荒木塁インタビュー
LB : 写真を始めたきっかけはなんですか?
荒木:初めたきっかけは小学校くらいの時に写真が好きで旅行とか行って友達とかの記念写真とかを、好きでずっと撮ってて、そのままずっと撮り続けて、仕事に出来たら良いなと思ったのは26歳くらいの時、こっち(東京)きてから、その時も写真好きでずっと撮ってて、でも人に見せた事一回もなくて、その時は。
LB:その時まだフィルムですか?
荒木:その時デジタルと両方撮ってます。両方撮っててずっとみてたら、確実にフィルムが好きな感じで、途中でデジタルやめようと思って、フィルムにはまっていって、せっかくフィルムだから焼きまでやりたいってずっとそういう気持ちがありながらフィルム撮ってて、30歳くらいになった時に暗室作ろうと思って、モノクロとカラーと両方
LB:暗室とかって基礎知識いりますよね?
荒木:なんもない、独学で。初めはのカメラ操作はマニュアルのデジタルカメラで覚えたんです。試しで撮ったりして、こういうことか、みたいな。だいたいの仕組みはわかって、フィルムに戻ったら若干色々違う事はあるけどまぁだいたいいけるっていうか。操作や仕組みを覚えたのはデジタル。シャッタースピードと絞りの具合とか
LB:フィルムカメラとデジタルカメラの使い方結構似てるんですか?
荒木:撮り方は近いです。本当は違うかもしれないですけど、自分はそのやり方でフィルムに戻ってきて、フィルムを追求していったら、ここがデジタルとフィルムの違うとこなんやっていうのを気づいて、今はもう完全フィルムの方が得意です
LB:暗室のほうがこだわるんですか?撮影にこだわる人と、暗室にこだわるひとと、それがあるからこれを撮る、というか、、
荒木:どっちかなぁ。一番初めは撮るのが大好きで、フィルムで撮ってるからプリントまでやろうってなって、でもフィルムと焼く時の癖とかがわかってきてからは、撮る時からプリントするのを想像しながら焼きやすいネガを作る撮り方を出来るだけしてる
LB:ちなみに撮影で、最初からなにを撮るって頭のなかにできてる?
荒木:あんまりないです。たまにビルとか撮りにいこうとかあるんですけど、基本ほぼないです。
LB:色々なタイプのカメラマンがいて、最初から考えていて、それをやるために段取りを組む人とかいますよね
荒木:そっちがあんまりできないというか、自分にとっては面白くないって感じてて、ちゃんとしたビジョンで作るものがバッチリあったらいいけど、撮ってる段階ですぐ違うところに目がいっちゃう。興味があるほうがあがるっていうか、自分の心に正直に撮るのが一番
LB:デジタルじゃなくてフィルムに行った理由は?
荒木:デジタルってすぐ見れて、それを見ながらアングルも変えて、自分にはあんまり面白くないなって。やっぱりアナログのフィルム感も好きだし、すぐに見れないっていうのも好きだし、想像だけで撮るってもっと面白い
LB:前、撮影の現場でフィルムが多くてそれが普通で構図とか絵面が何回もやりつつ覚えてくるじゃないですか。何をやったらどうなるってわかってるから、それを見据えてると、シャッター切る数少ないんですよね、
考えてることがそのまま出来るから。デジタルやる人って考えてないじゃないですか。とりあえずシャッターきってあとで選べばいいって考え方だと
荒木:そこの重みが全然違う
LB:1枚でもずばっと決まるというか、決まるだろうっていうふうに撮ってるのと、最後に選べばいいという考え方と、全然撮り方違うじゃないですか。
ちなみに塁くんはスケーターでもあるじゃないですか。で、洋服屋でもあるじゃないですか。その中で写真に一番重きを置いてるっていうのは、その時期でバランス違うじゃないですか。例えばスケート今一番っていう時期と、写真が二番で洋服が三番とか、1、2、3が順繰りに順番変わったりするじゃないですか。時期で。やっぱ今は写真が一番?
荒木:今はそうですね。昔は断然スケートですね。歳もとってきて、スケートもハードな感じになってくるっていうのもあるし、スケートはもちろん乗り続けるけど、写真にもうちょっと重点を置いてそっちで頑張りたいですね
LB:写真は海外でも撮ってますか?
