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アガルート重要問題習得講座の使い方

 今日は超よくある質問と誤解についてです。それはアガルートの重要問題習得講座の使い方、についてです。4月になり入門講義は終わったけどどうしたらいいのだろう?とか今後論文をどう勉強したらいいだろう?という方は是非読んでほしいです!

1 答え

早速答えですが…

AGの公式の使い方を見ましょう!

以下がリンクです


っと、それだけで終わってしまうのもどうかともいますのでもう少し詳細に

2 そもそも重要問題習得講座とはどんな講義?


 まず、講義にはそれを作成した側が、これが予備試験・司法試験合格に最短であるという意図を込めて作っています。作る側もプロですし、定評があるから変わっていない物でもあります。ですので、自己流に使ったり、なんとなく、テキストを流す前に、まずどのような使い方をするのか?を意識することが大事です。

 これは書籍のはしがきを読むことも同じです。どのような意図で誰に対して向けて作られているのか?を明確にして「書き手」は作成します。「読み手」もその意識を理解しようとしないと、効率的ではありません。

 予備試験の答案も同様です。こちらの場合は自分が「書き手」になります。どのような表現をすれば「読み手」たる採点官が点数をつけてくれる(受からせてくれるか?)を意識しないといけません。

 話がそれたので戻しますが、重要問題習得講座やそれに類する問題集は基本的な問題に対して基本的な回答を返す練習のための教材です。それにより、解答例のイメージ、答案の流れのイメージを作ること、答案のお作法(ナンバリングや条文引用の仕方)を学ぶものです。

 一部、旧試験の問題やローの問題等もありますが、基本的にそれらを含めて論点がわかりやすい、論点抽出の過程がない(逆に気づけないということは論点が理解できていない)問題です。ですので、基本的な論点に対する解答の仕方を学習する教材でしかありません。

 だからといって軽視してよいものではなく、この基本的な論点を丁寧にあてはめまでできるようになっておけば司法試験でも半分程度の設問には回答可能です(例:司法試験令和4年民法設問1等)。予備試験ならほとんど論点的に網羅できるはずです(もちろん例外はありますが…)

3 実際にどう使う?

 そのため、重要問題習得講座は個人的には
①問題を見て論点が浮かぶか?前提となる条文の適用関係が浮かぶか?
②浮かんだ論点に対して正確な論証がいえるか?
③該当の問題に対しての「あてはめ」をして問題の処理ができるか?
④下敷きとなる判例がある場合にはその判例を想起して事案や判旨を説明できるか?
 を確認するために行うべきと思います。ありていに言えば、答案構成レベルで済ませ、すぐに解答と講義を聞くべきでしょう。

4 よくある質問

⑴ 答案例が使えません

 まず予備校の答案例はそのまま丸暗記するものではないので、使えなくても大して問題ないはずです。むしろ、自分ならこう書いた方が伝わるのでは?と考えながら読むべきでしょう。
 上述の通り、解答のイメージをつかむものです。

⑵ 重要問題習得講座だけ使えば受かるの?

 論点的には7割程度はカバーしているといっているので知識的にはそのくらいのカバーでしょう。しかし、予備試験・司法試験は本番独特の試験委員にしか(学者にしか?)出せないクセがあります。ローの問題もロー独自の色が出ます。
 ですので、やはり過去問を書くべきでしょう。このような論文講義は入門講義の次のステップ、過去問を解けるようになる前の一つ前のステップ、つまり二段階目です。
※この説明は自分がLECで工藤講師の論文講座を受けていた時の説明ですし、上述の動画内でも類似のことを述べています。

⑶ 答案例の日本語がおかしいのだけど

 たしかにつぎはぎ感はあるのでしょう。直近のものはわかりませんが、自分が利用していた時もそう思いました。しかし、⑴で述べたように自分で修正していけばいいのです。

⑷ 講義を聞く必要ありますか?

