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同期の与田#2【特権】

与:んぅぅー、〇〇のごはん美味しいぃー

〇:そかそか;;;

与:もぉ、完全に胃袋取られたー

〇:いや、取りはしないぞ;;;


今週末も同期と一緒に朝を向かえる。

成り行きで始まったが、もう何度目だろうか。

2週に一回は仕事終わりにスーパーで食材を買って晩酌。

翌日朝食を一緒に食べてダラダラと昼くらいに散歩がてら与田を駅まで送り届ける。

そんな過ごし方が当たり前になっていた。


どうやらすっかり餌付けしてしまったらしい。

まあ、それだけならよかったんだが・・・

これだけ懐かれるとこちらも愛着が湧いてくる。

オレが作った食事を美味しそうに食べる与田を見るのが毎回楽しみになってしまった。




夜は酔いつぶれる事もあれば、眠くなったら気を遣わずお互い勝手に寝る自由な感じだ。

基本的には与田にベッドを譲るようにしていたが、

床で寝てしまってわざわざ起こすのもアレだな・・・と思う時はオレがベッドを使った。

まあ与田じゃなければこんな事は許されないだろうが。

与田だし・・・まあいいだろ・・・

しかしどこでも寝れるのはすごい才能だ。

なんだかペットみたいなやつだな。

床で万歳しながら寝ている同期を見て笑ってしまう。

ちっちゃいから余計にそう思うんだろうなあと飼い主の気分で観察していると、仰向けでも主張をやめない部分が目に飛び込んでくる。

でかい・・・

ってどこ見てんだオレは;;;;

同期の身体を凝視している自分に気づいて、届かない謝罪をする。

与田すまん//////

朝めしでチャラにしてくれ・・・


これくらいで起きないのは分かっているので、与田の首をすっと浮かせてクッションを差し込む。

一瞬止まった寝息が再開するのを確認してから静かに毛布をかける。

ふっ、慣れたもんだなオレも・・・

自分の手際の良さが可笑しくて笑ってしまう。


それにしてもずいぶん気持ちよさそうに寝てるよなあ。

同期とはいえここまで無防備なのはいかがなものか。

信用されてるって事なんだろうけど・・・









ー-----

与:んぁ、おはよぉ

〇:おう


朝食の準備中に、もぞもぞと動きだした同期にすっと水を届ける。

与:あ、ありがと

上半身だけ起こしてごきゅごきゅっと喉を鳴らしてコップを空にする仕草はさながら子供のオットセイだ。



与:あれぇ?昨日こんな呑んだっけ

片付られてコンパクトにまとめられたかつて残骸だったもの達を見つけて言う。

〇:また覚えてないのか?

与:いつもみたいに言わんで

〇:いつもだから言ってるんだぞ

与:むぅーーー

与:〇〇だって覚えてない時あるやん

〇:そらそうだけど、もうちょっと警戒しろって事

与:ん?

〇:オレが変な気起こしたらどうすんだよ

与:え///////

あれ?オレ何言ってんだ?

〇:す;;すまん。変な事言った;;;

・・・・・・

・・・・・・

与:〇〇に襲われちゃう?///////

曇りの無い目でそんな事を言ってくる。

〇:いや;;;;オレは同期だし、なんとも思わないけどっ//////

与:むうぅ、何それ。なんか思えっ!私だって色気あるやろっ!!

急に怒り出した同期に焦りつつ、あらためてそういう目線で見てしまう。

あるから困ってんだって;;;



〇:いや、無いとは言ってないけど・・・

与:むう!!

・・・・・・

・・・・・・

・・・・・・

はああぁぁ・・・

無言でずーっと睨みを利かせてくる与田に観念して、盛大にため息をついた後に本音を明かす。



〇:悪かった。なんか言い方間違えた

〇:心配なんだよ;;;

与:心配?

〇:与田は色気もあるし、可愛いんだからさ//////

〇:あんま無茶な呑み方は、危ないと思うぞ///////



言えた立場ではないが、よそでこんな状態になったらと思うとさすがに・・・

なんとか自制できるのは同期のオレくらいじゃないだろうか。

我ながら余計なお世話だと思うが・・・

与:そっか、そーいうことか。ふふふ・・・

なんだか嬉しそうに照れ笑う。

与:分かった、約束する///

・・・・・・

与:心配してくれてありがと。〇〇との時だけにするから//////

〇:分かってないな;;;オレも男なんだぞ//////

与:そっかぁー、私の事可愛いと思ってたんだぁ

聞いてないな、コイツ;;;

与:ふふふ//////

なんだか熱のこもった視線を感じて、目を逸らした。




与:あっ、〇〇も可愛いよー。寝てる時とか

〇:は?

与:ほら

自慢気に見せてくるスマホにはオレの寝顔が映っていた。

〇:おまえ;;何撮ってんだよ;;

与:いいやん、減るもんじゃないし。同期の特権でしょ

〇:そんなのないぞ。消せって!!

与:やだよぉー。可愛いんだもん

揶揄うように目の前で揺らされているスマホに手を伸ばすとスッと躱される。

与:へっへぇー、遅い遅い

ほう・・・

そっちがその気なら無理やり奪って削除するしかなさそうだ。

さっきよりぐいっと距離を詰めて勢いよく手を伸ばすとまたスっと躱されて・・・

あれ;;;

スマホを掴むはずが、小さい与田の大きいところに触れてしまう。

いや、正確に言えばしっかりめにガシッと掴んでしまう。

あ;;;



与:ひゃぅっ///////

しゃがみこんで小さく丸まる与田。

〇:す、すまん;;;

与:うっぅ;;;わざとやろ//////

〇:違う違う;;;;

与:ほんとに///?

〇:うん

与:ほんとのほんと///?

〇:あぁ;;;

・・・・・・

・・・・・・

与:それなら///

与:同期やし///

与:〇〇やし///

与:いいけど///////



いや、いいのかよ;;;;

【続く】




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