荒木:海外でも撮ってますね。だいたい旅行とか、スケートツアーとかで海外よく昔は行ってたから、その時に写真ずっと撮ってて、今も変わらないですけど
LB:たとえば、アメリカとか?
荒木:ニューヨークには1997年くらいから2002年くらいまで毎年いってました。写真はその時はまだ趣味でしたね
LB:1997~2002年!ニューヨークではスケーター撮ってた?
荒木:スケートのトリックは撮ってないです。街中、生活の、周りの人とか撮ってた。普段の生活のスケーターは撮ってました
LB:その時は住んでた?
荒木:住んでないですね。ZOO YORKってスケートブランドからスポンサーついてて、しょっちゅうニューヨークに行って、向こうで撮影したりしてる合間に写真も撮ってた。19歳くらいから24歳くらいまでニューヨークが多かったです。ZOO YORKが買収されたタイミングでみんなバラバラになって、ぐちゃぐちゃになって、オリジナルメンバーが誰もいなくなって僕らも抜けた
LB:そういうのもあるんですね。今のSupremeはどうなってますか?
荒木:最近のSupremeは分からないけど、昔のZOO YORKのクルーが何人か働いてます。
LB:ちょっと前に新宿コマ劇場前広場でアディダスのスケートのイベントやってた。マークゴンザレスが来てて、SupremeもスポンサーでSupremeの箱があって、そこを飛び越えたりしてたんですよ。しかもコマ劇場前でやって、マークもいて、音楽もスケーターっぽい感じで、ああいう場所でやるのって面白いなって
荒木:すごいですね。ゴンズもめっちゃよう来てますね。
LB:金になる(笑)
荒木:飛行機もファーストじゃないと来ないって聞きました。噂ですが。
LB:マークは、熊みたいな風貌(笑)
荒木:ゴンズはスケートめちゃやばいですからね
LB:覆面かぶって、原宿キャットストリートで何人かで走ってたんですよ。その馬鹿さ加減がマークっぽいなと。あの人の面白さって突拍子もない、ジャッカス乗りっていうか、キャラクター的に面白い。マークもマークでずっと絵をかいてたんですよね。スケートと絵と。
荒木:がっつり稼いでますよね(笑)
LB:塁くんもがっつり。。。(笑)
なんかやっぱり写真って日本人に根付いてないなーと思いますね
やっと前よりか90年代だったらHIROMIXとか長島さんとかいたけど、またなんか荒木経惟さんとか、森山さんとか大御所に人たちがフューチャーされて、やっとちょっと目立つようになってきたっていう感じはありますけど、もうちょっと写真が評価されて欲しいっていうか。
荒木:ほんとそうですよね
LB:塁くんの写真みて思ったのが、個人的には森山さんに近いかなって思って、絵的にもだし、切り取り方が。
頭に残りやすい、モチーフにしやすいっていうのが残りやすいのかなって。
普通は本当に写真だけの人しかみないけど、自分の場合は絵面が良ければいいんですよね。
写真がいいのはもちろんですけど、写真家が撮ってる写真が重きを置いてて、例えば、映像を撮ってる人が絵が良ければ、その人は写真にいってもいいですよ。すごい写真が大好きでバシャバシャ撮ってる人で、その人の良さがあって、それが良ければいいっていうか、誰々が撮る写真がいいんじゃなくて。(笑)気持ちが全然入ってないっていうか。結構ある。例えば大御所が撮ってても気持ちが入ってないと、写真になってないっていうか。
荒木:僕も全く名前とかで見てないから、無名の人でも写真が良ければいいと思うし、有名な人でもなんじゃこりゃっていうのは、ちょいちょい正直あるし
LB:カメラマンの好きだった人っていたんですか?
荒木:一番初めはなかったですね。なんか写真がずっと好きで。思い出写真とか好きな子とか写真とって残したいとか(笑)
LB:(笑) ライフワーク的な。フィルムも残るし、いいですね
荒木:昔は意外とファッション広告とか好きだったかもしれないです。20歳ぐらいの時とか海外のファッション誌とかいっぱいみて
LB:海外の雑誌だったらなんですか?
