とあるアーティストを紹介させて下さい。

とある女性の話をさせて下さい。

1907年7月6日生まれの彼女は、6歳の時にポリオウイルスによる感染症にかかり、右足の成長が止まってしまいます。

療養のため、ベットにいる時間が長かった彼女は写真家だった父の手ほどきを受け、絵を描き始めます。

1925年9月17日、18歳の時に悲劇に見舞われます。
乗っていたバスが路面電車と正面衝突し、背骨や鎖骨、骨盤、右脚を骨折し、内臓にも重傷を負いました。

幸い一命は取り留めましたが、事故以降は常にコルセットをつけ、その後の人生において何度も流産や治療的な中絶をくり返し、生涯に30回を超える手術を受けることになりました。

そんな中でも、彼女は絵を描き続けました。

彼女の絵は自画像が多く、自らの身体に起きた事をテーマに描き続けました
常に身体の痛み、不調と闘いながら描いた自画像であるにも関わらず、描かれたその顔は痛みで歪む訳でもなく、自らの身体が受け続ける不条理に怒る訳でもなく、ただただ、真っ直ぐな眼差しでこちらを見つめてきます。

彼女は数々の作品を世に送りますが、1954年の7月13日に肺炎を併発し、47歳で息を引き取りました。

彼女の絶筆はスイカを描いた静物画で、そのうちの一切れには「Viva la Vida(人生万歳)」という言葉が記されています。

彼女の名前はフリーダ・カーロ。メキシコの画家です。

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