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懐かしい未来

魔法使いの弟子  9


 伊吹山は古くから信仰の対象となり、人々に崇められてきた霊山だった。

 今でもその威容は他の景色からは抜きんでて見えるのだったが、乱開発によるものか、土砂崩れなどしていて痛々しくも見えるのだった。

 その山麓まで来たとき、シャンタンは当然のように、具合が悪いと言って後ろのシートに横になって倒れ込み、しばらく動けなくなってしまった。
 他人がどんなに批判しようとも、シャンタンと一緒に行動し、その一生懸命な姿を目にしていると、彼がどんな理解しがたい言動をしても、そこに自分が関われたことを有難く思えて来るのだった。

 シャンタンは、浄化やワークなどを通して、すぐには分からない過去生から積み重なった感情の昇華をすることは、誰のためでもなく、自分のために止むにやまれずやっているだと言った。
 私にはそれが、紛れもない真実だと受け取れた。

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