荒木:その時はi-Dとか色々
LB:THE FACEとか?イギリス系の。あの当時は結構とんがってましたからね
荒木:当時の広告の写真はいい写真多かったですね
LB:idは、idで仕事してた人に聞いたんですけど、その時にカメラマンが作品撮りしてた写真をそのまま雑誌にしてたらしくて、だから毎回毎回内容もクオリティも全然ちがう。その時、寄せ集めは寄せ集めだけど、の人が出てくるとひっかかるっていうか。
当時はどのくらい金もらえてたかわからないけど。作撮りが雑誌になってるっていう時点で怪しい。。でもファッション写真なんですね
荒木:好きだったですね。でも結局全然違う方向いってる。
LB:最初は街?
荒木:そうですね。街中
LB:今撮ってるやつ、街と人ってどっちがいいですか?
荒木:街ですね。基本的に1人の方が楽っちゃ楽ですね。
1対1っていうのがその時緊張して、あとでみたらいいんですけど、その時緊張してるのが嫌で。だったら街中で何も気にせずの撮ったり、アーティストとかミュージシャンとかわかんないですけど、そういう人達がちゃんとそこに集中してるのを勝手にドキュメントで撮るのがめっちゃ好きなんですね。気にしてないくらいな感じで撮るのが好きです。
LB:じゃあやっぱりつくり込むより、ドキュメンタリーっぽいのが??
荒木:いい瞬間を探して撮る、そういう方が得意
LB:カメラは最初デジカメで、フィルムにいって、、
荒木:最初はフィルムしかなくて、デジタルでてきて、ある程度したらまたフィルム
LB:最初は何使ってたんですか??
荒木:最初は使い捨てカメラだけど、そのあとすぐオリンパスのμ、はじめそれだった
LB:μ結構使ってる人多いですよね、こないだロバートフランク亡くなって、思いっきりμをこうやってる写真で、ロバートフランクもμ使ってる!って。あの人も結構ドキュメンタリー。あの人のすごいところって、スイス人なんですけど、スイスでアメリカ国籍なんですけど、何がすごいかっていうとアメリカの最初のほうの歴史、ほぼあの人が大概撮ってるっていうか、街中の、アメリカ人ってアメリカを撮らないんですよ。
ちゃんとしたものを撮ってるのってロバートフランクで、当時の普通の人たちを全部撮ってて、ロードムービーにして、ケルアックとか、ギンズバーグとか、あれが好き。でもちょっと近いかもね
荒木:スタイル的にはそっちが好きですね。作られてない自然の状況でのいいシチュエーションやったらめっちゃあがる。ストリートスナップでは予期せぬ奇跡も起こるし
LB:いろんな方が国に撮って、国の街であがるのか?もしくはそこにいった人達が面白いのか?
荒木:両方ですね
LB:街にいったらけっこう歩く?
荒木:めっちゃ歩く。海外いったらあんまりのんびりしてんの少ないですね。1人時間あったら30分くらい歩いてくるわって、時間あったらとりあえずカメラ持って歩いてたりする。ニューヨークの時もフランスの時も。
LB:日本人でふらふらしてると危険な目には?
荒木:全然大丈夫です。
LB:なかなかでも歩かないですよね
荒木:常に探してますね。街中で
LB:でもやっぱ街にでて、何かを探すっていう行為、嗅覚、なんかでも今までで、スタイルが出来上がる中で、影響力があった何かってありますか?例えば映画とか音楽とか、昔遊んでたところとか、友達とか
荒木:これといって、あんまり意識してこれがめっちゃ影響されたっていうのは全くわかんないですけど、もしかしたら昔みた映画とかの雰囲気とか、誰がとってどんな映画とかも覚えてないですけど、ちょいちょいの場面で好きな場面みたいなのはちょっと記憶に残ってて、その感じのを撮ってる時もある気がしますね
LB:塁くんのやつは上からとか斜めからとか、ちょっと映像っぽい部分もあったりして、、
荒木:結構、枠で遊ぶのめっちゃ好きです。ファインダーの中で、遊びのアングルとか得意な気がする。あんまり考えずにいろんなアングルで。
LB:枠をもともと考えてて、その中で考える、それがやっぱ楽しい
荒木:いい感じに切り取るのが好きですね。バランスが好きですね。バランス感覚で枠の中にいれる。あんまり考えてないですけど、確実に自分の中に気持ちいい画角があるんすよ。それだけの感覚で気持ちいいか気持ちよくないか
LB:ちなみに絵かくのすきですか?
