いろんな場を発している私たち
物理学で「場の理論」というものがある。
僕も研究でこの「場の理論」を使うので、去年ヒーヒー言いながら勉強していたのを思い出す。(僕の研究だと、「場の量子論」といって、量子力学がガッツリ入った場の理論を使っております。)
結局のところ内容がよく分からず、計算するための道具として使えるようになった程度。
「どうやらこれでうまくいくらしい」という、場の理論を作り上げた過去の天才物理学者たちに全幅の信頼を置いて、研究を進めている。
「この世界に存在している粒子たちはいろんな場を出していて、その場をつくる粒子たちが相互作用する様子を調べようぜ!」
というのが場の理論。僕のイメージなので、間違っていたらごめんなさい。たぶん違う。
まあ、そのことには目をつむり、具体例をあげることにする。
例えば、重力がそう。重力が作用する空間は、重力場とよばれる。
イラストにすると、こんな感じ。
谷川俊太郎さんの『二十億光年の孤独』という詩が好きなのですが、そこでも万有引力の話が出てきます。
一節を紹介すると、
重力場で詩を書くとは。さすが谷川俊太郎さん。
他にも場の例として、電場や磁場(この2つを合わせて、よく電磁場と呼ばれる)などがある。
要するに私たちの世界では、目には見えないけどいろんな場が空間に広がっているわけなのです。
そして、もっと広義に「場」というものを捉えると、私たちはそれぞれいろんな場を持っていると思う。
いるだけで雰囲気を和ます「癒し場」
人を惹きつけてやまない「カリスマ場」
周りの人たちを笑顔にさせる「ユーモア場」
落ち着ける空気を醸し出してくれる「リラックス場」
知識豊富で知的好奇心を満たしてくれる「クレ場ー」
最後ふざけました。すみません。
目に見えないスキルなので数字で判断できないけど、お互いにそれぞれの長所を活かした場を出しあって、相互作用し合っているのだと思う。
しかも自分が発している良い場は、案外自分では気づかない。当人は、それが当たり前だと思っているから。
自分では意識せずに出している場が、どこかで誰かの役に立っているのだ。
自分がどんな場を持っているのか分からないけど、とりあえずネガティブ場は発しないように気をつけよう。
ネットで「場の理論」と検索をかけてみると、社会心理学者のレヴィンという方(この学問の界隈で著名な人だったらしい)が、人間の行動を「場の理論」としてまとめたそうです。
彼は、「人の行動には、個人の特性と周囲の環境が相互に関連している」と考え、それを「場の理論」として提唱しました。
いろんな分野で、物理は顔を出してきますね。
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