こどものためのゲーム理論 #129
ゲーム理論とは論理の力を使って人の行動を予測する「人間関係の科学」とも呼べる学問だ。
小学生を主人公とした、ストーリー仕立てで、読みやすい。
小学6年生の主人公は、どうみても大阪のおばちゃんみたいにしか見えない「雷神」から雷神種(カミタネ)をもらう。
それは「他人の気持ちが読めるようになる」魔法のタネ。
相手の出方次第で自分が何をすべきか決める、ということはよくあるけれど、特に若い時は直接聞くことが憚られて、空気を勝手に読んで行動するということもあった。
ゲーム理論の中の話でなくとも、カードゲーム、ボードゲーム、あらゆるゲームは、相手の作戦を考えながら次の一手を考える。
カミタネの魔法は、「他人の気持ちが読めるようになる」というよりも、これから相手がとる対応を客観的に覗き見る、というほうが正しいのかな。
人間関係のゲームというのは、つまりコミュニケーションだ。
決めつけるのではなく、流されることもなく、相手の立場を考えたうえで、自分の判断軸をきちんと持つことが大事だと思う。
昨日のnoteに書いたばかりだが、理屈、論理的思考では判断が出来ないと、稲盛和夫さんが仰っていた。
だからこそ、もう一歩判断軸を持つためには、自分の心を高めていくことが大事で、そのために「相手の立場に立って考える」ということが大事だ。
「雷神と心が読めるヘンなタネ : こどものためのゲーム理論」は、ゲーム理論という学問としてではなくとも、知っておきたい、そして「考える」きっかけになる内容だった。
つい最近まで、「考える」ということが難しいと思ってきたし、その場の感情だけで物事を判断していた。
自分の思考の浅さがコンプレックスでもあった。
そんなこともあり、「考える習慣」を持つべく、自分自身にも子どもにも意識的に問いかけをしてきているので、「考える」ことに対しては比較的できているかなと思う。
ただ、それがまさか、「ゲーム理論」という学問と結びついているというところまでは、想像できていなかったので、そういう意味でも、とても面白かった。
我が家の小2の長男のように、まだまだ自分で読むのが難しい場合は、普段の会話の中で、
「それって、○○くん(相手)だったら、どう思うかな?」と相手の立場を考えるきっかけになるような問いをしつこくない程度に、織り交ぜておくのがおすすめだ。
息子の場合は、相手の気持ちを言葉にする前に「そんなん、わからん」と言ってしまうことも多いけれど、それでいい。
尋ねられただけで、一瞬でも「どうだろう?」と相手の気持ちに意識が向きさえすれば、それだけでOK。
間違ってもしつこく突っ込んで、言語化させようとしない。
仮に面倒な表情をしていたら、そのまま流すし、うまく言葉にできずもどかしそうにしていたら、こちらからキーワードを出して言語化のヒントになるような質問してみたりする。
「相手の立場に立って考える」ことの大切さが、最初から最後まで、何度も繰り返し書かれていた。
ゲーム理論ってつまり、そういうことなのね、と理解するとともに、あわせて、「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の中ででてきた、誰かの靴を履いてみること(Put yourself in someone’s shoes)という考え方、(同情ではなく、共感すること)が大事だなと思った。
この本も近いうちに再読してみよう。
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