荒木:めっちゃ下手。びびるぐらい下手。
LB:自分の中で、こういうの撮りたいとか、そういうときによって違うとかありますか
荒木:あんまり変わってないですね。本当にずっと10何年前からあまり変わってない気がする。もっと広げたいって気持ちがあるんですけど、何も考えずに撮ってたら、どこの国にいっても同じような写真撮ってんなぁって思う時がある
LB:こないだカメラ見せてもらってカメラ、ライカじゃないですか。ライカで撮ろうと思ったきっかけってありますか?
荒木:初めはライカは高いみたいなイメージで自分は関係ないカメラと思っててニコンとか使ってたんです。周りにちょいちょいライカ持ってる人が出だして、見てたらめっちゃかっこええみたいな、なりまくってて、調べたらM3とか20万くらいで、レンズも込みで買えるみたいな、で頑張って貯めて買いました。
LB:ライカってやっぱりレンズですか?
荒木:レンズですね。完全に。昔のマグナムの人達のライカの写りとか見てたらいいなって
LB:こないだ友達のカメラマンにスケーターでライカで撮ってる人がいてって話して、ライカ高いのにスケートでぶつけたり転んだりするのになんでライカ使うんだろうっていう風に思ってたんですけど、もともとライカってドイツ軍が使ってる、だからすごい頑丈だよっていってて、あ、なるほどって(笑)
荒木:絶対落とさないっすね。こけない。一回、こけたことあったっすね、ここらへん傷だらけ、カメラは両方、なんでこの2つ持ってるタイミングで。撮りごこちがやっぱりいいです。めっちゃ上がるっていうか、音が静かだから、スナップにもめちゃめちゃいい、ニコンの時かとかカシャッみたいな。きもちい~ってなってたけど、ライカになってから、もう、そっちが気持ちよくて。
LB:シャッター音が無い?
荒木:やっぱカシャンってなったら若干ぶれるんですよ。ライカは本当にシャッターが柔らかいから、暗いところめっちゃ撮れるようになりました、暗いとこでのスキルめっちゃあがりました。
夜とか、みんなあんまり撮ってないじゃないですか。夜ノンフラッシュで。夜結構好きです
LB:ライカでノンフラッシュで撮れるんですか?
荒木:1/2とかで撮ったりする。1/4とか。さすがにブレたかなぁみたいな時でも結構意外と撮れてる、そっから自信もってます。
LB:ブレないってなかなか無いんじゃないですか
荒木:そうですね。息も止めて、目も瞑ってるかもしれない。そん時。わかる。ブレたかブレてないか。
LB : なるほど、ライカのレンズすごいですね
荒木:夜の、なんか好きなんですよね、写真
LB:暗いのを撮るって、光を利用して、結局カメラって撮れるじゃないですか。自分の見方の基本って、森山さんの、光と影がそのままで、ライト&シャドーが面白く使えてれば、みるきっかけになるっていうか。荒木さんとかもわざと影つくるぐらいの人なんで。普通はライトで影消しちゃうので
荒木:アラーキーのスタジオとかみれるんすね?
LB: 前やってたのは、ライトさんとアシスタントが2人いて、フィルム組んでる人と、前は3人だったんですけど、今2人で、ライトやる人が光で、影をわざと作って、影がやっぱ個人的にやっぱ重要っていうか、影消しちゃうのが好きじゃ無い、どっちかっていうとそれって写真じゃないかなぁって、どっちも味方にするっていうか、光も影も味方にして絵的に作るっていうか、
でも結構暗闇で撮るって結構大変ですね。
それでフィルムで撮ってて、暗室いって、うつってなかったとかって無いんですか?うっすらでも映ってるってことですか?例えば、写ルンですとか
荒木: 写ルンですは絶対無理ですね。T3とかだったらいけるっす
LB:デジでもまぁまぁ撮れる、フィルムで撮る
荒木:デジタルで夜はだいぶ楽っすけど、フィルムはまぁまぁ止まるスキルがないと無理だろうなって思います
LB:光の感じもわかって。薄暗いかんじも?
