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感受性と比例係数

素晴らしい作品(小説や音楽、詩、絵画、映画など)に出会った時に、これを作った人の感性はとんでもなく豊かなんだろうなと想像する。

普通なら見過ごすようなこともキャッチし、それらを創作物として作り上げ多くの人の心に届けるには、感受性が高くないとできないと思う。

またそれゆえ、いろんなことに気づき過ぎて、生きるのも大変なのではないかと思う。

特に、情報が昔より溢れるように現代では。



ここで、外部からの刺激に対する反応のモデルを考えようと思う。

「急に何を言い出したんだ、こいつキショい」と思われそうだが、構わず話を進める。


どんなモデルかというと、

外部からの刺激の量を$${x}$$、係数を$${a}$$とすると、脳に入力される刺激の量$${y}$$は

$$
y = a x
$$

という一次関数のモデルを考える。


外からの刺激の量が同じでも、比例係数$${a}$$によって脳に入力される刺激の量が変わる。

つまりこの比例係数$${a}$$は、感受性の大きさを表すもの。脳に入れる情報の量を調整するフィルターだとも、捉えられる。

グラフにすると、一次関数は中学生で習うので分かると思いますが、

こんな感じ。

$${a=2}$$のグラフ。


正の$${x}$$は、外からのポジティブな刺激。

つまり自分にとって、嬉しい刺激。

美味しいものを食べる、好きな音楽を聴く、心地いい香り、周りにいる人の機嫌がいい、美しい風景を見るといった、いわば五感からのポジティブな刺激。


反対に、負の$${x}$$は、外からのネガティブな刺激を表す。

騒音、苦手なにおい、周りにいる人がイライラしている、暴力的な映画やドラマのシーンといった、その人にとってネガティブな刺激。



いわば比例係数$${a}$$は、これらポジティブとネガティブの両方の刺激を増幅させるもの

人によって$${a}$$の大きさは変わるので、同じ状況にいても刺激を受け取る量は当然、人によって違う。



$${a}$$が小さい場合、それはいい意味で鈍感。

外からの刺激をフィルターにかけて、入ってくる情報量をいい塩梅で減らしている。

だから刺激に圧倒されるということも少なく、基本的に平然としている。

環境に影響されるというよりかは、自分のペースを保ちやすいタイプ。



$${a}$$が大きい場合は、それとは逆で繊細。

外からの刺激を入れ過ぎて、脳が情報過多になりやすい。

だから刺激が多い場所に長いこといると、そのあと疲れてぐったりしている場合が多い。

ポジティブな出来事をより深く味わえるが、その反面ネガティブな出来事にも飲みこまれやすい特徴を持っている。



$${a}$$の大きさを変え、比較したのが下の図。

$${a}$$が大きくなるほど、入ってくる情報量が多い。

「$${a}$$の値はこれぐらいの方がいい」というのはなくて、それはただその人の気質だと思う。

長所と短所が、それぞれあると思う。



今回書きたかったのは、クリエイター気質の人は比例係数$${a}$$が高めの人が多いだろうなということ

たくさんの刺激を入れ、それらを結びつけて新しいものを創造しているのではないかと感じた。

ポジティブな刺激は明るめの作品を作るのに役立ち、ネガティブな刺激は暗い作品を作るのに活きているのではないかと思う。



有名な文豪や画家、音楽家などのエピソードを調べてみると、やはり繊細な人が多かったのだろうと感じる。

まあ僕は天然だと周りからよく言われ、ぜんっぜん感受性は高くないのですが。

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