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君と映画を観たかった


映画

映画館に行って、好きな人が隣に座っている状態で約2時間スクリーンの映像に集中する行為の尊さを今の私は欲している。


最近、アプリで出会った歳下の子の家で映画を観た。この時に、君と映画を観に行けばよかったって死ぬほど後悔した。死ぬほどは大袈裟かもだが、だいぶ後悔している。アプリの彼のことは友達としか思ってないので、映画を観ている間もドキドキなんてしなかったし、家だから映像につっこみながら観た。


君とは映画を一度も一緒に観ることがなかった。というのも、私が映画館に行ってまで映画を観たいと思う人間じゃないから、君が誘ってくれる度に適当な理由で断った。何回か断ることが続くと、君も誘うことをしなくなった。同じ空間で同じ時間を過ごすなら、気兼ねなく喋ったり触れあえる映画以外のことのほうが楽しい時間と私は思っていた。散歩とかドライブとかね。あと私は天邪鬼だから流行りものの映画はなんとなく観たくないんだな。

今後一切君と映画を観る機会はないから、君と映画館で過ごす時間の良さを知ることはもうできない。し、映画を観た後の感想を語り合う時間を過ごすこともできない。絶対に君ならどんな映画でもおもしろおかしく自分の感じた思いを上手に伝えてくれたと思う。そんでもって、私は陳腐な感想を述べて君を失笑させただろう。


何回か誘ってくれた言葉。

この映画おもろそうやない?観に行く?

今なら速攻で返事するよ。行く!って被せ気味で。


君と一緒に映画鑑賞をしたかった。君がよかった。ほんとに後悔してるよ。

君とあれしたかったな、これしたかったなって思う自分に腹が立つ。もう忘れたい。

この連休も友達と遊びながら、君と過ごした去年のことを思い出しては、君は今年の休みを誰と何をして過ごしているのだろう、だなんて考えてはそんな自分に腹が立つ。もう忘れたい。

振られてから君からの連絡は一切ない。あるはずがない、してくるような人じゃないからね。
私からする勇気はないし、したら負けのような気がするし、今さらどんな調子で話したらいいかも分からんし、もし、返事が返ってこなかったら悲しすぎて絶望するかもしれないという恐怖心がある。いっそのこと、好きな人ができたって言って振ってくれたらこんなに君のこと考えることもなかっただろうに。こんなに人のこと好きにさせといて、君ってやつは。

これからも映画館に行くことはほぼないと思う。君と観たかったなって思うやろうし、こうなったら映画なんて観たくないまである。

何かのことに対して、君との思い出が付随されていると生きづらい。君が住む地名、君の地元の地名、君が好きと言ってたミュージシャン、君がよくしていた格好、君が好きだったお寿司のネタ、君と旅行した場所、君が住んでいたアパート。あげるとキリがないけど、どれも見るたび、聞くたびに思い出す。前も同じようなこと書いた気もするけど、としたら、君への気持ちが変わってなさすぎる。

ああ、

映画、一緒に観に行きたかったなあ。


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