荒木:わかるっすね、だいたい。どういう感じでみてるかって、1/60くらいできったらあのライトくらいしか写らない、1/15くらいできったら、あの壁くらいはでると思うんすよ。1/4だったら横の木とかまで見える
LB:じゃあ完全、街灯だけでもどうなるかわかる、、ちなみにカメラ歴は何年?
荒木:だいたいわかるっすね。なんとかなく。カメラ歴はどっからっていうのもあるっすけど
LB:プロになってから
荒木:26歳ぐらいからちょっとずつ、webでの写真展とか誘われたり、26歳くらいからっすかね。ちょっとお金が発生するようになりだした
LB:お金になってる時期となってない時期と、意識かわりますか
荒木:基本は変わってないですね。撮るものは変わってないですけど、色んな仕組みとかどんどんわかってきてます。特に暗室とかやりだしてから前の撮り方とはかわったっすね。ちゃんといいネガを作ることを出来るだけ心がけてる。
LB:自分もアシスタント時期にカメラマンの手伝いもやってる時期があって、某出版社でライトボックスやって、ネガを選んだやつをひたすら切るってやってたんですけど、四角いマットの中に入れるっていうのをひたすらひたすらやって、切ってる作業は結構楽しいですね
荒木:M3の初期のやつってネガに移る写真のサイズが大きいんですよ。フィルムとフィルムの間めっちゃ細い。それを切る時が難しいんです、たまに写真までカットしちゃう。笑
LB:今はオリジナルプリントをちゃんと販売するようになってるんですけど、海外でも70年代ぐらいまで売ってなかったんですよ。っていうのはオリジナルプリント自体が原稿だったから、それを売るっていう発想がなかったらしくて
荒木:そうだったんですね
LB:普段使ってるフィルムメーカーとかは?
荒木:フィルムは本当に安いのずっと使ってましたね。フジの。ニコンの時はコダック使ってたっすけど、ライカに変えてからなんとなくフジにして、一番安いやつ、そのフィルムも無くなったんですけど
LB:結構本数撮ります??
荒木:撮るときは結構撮るっすね。海外とかいったら特に
LB:日本ではあんまり撮ってないですか?
荒木:日本、最近あんまり撮ってないですね。近所では。違う場所に行ったら撮ります。
LB:地方とかもいきますか?
荒木:地方もちょいちょい行くっすね
LB:前喋ってて気になってたんですが、何かでハロルドの写真、使われたって
荒木:ニューヨークいったときにハロルドハンターの写真展示やってて、寄付の。そこにタイミングよく。一枚はおばさんとホームパーティで踊ってる写真と、もう一個は友達のスケーターの家での写真。なんかめっちゃいい顔してるやつ。
LB:ハロルド、キャラめっちゃ強いですよね、ぎょろっと。頭にキャラクター的に残りやすい。その時のやつ、それ以外にはだしてないんですか?もう無いんですか?見てみたいです
荒木:どっかのタイミングで出したいですね
LB:なんかのテーマに沿ってやってもいいかもですね
展覧会いっぱいやる派とためてやる派と色々いるじゃないですか。テーマに沿ってまとめてやるとか。
一時期、アラーキーさんにめっちゃはまってて、毎月下北でポラロイドの展示が、テーマに沿って、毎月やってて行ってたんですけどおもしろくて
ポラロイドは好きじゃないんですか?
荒木:ポラロイド好きです。SX-70買って、使ってますけど、フィルムが高すぎてそんな撮ってないですね。
LB:自分もSX-70持ってたんですけど、自分はその時古着屋のバイイングやっててめちゃ稼いでで、結構ポラロイドに使って、あぶく銭みたいな感じでフィルム代で無くなるんですよね。平気で500枚くらいなくなっちゃって(笑)
荒木:ポラロイド社とかと、なんかの企画したいですね。
LB:ポラロイドの映りに興味ないですか?
