やる気の運動方程式
みなさんにも、こんなことはないでしょうか。
やる気起きねぇ。
家事、勉強、仕事(僕の場合だと研究になるのかな?)など何でもいいが、やらなくてはいけないけど、やる気が全然出てこない時があると思う。
手軽にサクッと終わらせられるタスクなら、まだやる気が湧いてくるけど、「これは重そうだぞ」と予想されるものは、なかなか腰が上がらない。
わかった。これは運動方程式と同じだ。
運動方程式は、物理学の代表的な法則。
みんな大嫌いな数式にすると、こう。
$${m}$$は物体の質量、$${F}$$は物体に加えられる力、$${a}$$はその時の物体の加速度を意味しています。
日本語で書くと、
質量 × 加速度 = 力
になります。
質量と力はなんとなくイメージが掴めるかと思いますが、加速度はあまり馴染みがないかもしれません。
加速度とは大雑把に言えば、速度がどのくらい変化していくかを表すものです。
車の運転で例えると、
アクセルをベタ踏みすれば、一気に速度が上昇していきます。(速度制限に注意してくださいね)
これは加速度が大きい状態。
逆に、アクセルを優しく踏めば、緩やかに速度が上がっていきます。
これは加速度が小さい状態。
加速度の粗雑な説明が終わったので、もう少し運動方程式の内容に踏み込んでいきましょう。
森羅万象の運動を、記述する法則です。カッコつけた。
加える力が大きいほど、加速度も大きくなる
あの運動方程式は、何を意味しているのでしょうか?
まずわかることは、物体に力を加えると、物体は加速していくということ。
$$
m a = F
$$
の式から分かるように、加速度$${a}$$は力$${F}$$に比例します。
つまり、加える力を大きくすればするほど、物体の加速度も大きくなります。
筋骨隆々の助っ人外国人が、弾丸ライナーでスタンドにホームランを放り込んだのを見た時に、「これはとんでもない加速度になってるよな」と思いました。
サッカーの弾丸シュートなんかもそうですね。
そして、運動方程式の性質としてもう一つあります。
質量が大きいほど、加速度は小さくなる
$$
m a = F
$$
を式変形して、
$$
a = \frac{F}{m}
$$
とすると分かりやすいと思いますが、
加速度$${a}$$は質量$${m}$$に反比例します。
つまり、重たいものは動かしづらいということです。
動かしづらいことを、加速度が小さいと表現していると思ってください。
これも野球の例えになってしまって申し訳ないのですが、僕が野球部にいた時に足腰を鍛える練習として、タイヤ押しをやらされました。
一人一個ずつタイヤを持ってきて、グラウンド整備も兼ねてタイヤを上の写真のように押していきます。
タイヤの大きさや重さにはばらつきがあり、みんなできるだけ軽いタイヤを選ぼうとしていました。
だってゴツいタイヤは、全然進んでいかないもん(つまり加速度は小さい)。
加速度を大きくしようと思ったら、その分加える力を大きくしないといけませんからね。
ノロマな自分はこの早い者勝ちのタイヤ争奪戦に敗れることが多く、泣く泣く重たいタイヤを押していました。
夏のクソ暑い中、よくあの苦行に耐えられたものだ。今となっては、良い思い出だけど。
やる気が出ないのは
さて、運動方程式の簡単な説明も終わりました。
長い前置きでしたが、本題に入ろうと思います。
やる気起きねぇ。
と思う時、そのやらなくてはいけないことが、重たく見えるからなのでは?と思いました。
「これを今からやるのは、さぞかし骨が折れるぞ」という、あの途方にくれる感覚。
重たいものを動かそうとしたら大きな力が必要になるのと同じように、重いタスクを目の前にしたら「かなりの労力がいるな…」と感じて、やる気が出てきません。
前に進んでいる感覚がモチベーションを高めてくれるそうなのですが、あまりに困難すぎる仕事だとなかなか進捗が出ないから、やる気の加速度も小さい。
どうしたらいいものか。
やるべきことを小分けにするとかが解決策として考えられそうだけど、それもまたエネルギーのいるめんどくさい作業だしな。
うん。むずかしい。
無理に力$${F}$$を加えようとせずに、やる気がチャージされるまで休息するのも大事なのかも。
そして、運動方程式について、少しでも読者の理解が深まったのなら本望です。
おまけ
今回の記事のテーマになった「運動方程式」ですが、これはニュートンが発見したものです。
ニュートンは、
慣性の法則(第1法則)
運動の法則(第2法則)
作用・反作用の法則(第3法則)
の3法則を発見しました。
前に「作用・反作用の法則」の記事も書きましたので、残すところは「慣性の法則」のみですね。またいつか書こう。
この3つを1人で発見したニュートンは、やっぱ大天才っす。
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