勉強嫌いな子に学習漫画は有効か #143

勉強は苦手だけど、漫画はよみます。

マンガ好きの勉強嫌いは漫画から学ぶといい、といった話をこれまでに何度となく聞いたことがある。
学習漫画は実際にたくさんあって、漫画から学ぶ子は多い。


でも、漫画が好きで、漫画に没頭する子が、いわゆる学習漫画から学ぶかといえば大間違いだ。

マンガ好きのお母さんはせめて、漫画から学んでくれたらと思う。
漫画が好きな子はおそらく、認知的にも「視覚」優位で、視覚からの情報を入れてあげる方が学習効率は上がるだろう。

できるだけ、本人の「好き」を尊重しつつ、少しでも学びがある方向、学校の成績に直結しそうな方向に向いてくれたらと願う。

いくら漫画好きで、「視覚」優位であっても興味がなければ意味がない。

漫画から学ぶというのは、学びたい、知りたい気持ちがあるけれど、文字で読むのは大変な場合に有効だ。
もちろん、漫画自体が面白くてそこから知的好奇心がどんどんと広がっていくという、漫画がきっかけになる、というケースもある。

勉強が嫌いなマンガ好きには、それを期待しない方がいい。

本棚に学習漫画を置いておく、親が楽しんで読み進めるのはいいけれど、絶対に勧めてはいけない。

親から勧められ、その時に親の下心が見え隠れした途端、読もうという意欲がなくなる可能性が高いからだ。
子どもは意欲で動く。だから意欲を減退させる言動は禁物だ。

勉強嫌いの漫画好きの興味関心を引くのは、漫画だとは限らない。
漫画が好きだからといって、漫画から「+α」を学ぶことにフォーカスしてしまうと失敗する。

子どもが何に関心をもっているかに、関心を持ち、「なぜそのマンガが好きなのか、どこがおもしろいのか」を雑談のなかでいろいろと聞いてみる。
つまり口で言わせて説明してもらう。
そうすると、子どもは親に否定されていないとわかって安心して喋ってくれるだろうし、どこが面白いかを相手にわかりやすく説明する、という論理的思考力をはぐくむことができる。

欲張らずに、目の前の子どもをじっくりと観察してみるとできそうなことはたくさんある。

その発見を楽しめるようになると、子育てがぐんと楽しくなる。


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