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公衆電話

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統合失調症を発症して入院した1ヶ月の体験を基にした小説です
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#小説

公衆電話

14・締めくくり  翌朝、食堂でT君と一緒になった。 「T君、夕べ電話したよ。家人に」 僕…

遊歩
1年前
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12・面会    病院では集団療法もあり、絵を描くこともあった。ちょうどその時間に、妻と…

遊歩
1年前
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11・別れのカンパリソーダ  「別れのカンパリソーダ! ボクには迸るような青春の思い出が…

遊歩
1年前
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10・鉄格子  主治医から大部屋に移動許可が告げられた時、正直嬉しい反面さみしい気持ちに…

遊歩
1年前
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6・隔離室 『 蛍の光 窓の雪 書《ふみ》読む月日重ねつつ    何時しか年も すぎの戸…

遊歩
1年前
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2・統合失調症  実は以前一度その当時のクリニックの主治医に相談し一か月ほど入院したこと…

遊歩
1年前
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公衆電話

1・サラトモケのニケ  その看護士には檜の匂いがした。次に来たナースは狐の化身としか思えなかった。  病院の車寄せの前のロータリーには「サラトモケのニケ」のレプリカが等身大で翼を広げていた。噂によると、以前の病院の敷地が高速道路の用地として買収された資金で建て替えられということだった。  病院の紋章には十字架が組み込まれたデザインで、設立の基本理念の一部にはヨーロッパのキリスト教作家の小説から引用された崇高な愛が謳われていた。  日本でも有数の天然ウランの埋蔵する大地の