相反する気持ち #130

些細な兄妹げんかから、イライラが始まり、負のスパイラルにはまりかけた小2の長男。
ネガティブ度が強くなると、「自分は運が悪い」「生きていても仕方がない」
時として、絶対に言ってほしくない言葉を口にすることがある。
台所に行き、キッチンバサミの刃の部分をちょっと触っては、自分を痛めつけるアピールまでする息子。
母としては、それだけは見過ごせない。
「やめなさい」
すると、キッチンで皿洗いをしていた夫が、
「ほっといたらいい。わざとやってるだけ」

以前ならば、そんな息子の態度にイライラが爆発して大声で怒鳴っていた夫がやけに冷静だ。

夫は間近で息子の姿をみながら危険ではないと判断し、珍しく語気を強めた妻をなだめるかのような発言をする。
息子はともかく、子どもの癇癪にすぐに感情的になっていた夫の変化に驚きと、嬉しさと、そして面白さを感じた。

とはいえ、やはりイライラしたときに刃物を持つという危険行動には、毅然と対応すべきで、そればかりは、取り上げた。

自分の中でなんとか気持ちの整理をつけ、眠った息子。
兄のイライラ中は、おとなしく空気を読み、兄が眠ると母親に甘えようとしてきてなかなか眠れなかった娘。
そんな日もあるよね。娘の寝かしつけと、寝落ちから目覚めるともう、日付がかわりそうになっている。
今日も深夜の執筆だ。

今日の彼のイライラは、①兄妹でのおもちゃの取り合いやら、②自分では終わったつもりの明日の学校の準備が抜けだらけ、③焦って母親にあたり、④その様子を見た父親がテレビの時間を減らすと宣告した
~~~こうやってどんどん望まない方向に行ってしまった。

さて、今日は何を書こうか、どうまとめようかな、ときまぐれに選んだ本をパラパラとめくってみる。

そこにはこう書かれていた。

怒りという感情の下には、往々にして、悲しみや不安など別の感情が隠れていることが多くあり、それに気がつくことは簡単ではありません。

足立啓美 子どもの心を強くする すごい声かけ 主婦の友社

忘れ物をして、先生に怒られるかもという不安。

父を怒らせてしまったことで、楽しみな動画をみる時間を減らされてしまうかもという不安。

また、イライラしてしまったという悲しみ

これらが怒りに変わっていく。

しんどかったね、息子くん。

久しぶりに大きく荒れた息子。
いわゆる小1プロブレムに苦しみ、荒れていたちょうど1年前から比べると、随分と落ち着いた。
たまにそうやって、感情をむき出しにしてみたりもしながら、彼なりに調整しているのだろう。

「人は誰もが相反する気持ちを抱くことがある」

幼いころから私たちは、親や教師から「仲良くしなさい」「おもちゃは仲良く使いなさい」と道徳的な行動規範として教わることが一般的です。しかしその結果、人と分け合ったり、共有することに両極端の強い感情を抱き、人生にマイナスの影響を及ぼしてしまうこともあります。
ですから、何かを分け合うことで感じる嫌な気持ちは、分け合うことで得られる大きな喜びに伴う気持ちとして説明することで、子どもたちには受け入れやすいものとなります。

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マイナス感情に陥った時は、気持ちを受け止めつつ、その対にある、ポジティブさに気づかせてあげられるような関わりをしていきたい。

人間のさまざまな感情を色で立体的に示したプルチックの感情の輪も対極には相反する感情があったよね。そんなことを思い出した。

人間の感情は複雑だ。だからこそ人間なんだな。


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