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コケ植物として、生きる
僕の文章を読んでいる方は、薄々気づいているかもしれないが、僕は陰キャラだ。
陰キャラをもうちょっと別の言い方をして、コケ植物みたいな奴だと思って欲しい。
日の当たらないところで、静かに生きている。じめじめっとしたところで。
大きな出来事が起こるわけでもなく、毎日平穏な暮らしを送っている。
クラブとかパーティーとかに行くと、一瞬で枯れ果ててしまうだろう。あそこは、日光が強すぎる。
大学のサークルの新入生歓迎会は、特にしんどかった。
はじめましての人たちばかりの中で、会話するなんて自分には地獄だった。
大勢の人たちの視線が、話している自分に一気に集まった時に、「いや、無理無理無理ー」となった。
「こんな経験は、一日だけでもういいや。」
そして、自分は結局サークルに入らなかった。いや、入れなかったの方が正しい。
大学に入るまでは、田舎の地元でゆるゆる暮らしていた。小学校から高校まで、顔見知りが多かったので、人付き合いでそこまで苦労することはなかった。ここが、田舎の良いところ。
だから、自分が陰キャラとか陽キャラとか、意識することもなかった。
だけど、大学に入ってから、自分が陰キャラなんだと思い知らされた。初対面の人ばかりと面と向かって話すのが、苦手すぎることが判明した。
こうして、僕はキラキラしたキャンパスライフを送ることを、諦めた。
幸いだったのが、自分が理系の学部にいたということ。自分は、物理学科にいた。
物理学科は、研究室に配属されるまで、同じ授業を受けることが多い。
だから、同じ授業を受けているうちに、席が近い人と自然に仲が良くなっていった。
どんだけ人見知りでも、ほぼ毎日顔を合わせていれば、親密度は高まる。今の親友も、そうやって仲良くなっていった。
また物理学科は陰キャラが多かったので、価値観もよく合った。類は友を呼ぶなのだ。
ただネックだったのは、物理学科は女子が1割ぐらいしかいないということ。サークルに入っていない自分は、男子校にいるような生活だった。
高校まで共学だったので、一度男子校のノリを経験できたのは、それはそれでよかったのかもしれない。
ただ怖いのは、大学時代の恋愛経験が無さすぎて、社会に出た時に、恋愛で失敗するのではないかということ。
あぁ、将来結婚できるか不安だ。
そんな生活をもう5年近く送っている。本当に月日が流れるのは、早い。
キラキラした学生生活ではないけど、親友もいて、それなりに楽しく研究生活を送れているのは、感謝すべきことだ。
静かな生活のおかげで、じっくりと内省することができる。だから、文章を書くのも、続いているのかもしれない。
そして、自分は平穏な日々を過ごすことの方が、向いているのだと思う。刺激的な日々は、疲れて、ぐったりしてしまう。
コケ植物のように生きるのが、性に合ってるのだ。
コケの中でも、清楚でみずみずしいコケを目指したい。
ただ、結婚できるかだけは、ほんとに不安。
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