので、今日は明るく軽快な自転車と、素朴なご飯のように食べるパンの話を書きたいと思います。

 5年くらいの付き合いになるFujiのピストバイク。フジフェザー
白くて細くて軽くって、ナウシカのメーヴェに乗っている気分です。

 少し遠出して、しまのパンsouda!さんへ。
地域おこし協力隊として活動されていた女性が開かれたパン屋さんです。
 軽自動車1台分くらいの狭い道を上っていくと、古民家を改装されていて、オリーブの木が出迎えてくれる広いお庭に辿り着きました。お庭にダンプの軽トラが2台停まっていて、薪小屋へ薪を運び込まれていました。その様子を見ながら、大きなウッドデッキの横を通ってお店に入ります。
 購入したのはカンパーニュと干し柿のパンを半分ずつ。長時間発酵のパンは酸っぱい芳ばしい香りがしていました。袋を持つとずっしり、幸せの重み。

 パンのことを話していると、石窯を見せていただけることになり、おじゃましちゃいました。
 窯の中はまだ熱気でゆらゆらと揺らいでいて、そのあたたかさが顔に伝わってきました。横には今日のパンがそこで発酵していたパン籠が並んでいます。
 朝4時から火入れをして、2、3時間で窯の中の温度が安定、パンを焼くのは朝の7時くらいとのこと。

「明日のパンを焼く時間に来てもいいですか?」と口からぽろりと出てしまいました。
 店主さんはにっこり笑って、「明日から新しい薪だから忙しくしているかもしれないし、パンを焼く間はお話もできないかもしれないけれど、それでも良かったら」と了承して下さって、また明日も訪ねて行くことになりました。


 石窯も手作り。たくさんの人が関わられたそうです。
関わられた人の手形も石窯に埋め込まれていて、この石窯から出てくるパンのおいしさを思うと、うれしくなってきました。

 パンの重みを背中に感じながら、自転車をこぐ足が軽い。ピカピカに晴れている海と空が続く島の道をはしります。

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