函館市 戸井地区の現状と課題 ②
１. 飲食店がない地区
前回は戸井地区の観光名所について述べさせていただいた。今回はもう一つの課題について述べさせていただきたい。
それは、
戸井地区には飲食店が存在しない
ということである。
カフェや定食屋など食事ができる場所が全くないのである。他の東部地区は飲食店が存在するが、戸井地区には本当に何もないのである。
かつては函館市立潮光中学校（現 函館市立戸井学園）の前と戸井漁港前に飲食店が存在していたが、現在どちらも閉店している。また、数年前までは戸井ウォーターパークにあったバーベキューハウスにて焼肉や戸井地区特産の名物であるミズダコのしゃぶしゃぶが楽しめたのだが、現在は休止中である。
そのため、何もない戸井地区は他の東部地区へ行くための通過地点でしかないのが現状だ。唯一、旧戸井線アーチ橋の場所で足を止める観光客が中にはいる程度である。
飲食店の存在しない戸井地区であるが、活かせるものがないわけでもない。全国的にも有名な戸井産本マグロを始め、ミズダコ、活〆ブリなど特産品がある。また、戸井地区は津軽海峡の海流が特に速い場所のため、水揚げされた魚は身が締まって大変美味である。
このように海産物を活かせる地域ではあるのだが、それを扱う飲食店がないので寂しいものである。
２.今あるものを活用した取り組み
戸井地区に限らず、東部4地区は海が近く、山も見えて景観が良い地域である。また、近年では空家が増えており、それを活用してカフェなど飲食店に転用できるのではと思っている。
ただ、昨今は原料など物価高が続いており、飲食店を新規に開店させるのはハードルは高いかもしれない。何よりも惹きつけるものがなければ難しいだろうし、行政としても開店させたいと思うような地区でなければならないだろう。
そんな中、戸井地区において個人的に活用できそうと考えた場所がある。
旧函館市立戸井西小学校の廃校活用
である。
戸井西小学校は、2021年3月末に閉校になった小学校である。小安町のバイパス側にあり、海岸側のバス停からも歩いて2〜3分と近い場所にある。車やバイクであれば交通アクセスも悪くはないと思う。
この旧小学校を道の駅として再生させてみてはどうかと思う。
文部科学省では「みんなの廃校プロジェクト」として廃校活用を推進しており、それに準じた取り組みをしてみると良いかもしれない。
旧戸井西小学校の特徴としては、校舎が1階建ての長方形型の校舎であることだ。また、体育館なども当然あるのでこちらを体を動かす場所として併せて活用できると思う。グランドだった場所も駐車場として転用すれば利用しやすいだろう。
道の駅として活用できれば観光、飲食店、地域雇用、地元の人の憩いの場など様々な面でメリットがあると思う。
ただ、函館市は財政が苦しいため、廃校はすぐに売却したがる傾向がある。これは工藤前市長の市政の頃に始まった感があるが、廃校活用とは無縁な街としての印象が強い。また、廃校活用を行うとしても経営設定、老朽化、改修などデメリットもある。PR活動の取り組みにしても弱ければ閑古鳥が鳴くのは目に見えている。
恵山地区にある道の駅なとわ・えさんは以前までまさにそのようなかんじであった。失礼ながらテントサイトでキャンプをするついでに行く、何となく立ち寄って直ぐ帰るなどそんな立ち位置であったと思う。特産品のホテイウオ（通称 ごっこ）を使った2月のごっこ祭りとか5月のつづじ祭りぐらいは人がいた印象である。
それが現在ではカフェコーナーに入った事業者の影響もあるのかもしれないが、SNSでの広報が活発になり、毎月楽しめるイベントが行われている。今月7月1日〜7月2日間で行われた「函館恵山バイクラブミーティング」というバイク愛好家はもちろん、一般の人も楽しめるイベントは盛り上がりを見せていた。
そして、特徴的なのは有料であるが、ドローンによる空撮ができるという点である。函館を代表するロックバンドGLAYの無観客ライブが行われたこともあり、ファンの中では聖地とされている。なとわ・えさんではそうした場所に行った人を空撮するという取り組みを行っているのである。
以前のなとわ・えさんはこうした人を惹きつけるイベントも少なく、どんよりとした何とも言えない哀愁を感じさせていたが、現在は楽しい道の駅となったのではないかと思う。
大泉市長の市政となり、旧戸井西小学校を含めて廃校活用がどうなるか気になるところである。
余談であるが、戸井地区では今月7月16日（日）にサバイバルゲームのイベントを旧北海道戸井高等学校の校舎を使用して行うようである。
こちらについては200人規模を想定したイベントであり、たくさんの人が訪れるのではないかと予想される。ただ、残念ながら戸井地区の住人のほとんどが知らないようだ。それとなく尋ねても、
「あら、知らなかった。日曜日だからいっぱい来るんだねえ」
「町内放送でも広報の紙も役場でも何も言ってなかったねえ」
というそんなかんじである。反対も特にしてないが、何ともという印象だ。
もっとも、函館市戸井支所は無関心であり、盛り上げる気はないのではと個人的に思う。せっかく人が来るのだから取り組みをしてもらいたのだが……。
この点については次回書きたいと思う。
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