才能を物々交換 #118

鳥羽周作さんの『本日も、満員御礼。』タイトルと、笑顔の表紙に惹かれて手に取った1冊。

あっという間に読めて、響く内容もたくさんあった。読みながら、心の中で、すごいなぁ、なるほどなぁの繰り返し。

その中で、鳥羽さんがご自身のことを人間わらしべ長者と表現されていた。

どんどんいろんな人に会いに行き、会話をしてお互いの才能を「物々交換」するんです。
これを始めてから、どんどん見える世界は変わっていきました。

鳥羽周作 本日も、満員御礼。幻冬舎

最近、出不精だった私も「人に会う」を意識していて、いろいろな人に会いに行く機会を意識的に増やしていたところだ。
私自身も、そうありたいと思うけれど、自分に置き換えて考えたときに、交換できるものがよくわからない。

講演会やら、セミナーだと、あくまでもひとりの受講者にすぎないので、一方的に受け取るばかりだ。
仕事周りでは情報交換したり、単にgiveすることも多いけれど、どうもスッキリしない。

スッキリしない理由を考えた時に思い当たるエピソードがある。

最近、私が尊敬するA先生に知り合いの講師業をされているBさんを紹介する機会があった。
2人とも、それぞれの分野の第一線で活躍されている方で、私はお繋ぎしたという役得で、幸運にも忙しいおふたりと一緒に会食を交えてお話をする機会を得た。
意気投合する2人を目の前にして、同じ空間にいながら、同じ土俵に立っていない自分を自覚した。私は空虚感に襲われた。

毎日の職場で同僚や、保育園の保護者さんと話すときにはないモヤモヤとした感情。

職場では、「先生」と呼ばれることが多く、感謝されることもそれなりに増えて、承認欲求も満たされやすい。
「勘違いするな、いまのあなたは井の中の蛙にすぎない。」
そんなことで、自己効力感を高めて、満足している場合ではない。
私の中の、上昇志向の強い人格がそう突っ込む。

私は今の土俵ではなく、もうひとつ上の土俵に上がりたいと思っている

彼らと対等に喋れるようになるには、今のままではいけないことを思い知らされる。

私の強みってなんだ?
私はA先生、Bさんから学び、それを実践に活かしている部分も多い。
でも彼らの真似事しかしていないのであれば、いつまでたっても対等には離せないよね。

私が人と会ったときに自信をもって交換したり、giveできるものは何だろうか?

まだ、明確な答えはもっていないけれど、さんざん、何をしていいかわからなくて迷いながらも、目の前のことは一生懸命取り組んできた。
その結果が今の自分に繋がっているのだから、やはりその歩みを止めずに、続けること。とにかく実践行動するしかないね。
noteに毎日アウトプットをすることで、記録がデジタルデータとして積み重なり、自信がつき、思考する習慣もついてきた。
これを続けたら、いよいよ次は私がどこかで大化けする日が来るのではないかと、にんまり妄想している。

「本日も、満員御礼。」の内容からは随分とずれてしまったけれど、ただ文字を目で追う読書ではなく、読み進めるうちに、ことばにアンテナがたち、そこから考える、なんてことは、以前は経験したことがなかったので、自分の中で起きた小さな変化成長が嬉しくもある。

本を読んで鳥羽周作さんのファンになった。

ドキュメンタリー映画にも、なったそうだ。

もう何年も劇場で映画をみていない私が関西でも公開されることを心待ちにしている。



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