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板本大輝に学ぶ「心の旬」

今年4月、板本大輝(武蔵野大学アントレプレナーシップ学部)はライブ配信を遠隔でサポートする「株式会社Emer」を起業した。入学以来、同学部に所属する私は彼のビジネスに関する圧倒的知識・スキルと淡々と努力を積み重ねていく姿に魅せられた。今回は、板本が語ってくれた来歴や信念について探り、そこから私自身が大いに刺激を受け、多くの人にも役立ててほしいことをまとめてみた。
 
 

突発的行動が転機に


「とりあえず撮ってみる?」
高校2年生の夏、コロナ禍で帰省できない人たちに向けて動画を撮ろうと反射的に行動した。地元中を友人とともにカメラを持って周り、スキルがない中手探りで動画をつくりアップした。するとこの動画が一躍話題になった。「感動しました!」
「涙が出てきました。」
そんなコメントも寄せられた。

中学時代はサッカーに熱中し、高校入学後はギターに没頭していた板本だが、ここで初めて
「誰かのために動画をつくることの素晴らしさ」
に触れた。

通っていた島根県立浜田商業高等学校では、会計、マーケティング、ITなどの知識を実践的に活かすカリキュラムが組まれていた。「映像・動画の可能性拡大への期待」と「ビジネスにおける基礎力」との両輪で起業への道を進んでいくことになる。
 
 

デザイン思考


板本は高校時代、「デザイン思考」という思考法に強く感動した。デザイン思考とは、デザイナーがデザインを考案するときに用いるプロセスで、ビジネス上の課題解決にも応用される考え方である。彼は本質的な課題を見つけ、アイデアを出し、プロトタイプを作成して仮説検証をおこなっていくプロセスそのものに強く興奮する。

しかし、それはビジネスにおいてだけではない。日常生活や趣味においても、課題や自分の頭の中にあるものを、仮説検証を通して実現・前進していくことが何よりも彼の喜びなのである。
そんな「クリエイター気質」が自身のビジネスを支え、妥協なく進歩し続けるための源になっているのだ。
 
 

板本が「急ぐ」訳


 
都会と地方の情報や機材の格差を痛感し現在の事業の設立に至ったが、板本はいま、焦りを感じている。

「地方ビジネスの先輩とお話をする機会があるが、その方が言うには、時間が経つにつれ課題解決に向けた感覚や意識が薄れていってしまう、とのことだった。だからこそ、僕はその課題意識や地方格差の感覚が新鮮な今のうちにやらなくてはならないと思っている。」

周囲からはよく
「焦らなくていいんじゃないの?」
「卒業してからでいいんじゃないの?」
と言われることがあるが、板本は今の感覚や感情が永遠でないことを知っている。だから、スピード感をもって行動し、仮説検証を繰り返し、自分の理想を追求、時には方向転換しながら突き進んでいけるのである。
 

「心の旬」を大切に


 
板本大輝から学べることはたくさんある。しかし今回私が最も感銘を受けたのは、

「現在しか持ち合わせていない感覚や感情に対する自覚」

である。
多くの人が自分の夢や目標を持って生きている。しかし、
「もう少しスキルを身につけてからにしよう」
「経験を積んでから…」「まだ知識が浅いから…」
と感じてなかなか本当に自分がやりたいことを行動に移せていない人が多いのではないだろうか。スキルや知識に囚われるあまり知らず知らずのうちに失いがちな「今しかもっていない感覚や感情」、それに対する自覚の大切さを彼から学んだ。

大学に入学して半年以上が過ぎた。
忘れかけていた「心の旬」を逃さずに過ごしていきたい。



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