荒木:ポラの写り好きですね。アナログ感が最高です。
LB:こないだ、オーストラリア人と喋ってて、撮影でよくやるペラって開いてみるポラあるじゃないですか。最初にどう映るかみるポラあるじゃないですか。あれが好きだって。やっぱ今ってほとんどデジでPCで、この辺にPCがあって、全部ここで出版社の人とかみてるじゃないですか。あれがなんかどうも好きじゃないんですよね。パシャっパシャッって、ここにこう、、あれがなんか。個人的に。
荒木:分かる!
LB:荒木さん、本は興味ないですか??作るの。
荒木:作りたいと思ってるっすね。いつかは。
LB:カメラマンだと、本があって、写真を撮ってるのもあったりとか、本じゃなくても、一枚の写真が撮りたいからやってるとか、結構でもだいたい本が多いですよね。
荒木:本がやりたいから撮ってるっていうのはあんまなかったすけど、本にしてみたいなっていうのは思ってるっすね
LB:本で、なんかこう、ぺらぺらぺら~ってみていくかんじ好きですか??
荒木:本のめくっていくかんじ好きですね
LB:紙質?
荒木:そういう紙とかあんまり詳しくないですけど、いつか出したいですね
LB:あんまり写真集とか買ったりとか?
荒木:あんまり買ってないですけど、たま~に良いのに出会ったら買う
LB:なるほど
よく思うのですが海外だとなんかのオリジナリティがないと残らないから、日本みたいにこの仕事でなんとかなるみたいなのが、正直、あれが業界的によくないんじゃないかなって。ちょっと政治的っていうか、面白くないっていうか、もうちょっと写真が面白くなってほしいかなっていうのもあるし、やっぱ写真家がある、位置付けるためには周りもいなきゃいけないから、ファンとか、最初たぶん荒木さんの写真をみたのは、HIDDENだと思うんですけど
荒木:HIDDENはたまにポートレートとかたまに頼まれたり、企画で自分の焼きの写真も出したことあります。
LB:たぶんHIDDENかなぁ、と。結構HIDDEN多いのは、あっちのストリート界隈の人を、ファッション界隈の人は一切見ないんですよね。
枠があるっていうか、どっちかっていうとこっちのがいいのに、全然目立ってなくて、HIDDENとかのパーティ行くと、みんな楽しそうな、みんな好きで楽しんでる感じがある。でもファッション界隈だと、お金がまわってるから、楽しんではないですね、大人の社交みたいな、微妙な、だったらこっちの楽しいほうがいいんじゃないかって、個人的に思うし、以外と、ファッションの人よりもっと濃い、だから写真も面白いし、こっちで考えてないこと、すごい考えてるっていうか、そこはやっぱ面白いかなって。
さっき、ちゃんと、楽しむこともちゃんと考えてるっていうか、たとえばスケートしにいって、なんか、あるじゃないですか、こういう風に板にしたりとか、Tシャツにしたりとか
荒木:最近は誰でもサクッと簡単に作っちゃいますからね。(笑)
LB:でもあれがアメリカカルチャーですよね。でもいまとなってはスケーター、どこの国も多いから、なんとも言えない感じですけど。スケーターでは誰かなりたい人います?
荒木:好きなスケーターいっぱいいます。
LB:昔は?ボーンズとか?
荒木:ボーンズとかよりは、初めに見てたのはニューディールとかプランビー
LB:いいところいきましたね。自分もそんなにボーンズ興味なかったんだけど、骸骨、あれがすごい好きで、友達がキャバレロの恐竜の飛んでるやつあると思うんですけど、それを買ってて、それがたまによく見て、チームと人でキャラクターがあるんですけど、それが面白い。スケータービデオ、昔はほとんど持ってました。プランビーとニューディールなんだ
荒木:一番はじめは。その後すぐにEast Caostのスケートにハマりました。
LB:やっぱ西海岸じゃなくてニューヨークですか?