 講義とセットで講座になっているはずです。すでに理解できているとかでなければ聞いた方がよいでしょう。
 ベテランの方(複数回受験)の中に多い印象ですが、問題集として読むだけという方もいますが、個人的にはせっかく音声動画の講義あるのだから、解くのに合わせて聞けばいいと思います。

⑸ 公法系って本番と全然違いますが、やる必要ありますか?

 これはもっともと思います。たしかに、司法試験や予備試験の問題と重要問題習得講座では乖離がほかの科目に比較して大きいでしょう。また、公法系特に行政法は良質な問題集(事例研究行政法等)が多いため、重要問題習得講座を使う必然性もないように思います。
 ここは各自の状況や得意不得意によって変わってくるのか?とも思います。とはいえ、せっかくセットで買ったのであれば一度は読み講義を聞いてみるべきでしょう。
 憲法は判例を答案化するイメージがつかめます。行政法も短めの法令引用での仕組み解釈の学習や、論点を書くイメージはつかめます。最近の司法試験や予備試験は三大論点(処分性・原告適格・裁量)以外の部分の出題もあり、論証例を理解しどうつかうか?の理解は必要です。

⑹ 事案がすくなくあてはめの勉強になりません

 上述の通り基本問題ですので、あてはめの機微を求めるようなものは本問題集には本来的にないはずです。設計思想的には射程外のことを求めているのではないかと思います。あてはめをするには、司法試験や予備試験の過去問で学習した方がよいでしょう。

⑺ 論証等の法律論が長く使えないと思いますが

 これは、論証集でも同じですが、工藤先生の思想として「長いものは後で短くできる」というスタンスがあるからだと思います。長い文章で理解し把握していればショートカットできますし、要点がわかっていれば省略するべき箇所(どの理由や規範が重要か否か)は短時間で判断できるはずです。一方その逆は難しいです。そのため、法律論が長くなっているのだと思います。
 ですので、長いと思うならば自分ならどこを短くするか?を意識して答案を読むべきでしょう。

⑻ 重問に掲載のない論点についてはどうしたらいいの?

 あくまで、基本的な論点に対する問題集です。基本論点の網羅性は高いですが、たしかにすべてが問題―答案になっているものではありません。それは過去問を解きながら自分でストックをためていけばいいのです。
 あくまでも重要問題習得講座は基本の幹の部分の理解のツールですので、全てを求めるものではないと思います。設計思想からしても3ステップでの合格を目標にした教材だと思います。
 なお、合格体験記等で結局「重要問題習得講座で足りた」というのは結果論です。そこに至るまでに過去問を解いて復習して、場合によってはほかの演習書を使ったりして色々試行錯誤した方の方が大半と思います(少なくとも自分が見てきた子でAGを使っている人はそうでした。刑訴だと古江使ったり、行政の事例研究や技法等々)。

⑼ ほかの予備校のものから乗り換えた方がよい?

 これはどのような教材を使っているのか?によります。おそらくパッケージで講義を取ってれば論文講義はあるはずで、類似のコンセプトにはなっているはずです。その予備校の設計思想に基づく講義の使い方をしましょう。
 それでも、、、と思う方はまず、上記の動画のような無料講義を聞いてみることをお勧めします。

5 最後に

 最後に、なぜアガルートの講義の話をこんなにしたのかという理由を説明しようと思います。

まず、私はAGの所属ではありません笑

 ですが、自身が受験生のころ、LEC時代の工藤北斗先生の講義を受講していました。また、2015年1月のアガルートの開講時に乗り換えキャンペーンで総合講義100と重要問題習得講座、論証集のセットは購入して、同年の予備試験の受験時には使用していました。その時は従前のLECの教材も併用しておりました。
 そのころから時代は変わりましたが、基本となる部分は変わっていないようです。自分の教えている方でもAGの受講生が圧倒的に多いので話はよく聞きますし、相談も受けます。
 市販の論証集や問題集の使用も推奨しています。
 ですので、こんなにも話せることがあるのです。

 ちなみにの話題は、石橋先生、冨川先生とのフリスタでの話題でしたので結構整理してました(なので1月ごろの原文を作成…)。それが時間切れで話せず、お蔵入りになったので公開しました!

 

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