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散歩

出会って1か月、寒空の下、飽きるほどに散歩にでた。いつもの散歩道を歩くと君と歩いたことを思い出す。
あっちでも私のこと思い出して散歩しててくれんやろか。あっちでの散歩は一瞬やったけどしっかり覚えてる。多分まだまだ忘れられそうにありません。

散歩
散歩はいいですよ。アプリの人と会うときには、散歩しましょう、ってよく言うてた。お金も使わず、適度な距離をとって、相手と健全に会話することができるので。
彼とは、初めましてから4日連続会って、その後も週に2、3回は会った。平日、仕事おわりに散歩して、毎週土日のどちらかは遊んだ。まだ付き合ってなかった。いつ付き合うことになったかは曖昧で、散歩中に彼から何度か軽いアタックを受けた。その度に私は、付き合うと何が違う?散歩して遊びに出かける関係でもよくない?どうせ遠距離になるならさーと。4か月後には県外に就職する彼とできれば付き合いたくなかった。仲良くなって、好きになって、その後に別れがくるのが悲しかった。はじまりがあると終わりがくるのが嫌やった。楽しいままで終わらしたい関係というか、仲いい男友達としての関係を築きたかった。今までに出会った男性で1番話しやすくて、心地が良かったから、付き合って別れてさよならになるのは悲しいと思った。「付き合わんとできんこともあるし、今が楽しかったらよくない?もし別れても年賀状送り合う感じの関係でおりたいなあ」彼は言った。まあ、それもそうかあと思って、多分どっかのベンチで話した日にお付き合いがはじまった。付き合ったからといって何が変わったかといえば、散歩中に手を繋いでみたり、ハグしてみたり?することが増えた。寒いねって言いながらわちゃわちゃ歩くのは楽しかった。あのときは、結局何をしても幸せでいっぱいやったなあ。満月だから散歩した。ブランコとシーソーをするために散歩した。もらった野菜をあげるために散歩した。ハガキを買いに行くために散歩した。朝イチで帰らんといかんのに、夜な夜な漫画を読みに来て泊まっていったこともあった。どれもこれもほんとに楽しかった。
4月、遠距離がはじまった。ぱっと会えんことが悲しかったけど、お互いの生活を報告しながら一日一日があっという間に過ぎていった。秋に彼の住んでるとこに2週間程遊びに行った。あっちでも散歩をした。出会った時とは反対。彼の仕事おわりに暇を極めし私がセットになり散歩にでる。見慣れない街を二人で歩くことも何日か繰り返せば、それが日常となり、散歩の目的地にパチ屋があったとしても、二人の共通の趣味がそれでも楽しいならいいと思っていた。でも、振られたときに知った。日常となったそれらが私は楽しいと思っていたが、彼にとってはそうではなかったらしい。趣味も散歩以外にこれから一緒に増やしていけたらいいや、と思っていたが、遅かった。思い描いていた未来がくる前に振られてしまった。彼とこれから歩むことがあったであろう未来のかたちを勝手に想像しては、それが叶うことのない現実に泣いた。

いまも散歩にでるたびに思い出す。時間が経てば忘れられるもんなのだろうか、こんなにも日常の中に入り込んできていたものを。最近は専ら、カネコアヤノとnever young beach を聴きながらひたすら歩く。そういや、音楽の趣味も合わんかったな。彼の鼻歌に一緒に乗れんくても、よかった。そんなことはどうでもよかった。 


以下、失恋中に聴いてる楽曲紹介( ;  ; )
ずっと先にこのnoteを読み返すときに、今聴きゆう曲も残せるのっていいな。
このnote読んでくださった方、ご存知の方もそうでない方もよければこの機会に聴いてみてください^_−☆

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