荒木:そうですね。西のスケーターも好きなんですけど、当時はニューヨークのほうがめっちゃおしゃれでかっこよかったっすね。
スキルでいったら、完全に西のほうがやばいですけど。ニューヨークはもっとオリジナルスタイルなスケータが多かったです。誰のまねもしてないオリジナル。西とかだったら公園とかだけど、NYはパークもほぼなければ、街中しかない。街中をつかってクリエイティブに滑る。完全にシティスケート。LAのほうはもうちょっと海よりのイメージ、
LB:確かにスタイリッシュさがありますね。ニューヨークのスタイリッシュさとLAの自由奔放な感じと、個人的には、どっちかっていうとLAな感じなんですけど、
もともと、高校の時にスケボーやってた時に、スケートショップ通ってて、メインはサーファーショップなんですけど、全然金なかったのでとりあえずトラックとウィールだけ買って、ボードは練習がてらオーリーして折れそうなやつもらって、それで滑ってたんですけど。
結構でもその時遊んでた人、大人がいっぱいいて、その時からあんまり変わってないっちゃ変わってない。そういう人は西ばっかりいってて、完全に西に(笑)やられてる
荒木:当時の神戸は全員東にやられてたんす。その時、みんなニューヨーク好きで。
高校でて、そっこうニューヨークいって。スケートしました。当時のニューヨーク、かっこよかったっすね
LB:やっぱニューヨークは時代によっている人違うし、たぶん楽しさが強いと思うんで、結構なんか、音楽が好きだから70年代の音楽のニューヨークと80年代の音楽のニューヨークと、90年代の音楽のニューヨークといる人が違うんですよ。それが面白い。お金持ってる人と持ってない人の差が激しいじゃないですか。でもその中で一緒になって遊んでる時期と、完全に分かれて遊んでる時期と色々あって、それが面白いなって。神戸、ニューヨークってことですね。それってなんか、きっかけってあるんすか?
荒木:当時はみんなニューヨークのスケートに全員がやられてたっすね。
LB:その時流行ってたのってスケートだけですか?
荒木:他の友達はダンスもやってたし、DJとか、BMXとかやってるやつも
LB:ダンサーでもなくDJでもなくスケーター?でも90年代そうですもんね。音楽も好きですか?
荒木:好きっすね。そんな詳しくないですけどずっと好きっすね。小学校くらいからジャズとかオールディーズとか好きでしたね。雰囲気がめっちゃ好きで
LB:小学校?それはお父さんとか?
荒木:お父さんとかあるかもしれないですけど、なんか好きだったんすね。聞いたらなんか好きな感じってずっと思ってて、でもスケボー始めて
LB:自分とか完全に流行りで、光ゲンジとか、友達んちに行くと親父がピンクフロイドとか、ピストルズの名前しった時セックスピストルズってなんだろうって(笑)、はてなマークの感じしかないっすね(笑)
荒木:なんか好きだったっすね、オールディーズとか、そういう雰囲気が写真にもずっとなんかある時あるような気がするんすよね。古いアメリカの感じが好きっすね
LB:ジャズってブルースから始まって派生していくじゃないですか。たぶんベースがあるんすかね
荒木:何か自分でも気づいてないですけど、ジャズとか未だにめちゃ好きっすね
LB:ベースがあるんでしょうね
荒木:スケボー始めて、メロコア入って、メロコアからすぐヒップホップいってよくある流れですよね、ブレイクビーツとか、
LB:でもベースはジャズ
荒木:そうですね、好きですね
LB:でもヒップホップもジャズベースですしね
荒木:ロックの昔のとかも結構好きですね。トムウエイツとかも好きですし、大概好きなのはメロウな曲ばっかですね。しんみり系、そっち系の、
LB:じゃあもう落ち着いてるんでしょうね。ちょっとシティ感が全体的にある感じがする。なんとなく紐付いていくっていうか、話の流れからいくと、全体的にシティ感があるかなって思っちゃう。写真含めて。自分とかはほんとド地方だったんで何もない。シティも何もないっていうか、海しかないみたいな。選択なしで(笑)高校ぐらいからですね、仙台いって、そっからクラブいきはじめたら、仙台のクラブ飽きてきて、それから東京行かないと、ってきたんすけど
荒木:何歳の時ですか
LB:18ですかね。高2のときにビースティのライブをみたくらいからだいぶ変わったっすね。あの当時のビースティはやばかった。みんなダイブしてるし、今ダイブとか見ないじゃないですか。ばんばん財布落ちるし、いろんなものがポケットからポロポロポロポロ、上から落ちてくる(笑)あの当時別にそんなの気にしてなかったっすからね。
これからやっていきたいことって写真を売りたい?
