お風呂が好きだ。

新型コロナウィルスの影響で使用中止になっていた、寮の共同浴場が今日から再開した。ずっと待ち望んでいたお風呂。今日までシャワーだけで済ませていた私は、待ちきれずにお風呂が開く時間の2分前に部屋を出た。

もちろん、一番風呂だった。うきうきしながら広い広い脱衣所で服を脱ぎ、そわそわしながら浴室の大きくて重い扉を開く。想像以上に大きくて綺麗な浴場が待っていた。


私はお風呂が好きである。ご飯を食べることの次に好きだ。ドイツに短期留学していた時に一番つらかったことは、入浴できなかったことかもしれない。

母はあまり共同浴場が好きではなかったが、温泉や銭湯が大好きな父に連れられて幼いころからいろんなお風呂に行った。父に手を引かれ、男湯へ入る。今ではなんとも恥ずかしいが、幼かった私にとっては、父がいればどこにいようと安心できる場所だった。

大きくなってからは父と一緒に温泉に行くことがなくなった。代わりに、弟と父はよく一緒に温泉に遊びに行っていた。本当は私も行きたかったが、一人で女湯に入るのもなんだか物寂しくて、家族と温泉に行くことはめっきりなくなってしまったのだった。

お風呂の何が好きなんだろうか。全身が最高にあたたかくてとろとろした布団に包まれているような感覚になれること。お風呂上りののぼせた体に浴びる涼しい風の気持ちよさ。とにかくお風呂が好きだ。

寮のお風呂は本当に気持ちよかったから、多分毎日通うことになるだろう。ちょっと階を降りるだけで大きな浴場にありつけるなんて、素晴らしすぎる環境だ。


さて、そろそろ隣の部屋の友人が実家から帰省する時間だ。また明後日から冬学期が始まる。友人と一緒に、再び始まる課題地獄を乗り越えなければ。お風呂があれば、頑張れるような気がする。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?