「プール習いたい」をあっさり撤回された話 #125

子どもには、なにか習い事を経験させてあげたいなと思う。
運動習慣、体力がつくだとか、学習習慣がつく、など親には準備できない環境で好ましい習慣づくりができれば、やっぱり子どものためにいいと思う。

実際にはフルタイムで仕事をしていることもあり、習い事の送迎ができないので、「自分で行って帰ってこれる」場所でないと難しい。
せっかくの週末が子どものおけいこで行動範囲が制限される、という事態もできるだけ避けたい。

自宅から徒歩圏内で行ける、「そろばん教室」「水泳教室」には、全く興味を示さなかった。
学童で楽しんでいるようなので、習い事は本人が言い出してからでいいか、と考えていた。

とうとう、その時がやってきた。
「水泳を習いたい」
息子が自分の希望を自分の口で表明したことが内心嬉しい母。

たまたま、平日休みで他の用事がスムーズに終わり時間が出来た。
水泳教室を見学して、申し込みをしたり、段取りを考える絶好のチャンスが突然巡ってきた。

「今しかない!」
新しいスタートの予感に心躍らせながら、学童に早迎えに行った。

息子 「なんでもう来たん?」
母  「プール、見に行こう!」
息子 「え? プールに行きたいのはもうやめた。」
母  「・・・そうなん!そうやったんか。」

まぁ、そういうこともあるよね。
母  「じゃあ、家に帰ろうか?」
息子 「集団で帰る」
(集団とは17時帰りの子どもたちが揃って学童を出発し帰宅すること。)
あと、1時間ほど学童で遊んでから、自分で帰るというのだ。
母  「そっか。じゃぁ、先に帰っとくね」

プール習いたいと思ったけれど、気が変わった息子。
プールを習ってくれたらいいな思う親心はもちろんあるけれど、とりあえず息子の考えを尊重する。

珍しくお迎えに行ったのに一緒に帰ることも断られて、フラれた気分ではあるが、それもまたよし。息子が成長しているということなのだろう。

「行きたいって言ったでしょ」「今日行かないと次いついけるかわからないのに」などと思い通りにコトが進まず、イライラしながら無理やり連れて行こうという思考にならなかった私も、母として成長したなと思う。

いろいろな価値観、考え方があるけれど、親がどうさせたいのかではなく、自分の子どもが本当はどうしたいのか、という気持ちを受けとめていくことは大事だなと思う。

しばらくして、大きな声で歌を歌いながら、ご機嫌に帰宅した息子。
「なんで、ママが家にいるの」とちょっと不服そうな表情を浮かべつつ、音読と次の日の準備をさっさと済ませ、テレビのリモコンをつけた。

母は、いつもの手抜きよりもちょっとたくさんおかずを作る。

これが私たち親子の現在地点。

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