荒木:もちろんそれだけでいけたら一番いいっすけど、難しいから、ちゃんと自分の写真は続けながら、いい仕事したいっすね、本当に。本もいつか作りたいです。
LB:やっぱ一番好きなのは写真撮ってるのが一番好きですか?
荒木:好きっすね。暗室やっぱ気重い時は重いっす。一ヶ月、二ヶ月とか空いたら「うわ~、明日暗室か~」ってこう、、片付けと準備がめっちゃ長い、一時間づつぐらいかかるからその体力を残しつつやめないと本当しんどいっす。
やりだしていいプリントが焼けたら最高なんですけどね。1枚2時間とかかかる時もあります、この前二日入って十何時間くらい入って12枚ぐらい。本当に好きじゃないと出来ないなと思ってます。
LB:カラーとモノクロどっちが好きですか?
荒木:モノクロうまくなりたいとは思うっすけど、今の自分にはむずいっすね。やっぱり今はカラーが好きです。カラーの方が納得できるプリントが出来ます。
LB:色がいいとか?
荒木:物として良いですね。本物の写真なんで。カラーの具合は自分の持ってるイメージに近づける感じです。
LB:それって現実の色味と写真のフィルター通して、色味かわるのとどれがいいですか?
荒木:自分的にはその時の感じを思い出してる色味を出してます。そんな感じだったなぁっとか。そんなかで若干好きな感じには寄せる。それでもスキル不足なのか諦めるプリントもあります。
LB:じゃあラボにも
荒木:暗室を作るまで出してました。100%自分の思い通りにはならないのですが。
LB:個人的にはデジのほうが楽なんじゃないかって思うんですけど、やっぱフィルムの良さがあってフィルムでやってる部分もあるし、それで焼きもやったりとかもして
荒木:単純にフィルムが好きです。焼きまでやったら完結ってイメージだからですよね。撮って半分、焼き半分みたいな。ネガで撮っててラボに出してる人は本当に満足してんのかなって思います。
LB:それはやっぱ暗室の魔術
荒木:やっぱラボにもよると思いますが、フィルムで撮ってて、ラボで出したと思われる写真の展示を見ても、細かくみたら正直全然プリントがよくないんですよね。勿体無いと思います。
LB:結構なんかいろんなタイプの人がいるんですよね。暗室までこだわって、撮ったところで満足してる人と。
話変わりますが、例えば街を歩いてて、素通りしてるとこと、なんか面白いなと思って撮るとこと、なんか面白いなと思って。ポイントが。
コラージュも。これって何年前ですか?
荒木:2年くらい前ですね。テストプリントだけはめちゃ溜めてたんすね。捨てる部分だけどなんか好きで。何ができるなぁと思いながら、そのアイデアが浮かばなくて、そういう時に香港のスケートブランドからゲストボードのオファーがきて、そいつにテストプリント見せたら、これいいやんってなって、その場で、決めて出来た感じです。
LB:結構このコラージュシリーズ面白いですね
荒木:並べてるだけっすけどね。コラージュってほどまでいってないっちゃいってないかもしれない。これがテストプリントっていうのがいいかなと思ってんすけどね。狙って作ってないっていうか。狙ってつくれないところを載せてるところを使うってところがいいかなって。本当は捨てる部分後ゴミですからね
LB:コラージュしてないつもりで、してるのって意外とちゃんとコラージュしてるんすよね
荒木:ほんとにカラーバランスとかだけみてる感じなんですけど。感覚です。
LB:女の子も撮るんですか?
荒木:女の子もちょいちょい撮るっすね。タイミングがあえば。
LB :これがまた、ポートレートとヌードとかまでいくと全然撮り方が変わるっすよね。男の中でも視線が変わると全く違う。遠目でしかみてない人と、ほんとに近づいてやってるとこまで行く人と色々いて、写り方も全然違うし、距離感も、質感も、考えてる人もいるし、色々いて、それが面白いんすけどね。
LB :荒木 :ヤバいこんな時間!?ありがとうございました!!
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